川原一馬、木村風太(提供写真)

川原一馬、ライブ演出の裏側明かす “芸歴22年”木村風太が挫折を乗り越えられた理由とは<モデルプレス C.I.A. インタビュー>

2023.12.15 18:00

普段は俳優としてTV・舞台を中心に活動する個性豊かなメンバーが集結し、ファンイベントやライブ活動を行う、俳優のサポーターズクラブ・C.I.A. 。6年目を迎えた同グループが、12月28日、29日に2年ぶりの『SUPER LIVE』を開催。集大成となるライブを前にモデルプレスにてインタビュー連載をスタートする。第8弾は川原一馬木村風太が登場。

  

「C.I.A.」9週連続独占インタビュー連載

俳優が歌ありダンスあり笑いありでお届けする年末恒例イベント『SUPER LIVE』。2023年をもってFINALを迎える。2年ぶりの開催となる2023年は、6年の歴史とともに積み上げてきた多くのオリジナル曲を引っ提げ、東京・豊洲PITにて開催する。

そして、「C.I.A.」を結成時から牽引し支えてきた5人、加藤諒・木戸邑弥・川原・坂口涼太郎・永田崇人が本ライブを持って卒業。「with」というテーマを掲げ、それぞれが色々な日常を抱え、色々な気持ちを持って豊洲PITに集まり、『SUPER LIVE』の時間は“一緒に”楽しんで、「お揃いの1日」を過ごしたいという想いが込められている。

インタビューでは、これまでの活動での思い出やメンバーについて、夢を叶える秘訣などを語ってもらった。

川原一馬&木村風太、俳優目指す幼少期のきっかけ・出会い明かす

川原一馬、木村風太(提供写真)
― お2人が俳優になったきっかけを教えてください。

木村:2歳の頃からキッズモデルをやっていたのですが、とあるCMに出演させていただく機会があり、その時にお芝居がすごく楽しいと感じて。「やるなら、僕はお芝居をやりたい」とその時感じたのがきっかけです。そこから事務所を探して関西の子役事務所に入りました。気付けば芸歴も22年目になってます…。

川原:すごい(笑)。

木村:そもそも人を楽しませるのがすごく好きだったんですよね。同級生が就活しだしたりする時には、芸能のお仕事をやろうと決めていました。

川原:その時にさ、周りは就職が決まっていく中で、不安や葛藤はあった?

木村:そうですね、すごくありました。でも、やっぱり自分は変化のある日常を送りたかったし、クリエイティブなことをし続けたかったし、目の前の人を喜ばせたいという気持ちの方が強かったです。自分のやりたいことを仕事にする以上は絶対苦しいことやしんどいこともいっぱいあると思うけど、それを抱える覚悟でやり続けようと、みんなが就活してる時に思っていました。

川原:なるほどね。

― 川原さんは2歳の頃を覚えてますか?

川原:覚えてないですよ(笑)。多分、3歳からですね、記憶があるの。「何歳になったの?」って聞かれて、3歳という時に指が上がらなくてぐちゃぐちゃのピース見せてた記憶しかない(笑)。

一同:(笑)。

― 川原さんはどんなことがきっかけで、俳優を目指しましたか?

川原:僕は同じ事務所で「C.I.A.」のメンバーでもある諒くんと、ほぼ同じ経緯を辿っているんですが、きっかけはダンスです。小学生の頃から諒くんと同じダンススタジオに通っていて、今の事務所に入った時期もほぼ同じなんですよね。

小学生の頃、同じマンションに住んでいた子がダンスを習いたいから一緒に見学に行ってほしいと言われて、そこで教えている先生がたまたま東京から来ていた本山新之助さんという男性のダンサーさんで。当時は男の人がダンスをするっていうことが僕の周りでもあまりなくて。そこに感銘を受けたというか、本山さんのダンスに惚れて、そのスタジオに入りました。初日に「やる気ないなら帰れ」って怒られて半べそかきながら踊ったっていう記憶が最初です(笑)。そのダンススタジオの先生の紹介で、静岡のローカルのCMなどに出演させてもらう機会が増えて、今の事務所も紹介してもらって、徐々に俳優業に興味を持ち始めました。俳優としてお仕事したいとちゃんと意識し始めたのは高校1年生くらいですかね。

川原一馬&木村風太、俳優とグループ活動時の違い分析

木村風太(提供写真)
― お2人は小さい頃から俳優というお仕事をやられてきたと思うのですが、俳優の面白さについては、改めてどう考えられてますか?

木村:どうですか?

川原:僕は俳優の面白さを100%で言ったら90%は苦しいんですよ。これは真逆の人もいるし、自分のやりたいことだから全然苦しくもなんともないよ、という人もたくさんいますけど。でも、やり遂げた時の達成感だったりとか、見てくださったお客様に何か影響を与えられた反応が返って来た時の嬉しさの濃さが90%を超えるって感じです。

木村:それ、素敵ですね。

川原:でも、年々90%の苦しみが芸歴を重ねるごとに大きくなり出してます(笑)。自分が舞台上に立つことだったり、映像作品に出させてもらうことのすごさというか、そこに入れることのありがたさをすごく意識するようになったんですよね。作品を作るために、どれだけの人が動いていて、どれだけの表現が求められていてというか。だから怖くなりましたね。怖いからこそ必死になるようになったというか。

木村:僕は一馬さんの言う苦しみという意味でいうと、子役からやっている分、途中でめちゃくちゃ芝居を変えなきゃいけなくなったんですよ。子役の時は台本をどう読み解くかではなく、リアルに自分が親に話す時のテンション感や距離感でセリフを読むことを意識していたんですが、それが思春期を迎えると通用しなくなってきたんです。その時は僕には才能がないとか、センスがないとか、そういう言葉じゃ言い表せないぐらいのトラウマになって、挫折してどうしていいか分からないっていう状態になった時がありました。

本当にいろんな人からアドバイスをもらって取捨選択しながら自分に合う合わないを選んで、何とか台本を読んだりとかできるようになってきたのかなと思っています。それでお客さんからの反応を貰ったり、テレビだったら視聴者の方から言葉をもらったりすると、やっぱり嬉しいです。でも、一馬さんの言ってた90%苦しいっていうのを聞いて、僕はちょっと怖くなってきました(笑)。一馬さんの年齢になったらどうなるんだろうな(笑)。

― お2人が所属するキューブ若手俳優サポーターズクラブ「C.I.A.」では役ではなく、素の自分でファンの皆さんの前に出ることも多いと思いますが。

川原:いつも困っちゃう(笑)。2021年の『超 SUPER LIVE』(2021年12月28日~29日開催)とかね。僕がコントをやるコーナーがあったんですけど、困ってましたね〜!

木村:(笑)。

川原:川原一馬自体、木村風太自体がそのままステージに立っても、面白い人間かどうかって言ったら、そういうのは苦手なタイプだと思うんです。

木村:絶対そうです!

川原:だから、木戸とかグッチ(坂口)とか、そのままの自分で立って自己表現できる人を素晴らしいと思ってるし、僕はそういう人間ではない。だから一緒に立った時にイジって引っ張り出してくれて、「それが面白いんだったらおもちゃにしてください」という表現方法でしか僕はなくて、ただそれを付き合いの長いみんなは理解してくれているんですよね。「あんたはイジった方が良い、面白いやろ」って、以前「C.I.A.」のインタビューの時に言われたんだけど、そういうことだと思ってます。

川原一馬(提供写真)
― 川原さんは苦手と言いましたが、「C.I.A.」の周りのメンバーは川原さんの面白い部分をわかっているんですね。

川原:そうだと思います。どう調理すれば美味しくなるか料理の方法もわかってくれていると思います。それは20代前半の頃に、グッチとか木戸とか、一緒にやってきた仲間に対していろんな感情を出していたからだと思います。

木村:僕はまだ周りに感情を出せてないですね…。

川原:風太が得意なのは、誰よりも周りを見れるタイプだから。そういう意味では、一歩引いて周りのバランスを取ってあげたりするのは多分得意なんだろうなと思う。だから、それをやることで自分の色を受け入れてもらえるか、そういうのは必要かもね。

川原一馬、木村風太(提供写真)
― 毎回「C.I.A.」の「SUPER LIVE」の最後に歌っているwacciさんの「ワンセット」という楽曲で、お2人はよく涙を流してる印象ですが、どのようなお気持ちなのでしょうか。

川原:言えません(笑)。

木村:アハハ(笑)。

川原:27歳の冬に『SUPER LIVE』というものが初めてあって、初めての経験だったので大変なことも多くて、新しいことに挑戦し続けた年でもあったんですね。1年がバーって、『ワンセット』を歌った時に蘇ってきたんですよね。年末ってこともあって、「これで今年の仕事も終わりだ」っていう開放感もあったし、この1年間よく乗り越えたなっていうのがすごく蘇ってくるんですよね。

楽しいこともたくさんあったんですけど、でもさっきも言ったように抱えているものが2018~19年でたくさんあったんで、まずこのライブができて良かったなっていうか、お客さんがたくさん来てくれて、どういう風に思われたのかなっていうことも後々考えたけど、その時はこのメンバーでライブをやることができたっていう達成感で感極まったって感じです。1年を走り切ったって感じはしますよね。

木村:僕は2018年に上京してきて、初めての年末が『SUPER LIVE』だったんです。それまで関西で仕事をしていて、東京に憧れがいっぱいあったし、期待とか「頑張るぞ」っていうポジティブな思いがあった中で、東京に来て心を折られることや挫折もいっぱいありました。

一方で、やっぱり東京に来てよかったと思う時もあって、いろんな感情がある中で、この舞台に立ちたくても立てなかった人もいるし、すごい恵まれてる時間だなと思いながら『ワンセット』を聴いていたら、泣いてましたね。

あと、先輩たちが面白くなるようにいろんな試行錯誤をしている姿を見て、「こんな先輩たちのように僕はなれるのかな」とか、いろんな感情もありました。当時は舞台にも立ったことがなかったので…。「すげえなこの先輩たち、多分なれないな」って思いながら、そういうのも相まってすごい感情が動いた瞬間でした。

木村風太(提供写真)
― 「C.I.A.」で同年代と一緒に活動していく中で、自分にプラスになったことはありますか?

木村:いろんな人間がいるなって「C.I.A.」メンバーを見てて思いました。それこそ、星(豪毅)が入ってきた時はすごい衝撃だったんです。僕と同い年で、自分の欲求に対してあんなに従順になれる男の子がいるんだっていうことが、すごく面白いなと思いました。あと、歳は1個上なんですけど、(市川)理矩を見ててもすごいなと思います。僕の周りには、特に自分の欲求に対して従順な人達が多くて、逆に僕はそれをダメなものだと感じてたんですけど、いざ目の前にそういう人がいるとすごく魅力的に見えます。

素敵だなって思うきっかけになった人達だし、自分の感情に正直になろうって思うきっかけにもなりました。そういう人達と出会うことができたことが、「C.I.A.」に入って自分にプラスになったことだと思います。

川原:僕はまず演出をやらせてもらえたってことですね。同じキャストとしている中で、自分が一緒に出る仲間を、どういう風に見せたらいいのかっていうところから考えるきっかけを作らせてもらったし、みんながいなかったらできないオリジナルのコンテンツっていうものを作ることができたっていう意味ではすごく財産ですよね。

こういうことを会社の単位でやらせてもらえるきっかけを作ってくれるところって、なかなかないだろうし。僕らアーティストサイドもそうですし、一緒に作ったスタッフサイドの見る視点もちょっと変わったと思います。同じ事務所の仲間で作るクリエイティブさというか、僕らが作るコンテンツのバランスを考えることができたのは、本当に自分の中では大きかったですね。

その経験が、他の現場に出たときに、いろんなことを自分の物差しで図れるようになったり、客観的にもっと見れるようになったりした部分もあります。苦しいことも楽しいこともたくさんあったので、それが僕のオリジナリティにもっとなっていけばいいなって思います。

川原一馬(提供写真)
― 今年の年末12月28日、29日に豊洲PITで開催される「SUPER LIVE FINAL」は、どんなライブにしたいですか?

木村:事務所に入って、先輩と一緒に何かをするってことが、すごくありがたいことだなと思うんですよ。ここまで繋がりがあるグループも事務所もあまりないと思います。だからこそ「もっと先輩から吸収できたものがあったのになぁ」って、振り返れば思いますけど(笑)。もうちょっと木戸くんのMC力とか一馬さんの演出力とか、周りのどこを見ているんだろうとか、本当に最後の最後まで吸収できるとこは吸収したいなって思います。これからは引っ張られる立場ではなくなるので、ちょっと帯を締め直さないといけないですね。先輩方に、「あとは任せてください」って言えるぐらいやりたいなと思います。

川原:僕が最初に思い描いていたライブって、「C.I.A.」というキューブの若手俳優グループとして、もっと外に出るコンテンツ作りができたらいいなって思っていたんですけど、それはずっとこの6年間、意識していた部分でもあります。僕たちはダンスボーカルユニットでもアーティストグループでもなく、個々の俳優の集団であって、それぞれの個性が集まって、年末にファンの皆さんにライブを通して、僕ら自身のパフォーマンスをお届けする集大成にできたらいいなっていう、今の言葉通りのことができてたらいいなって思います。みんなでもっと距離感近く楽しんでもらえるようなライブにできたらいいなと思います。

川原一馬&木村風太の「悲しみ・怒りを乗り越える方法」

木村風太(提供写真)
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者に向けて、これまでの人生の中で悲しみを乗り越えたエピソードもしくは怒りを乗り越えたエピソードを教えてください。

木村:この仕事って、どうしても家族に支えてもらわないとなかなか続けられない仕事だとは思うんですけど、教師である父親は1回も僕の作品を見たことがなかったんですよ。それが嫌というわけではないですけど、心のどこかでは見て欲しいと思ってたんですよね。父親はあんまり興味がなかったのか、僕が上京するときも「したいようにしたらいいよ」っていう感じで…。むしろちょっと反対してくれた方が、僕としては頑張ろうという意思にもなれたんですけど…。

それで20歳になって実家に帰ったとある日の夜中、水を飲みにリビングに降りたら、父親が僕の出演している映画を観ていたんです。それで初めて父親の背中を見て泣いてしまったことがありました。父親もちゃんと応援してくれてたんだなって。家族もそうですけど、周りの人が応援してくれていることを感じられると、乗り越えられることはたくさんあると思います。

川原:不安なんて毎日あります。なので、別に乗り越えてもいないし、それと向き合い続けています。解決する時は解決する、解決しても、その次にまた不安は絶対来るし、それの繰り返しじゃないですか。なので、乗り越えて乗り越えて、最終的にちょっとずつ乗り越えた分だけ強くなるので、それがやっぱ年の功ってやつですかね(笑)。 

どうせ遠回りしたって逃げてきた不安は、いずれ自分のところに帰ってくるんですよ。でも避けた分だけ損することって絶対あるし、しっかりぶつかって良い結果になろうが、悪い結果になろうが経験した方が結果良かった気はするんですよ。もちろん、今じゃないというタイミングとかも、きっとご本人それぞれあると思うんで、そういう時は、あとで立ち向かうよっていう覚悟ができたタイミングで立ち向かったらいいと思います。人生一回きりなので、どこがゴールかは人それぞれあると思うんですけど、楽しめる時は楽しんだ方が良いです。楽しむために必要なことはいっぱいあると思うので。僕も不安と闘いながら生きているので、一緒に頑張りましょう。にんげんだもの、みつを(笑)。

川原一馬&木村風太の「夢を叶える秘訣」

川原一馬(提供写真)
― モデルプレスの読者の中には今、夢を追いかけている読者さんがたくさんいます。そういった読者に向けて夢を叶えるため、お2人が大事にしていることはなんですか?

川原:僕がずっと意識していることは、とにかく思いついたら行動すること。DJを始めることに関しても事務所に相談してやらせてもらってますし、それを許してくれる会社もすごいなとは思うんですけど、あくまでも俳優でいるために全部考えてるんですよ。だからちょっとでも自分の糧になるものは発信していくべきだし、発信したらその分だけ言葉に責任を生まれるので、やらざるを得なくなるじゃないですか。そうやって、自分のお尻を叩いて行動していって、形になっていくものって絶対あるので、何もやらないよりやった方が絶対いいと思います。それできっと状況は変わる気がします。

木村:僕は継続的にやり続けることだと思います。2歳から芸能界に入ってやり続けてて、気づけば22年目になりますし、途中辞めようと思ったこともいっぱいありますけど、『雨水石を穿つ』って言葉が好きで、「雨水の垂れる音が続けば続くほど石でも割れる」という意味なんですけど、やり続けてさえいれば、やり続けなかった人たちよりは成長できているんじゃないかなと。最後はやり続けた人が笑うんだろうなと思っています。挫折すら出来なかった人達が挫折してる人を笑っても、その人達は絶対その“上”には行けないと思うので、今どれだけ苦しかろうが、いつか笑えると思って、続けることが大事だと思います。

― ありがとうございました。イベント楽しみにしています!

(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】

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