モデルプレスのインタビューに応じたてんちむ(C)モデルプレス

DJデビューで“売上2200万円超え”てんちむ「インフルエンサーはもう続けなくてもいい」注目集める上での代償吐露・30歳目前で抱える葛藤とは<独占インタビュー>

2023.06.10 18:00

YouTuberのてんちむ(29)が23日から24日にかけて東京・銀座RAISEで行われたDJイベント「DJてんちむ&ベアラビ partynight」に、DJてんちむ-Bear&Rabbi-として出演し、華々しくDJデビュー。モデルプレスでは、出番直前のてんちむにインタビューを行い、売上は2200万円にも上ったというイベント開催までの心境、そしてDJ・写真集発売と多様なジャンルへの挑戦を始める理由についても聞いた。

  

てんちむ、話題のDJデビュー「不安でした」

― DJデビュー直前の心境を教えてください。

てんちむ:元々こういった生のイベントは苦手だったんです。動画は何度も撮り直しできますが、ライブは一度きりなのでバーレスク東京への出演なども不安でしたが、今はたくさん練習してきた自分のことを信じるしかないと思っています。

てんちむ「DJてんちむ&ベアラビ partynight」(提供写真)
てんちむ「DJてんちむ&ベアラビ partynight」(提供写真)
― 趣味として始めてからクラブDJとして実行に移すまでのスピードが速いですよね。

てんちむ:「やる!」と決めないと、一生だらだらやるだけになってしまうので…。ただ、最初は趣味として自分の中で完結できれば良かったんですが、 気が付いたら欲が出て人に聴いてほしくなっちゃうんですよね。そういう欲求から実現させられたことは嬉しいですし、それに協力してくれた皆さんには本当に感謝でしかないです。

てんちむ、DJチケットは1日で完売

てんちむ「DJてんちむ&ベアラビ partynight」(提供写真)
― これまでもSNSでDJを楽しむ様子を載せていましたが、視聴者の反応はいかがでしたか?

てんちむ:視聴者のみんなはDJに興味がなさそうです(笑)。私も「自分の趣味を押し付けてごめん」みたいな感じ。そういうこともあって今回のイベントは人が集まるのか不安に思っていたんですけど、1日でチケットが完売したことがすごく嬉しかったです。もちろんファンの人にも楽しんでほしいんですが、DJに関しては自分の好きなものをちゃんと表現したい気持ちです。これまでは客観的な意見を大事にしてきたことが多かったので、その部分では今までと意識が変わりました。口コミとかでDJ活動が広まって、本当に音楽が好きな人たちに来てもらえるようになったら嬉しいです。

てんちむ「インフルエンサーに飽きてきた」の真意

てんちむ(C)モデルプレス
― SNSでは「インフルエンサーに飽きてきた」と呟かれていました。そう考えるまでにどのような背景があったのでしょうか?

てんちむ:元々アップダウンが激しい人間なのでマイナスな感情に陥りやすいタイプなんです。そこから早く抜け出したいという思いがあってか本や漫画を読むことも多いんですが、読み終わって現実世界に戻ってくると、自分がすごく低い次元にいると感じたんです。もちろん漫画みたいなことは起きるはずがないんですが、29歳を迎えて仕事よりも人生の方に意識が向いたということもあって、これからどう生きようか考えた上でインフルエンサーはもう続けなくてもいいんじゃないか…と考え始めました。それよりも本能の赴くまま動いた方がいいと感じたんです。

「全ての物事のハードルが低くなってしまった」インフルエンサーとしての本音

― インフルエンサーという仕事には魅力を感じなくなったということですか?

てんちむ:最初はお金を稼ぎたくてYouTubeを始めたんですけど、いつからかストレスの代償としてお金をもらっているように感じ始めたんです。インフルエンサーをやっていて良かったことは死ぬほどあるんですが、その一方で全ての物事のハードルが低くなってしまったということも事実です。例えば、叶えたいことは過程などを踏まずにすぐに叶えられるので、熱意もすぐに消えちゃいます。それはすごく幸せでもあるんですが、不幸でもあると思ってきてしまって。今はインフルエンサーとしてというよりも“てんちむ”という存在自体を濃厚にしたい思いが強いです。

多分、以前ほどYouTubeの再生回数が回っているわけでもないですし、もっと忙しい日々を送っていたらこういうことは考えてないんですよ。一般的に、29歳から30歳にかけて仕事や恋愛などで悩む人が多いと思うんですけど、そういうふうに悩んだ過程を経て出た答えです。

てんちむ(C)モデルプレス
― 「存在を濃厚にしたい」というのはどういった思いがあるのでしょうか?

てんちむ:今、自分自身のレベルが5まであるとしたら、3.5ぐらいまでは掘り下げられていると思うんです。“私はこういう人間”と断定するのではなく、自分の過去やトラウマと向き合ってどうしてこういう人間になったのかを掘り下げて向き合っているような感じです。本当に今が変化の時期なんだと思います。

てんちむ、炎上渦中でも「楽しかった」“刺激中毒者”と分析する理由

― 掘り下げていく中で何か気付いたことはありましたか?

てんちむ:すごく刺激中毒者なんです。ギャンブルなどのハラハラすることに対して刺激を持つのとは違うんですが、矛盾しているのは前提として「生きたい」と「死にたい」、「愛したい」と「傷つけたい」など感情の面で相反するものが常に共存しているんです。例えば、3年前に炎上したときはアドレナリンがすごかったんですよ。傍から見たらボロカス言われてダメージを受けているように見えていたと思うんですが、当時私はその状態がすごく楽しかったんです。この表現が正しいのかわからないんですが、逆境を楽しんでいたんです。

てんちむ、DJ社長らからの言葉明かす

てんちむ(C)モデルプレス
― SNSでは、Repezen FoxxのDJ社長さんやメンタリストのDaiGoさんとお話されていたことも明かしていましたが、どのような言葉を受け取りましたか?

てんちむ:2人からは「自分が普通じゃないことをわかっているのに、なんで普通であろうとする部分が存在するの?」と聞かれました。自分自身に疑念を持ったり生き辛さを感じたりすると、そういうふうになることも多いみたいなんですが、私自身もそれには共感しました。今考えたら、以前は普通の恋愛結婚などを求めていたこともあったんですが、今はそれが私の幸せではないと認識し始めたんです。考え方などの面で高い領域に行けたと思っていても結婚や恋愛などに関しては憧れを持っている、という振り幅がしんどいと思ったので、そういうことは切り捨てていきたいと考えが改まりました。

「てんちむを30歳で終わらせたい」そこから気付いたこと

― DJデビューもその変化の内の一環になるのでしょうか?

てんちむ:あったかもしれないです。元々私自身、“てんちむ”を30歳ぐらいには終わらせたいと思っていたんです。というのも、30歳でもインフルエンサーをやっている自分に全く魅力を感じない。YouTubeはゴール地点がない、無限のマラソンだと思っているんです。どこまで走れば良いかわからないし、どのペースで走れば良いかもわからないから、30歳を境に1回ゴールを打ったら、DJなどのやりたいことが出てきました。

てんちむが“今”写真集発売に踏み切った背景

てんちむ「DJてんちむ&ベアラビ partynight」(提供写真)
― 写真集の発売など、新しいものに挑戦することが増えていますよね。

てんちむ:写真集の発売も、ゴールを設定したからこそまだやっていないこととして出てきたものですね。要は、とりあえずインフルエンサー・てんちむとして、悔いがないことをやろうという考えです。多分それは動画をいっぱい上げることや企画に挑戦することではなくて、表現者という部分でやりたいことだと思っていて、どこまで行けるのか、自分の可能性を試している時期です。

― 30歳を迎えたら“てんちむ”を終わらせるというのは、ご自身の中でもう決まっていることなのでしょうか?

てんちむ:難しいですよね。どちらにせよ、YouTubeなどのスタンスは変えたいです。今の自分と(誕生日を迎える)11月の自分が何を考えてるのかは絶対に違うので、どういう形になるのかはわからないですけど、DJを途中でやめるなど、無責任なことは100%ないので安心してください。ただ、私はコロコロ変わる人間なので(笑)、もしかしたら仕事の関係上でYouTuberを続けている可能性も全然あります。

てんちむ、ADHD・躁鬱・HSS型HSP…公表に至るまでに悩みは?

てんちむ(C)モデルプレス
― 最近のYouTubeでADHD・躁鬱・HSS型HSPであることについて共有していて、ありのままのてんちむさんを届けているような動画が増えた印象です。

てんちむ:確かにそうかも。多分私、本来人が隠したいと思うような部分をコンプレックスだと感じていないんです。例えば、私は元々国籍がコンプレックスだったんですが、今となってはそれが武器になったと思っているので、それを動画で話したときに、その言葉に勇気付けられたと言ってくれたファンの子がいたんですよ。公表することでファンの方にプラスを与えられるのであれば、自分にできる限界のことまでしていきたいです。

あとは、そういったアウトプットをしていくことによって自分自身を認めることにもなると考えているのと、ただただ視聴者の方のために喋りたいというのが先行している状態な気がします。

― 公表までに悩むことはなかったですか?

てんちむ:ただ喋りたいので、そこらへんは欠如していましたね。もちろん自分に対していろいろと言ってくる人もいると思うんですけど、自分さえ感情を殺しちゃえば、あまりマイナスなことは無いんですよね。こういう思考があると知られることで、多分誰かの気持ちが楽になっているんじゃないかと思っています。それも、自分自身を俯瞰して見られるようになったからできたことだと思います。

― 今はどういう形でご自身のメンタルと向き合っていますか?

てんちむ:なぜ自分はこういう感じでしか生きられないのかなどと深く考えるようになって、人格形成された根本を探しています。

てんちむ「共感は求めていない」今後発信したいもの

― 今後はどんなてんちむさんを届けていきたいですか?

てんちむ:30歳になってもYouTuberを続けていたら、また見え方を気にした方向性になってしまうと思うので、他のYouTuberとは違う“てんちむ”という「人生リアリティーショー」というか、全てのものを生で届けていきたいです。共感とかは求めていないので、視聴者のみんなの研究対象になりたいです。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

てんちむプロフィール

てんちむ(C)モデルプレス
生年月日:1993年11月19日
地元:栃木県足利
出生地:中国・北京
身長:163cm
血液型:AB型

てんちむCHでYouTuberとして活動中。現在は2023年5月時点でチャンネル登録者数170万人を突破。日本のトップインフルエンサーの1人として広告業界で引っ張りだことなっている。なお、6月19日には東京・SEL OCTAGON TOKYOにてDJイベント「DJ10CHM and BEAR RABBI PARTY NIGHT@SEL OCTAGON TOKYO」の開催を控えている。
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