高橋一生&飯豊まりえ、ルーヴル美術館での豪華撮影で見えた“新たな一面”とは<「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」インタビュー>
2023.06.11 12:00
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大好評を博したドラマのスタッフが再集結し、初の長編劇場作品に挑んだ映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(5月26日より公開中)で主演を務める俳優の高橋一生(たかはし・いっせい)と女優の飯豊まりえ(いいとよ・まりえ)がモデルプレスなどのインタビューに応じ、贅沢な海外ロケの裏側やドラマを経て感じた役柄の魅力、作品の見所などを語った。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
2020年末より高橋主演で実写ドラマ化され、「実写化の理想系」「完成度が高すぎる」などそのクオリティを多くの原作ファンが絶賛。一話完結型の構造が功を奏し、人気は原作ファンに留まらずドラマファンにも大きな反響を呼んだ。その制作チームが、今度はフランスと日本を股にかけ、劇場長編映画に挑む。それは美の殿堂、フランスのルーヴル美術館を舞台に展開される、荒木初となるフルカラーの読み切りで描かれた人気エピソードにして岸辺露伴最大の事件。最高潮の芸術とエンターテインメントが融合した極上サスペンス、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。「ヘブンズ・ドアー、今、心の扉は開かれる」相手を本にして、生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊な力“ヘブンズ・ドアー”を持つ人気漫画家の岸辺露伴(高橋)が、担当編集の泉京香(飯豊)とともに奇怪な事件や不可思議な現象に立ち向かう物語。
高橋、飯豊のほか、青年期の露伴が出会う謎めいた女性・奈々瀬を木村文乃、岸辺露伴の青年期をなにわ男子の長尾謙杜、ルーヴル美術館の調査員であり東洋美術の専門家の辰巳隆之介を安藤政信、ルーヴル美術館の職員として、日本から来た露伴と京香を館内へ案内するエマ・野口を美波がそれぞれ演じる。
飯豊まりえ、高橋一生の流暢なフランス語に驚き
― 今回、パリでのスケールの大きい撮影が多かったと思いますが、何か印象的なエピソードや思い出はありますか。高橋:ルーヴル美術館での撮影が印象に残っています。2018年にルーヴル美術館展のオフィシャルサポーターをやらせていただいたので行ったことはあるのですが、役を通して歩くルーヴル美術館というのは、少し不思議でした。
空間の中に自分が露伴の扮装をして入っていくというのは、 なんだか面白い経験をしていたと思います。響く音から全てが違いました。とても歴史のある場所ですから昔は、暗い中でろうそくに火をつけながら見ていた絵画作品もきっとあったでしょう。今みたいに煌々とはしてないと思うので、絵画がどのぐらい宗教的な意味を持つのか、露伴の目線を通さないと感じられなかったかもしれないです。
飯豊:私もフランスでの撮影はとても印象に残っています。フランスでは現地のスタッフさんもチームに加わってくださったのですが、まるでこれまでもずっと一緒に撮影していたのではないかと感じられるほど、一体感がありました。あと、一生さんや安藤さんが流暢にフランス語をお話しされていたことも印象に残っています。
高橋:ちょっとハードルが上がってしまうので…(笑)
飯豊:元々フランス語もお話されていたのかなと思うほど…。
高橋:どんどん(ハードルを)上げていきますね…(笑)
飯豊:初号試写で、フランスのスタッフの方が見に来られた際に、一生さんのフランス語がとてもお上手だとお話しされていました。
高橋:うれしいです。そういうお話を聞けてよかった。
飯豊:ルーヴル美術館での撮影も貴重な経験でした。
― 最後のクランクアップシーンがとても寒かったとお聞きしました。
高橋:今回の撮影の中で1番寒かったです。ですが、作品の雰囲気に合ういい天気だったと思います。
飯豊:絶妙な不穏な天気でした。曇り空の中の太陽が出ていて、月も…。あれは太陽…?月でしたでしょうか?
高橋:あれは太陽ですね。
飯豊:月かなと思うほど不穏な感じに見えました。
高橋:言われてみれば、不穏な感じでした。反対に、パリに到着して最初のシーンはとても晴れやかでした。
飯豊:鳩が飛ぶシーンは、鳩を集めるところから始めて…とてもこだわっています!
飯豊まりえ、パリでの贅沢な撮影に感動
― オークション会場やパリの街で美しい衣裳を纏われていましたが、お2人はこの作品の美術についてどのように受け止めていますか?高橋:ドラマの第1期~3期から続いているドラマのときから、美術の磯貝さやかさんをはじめ、東京映像美術の方々がセットを作り込んで下さり、衣裳部のみなさんは細かいディティールまでこだわり抜いて作って下さりました。
僕ら俳優部がパリに入るかなり前からスタッフの方々は、 現地のスタッフの方々とコミュニケーションを取り、打ち合わせを密に重ねていました。そのおかげで、日本と変わらないような撮影のスタイルで出来たと思います。
飯豊:衣裳もグレードアップしています。コートからオートクチュールで、とても贅沢だなと思いました。靴以外は全部手作りなのですが、露伴先生のコートもとてもかっこよかったです。
高橋:暖かいので、本当にコートがあって助かりました。
高橋一生、ドラマを経て映画では芝居に変化
― ドラマと映画で何か変化はありましたか?高橋:この作品は映画という捉え方をしていなくて、映画化というお話を聞いた時も、とても自然にすんなり受け入れられました。実際に現場に行き、フランスのスタッフの方を見ていても、日本のスタッフの方と特段変わりはなかったです。
そんな中撮影しているので、作品を新しく長編映画としてやることに対する気負いは、ほとんど無かったかもしれないです。唯一言えるなら、1期の頃に芝居を戻したことです。第1期~3期までドラマをやってきて、ここで1期に戻したらどのくらいの違いを時間の経過と共に感じられるかというお芝居を、ニュートラルに出来た気がしています。本当にごく僕個人の中でお芝居のやり方として、少し変えてみた所はありました。
― 3年程、岸辺露伴シリーズに携わってきて、高橋さんが感じた飯豊さん演じる泉京香の魅力は何ですか?
高橋:(露伴は)第1期~3期を通して泉編集が1番の強敵だと大分理解してきたと思います。彼女は、悪意が全くないという部分が面白い。そこを理解した上で、泉編集に対して「感心する」という言葉が出てきているのではないかと。2人の異様なバディ感は、きっとそこから来ていると思います。
『岸辺露伴は動かない』では、泉くんが持ってきた事件が舞い込んでくるので、基本的に露伴が能動的に動くことはありません。しかし、今回の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では、露伴が何かを感じ、初めて能動的に動きます。そこで泉くんがどう立ち回るのか、彼女のパリへの思いが描かれているところもあるので、その辺りに注目してもらえると岸辺露伴と泉くんの人間的な奥行きやそれぞれの過去のルーツに関する話が、より深まると思います。
― 最後にドラマ、そして今回の映画の撮影を経て感じた、本作品の見所を教えてください。
高橋:海外など珍しいところで撮影出来た時は、せっかく来たのだからとカットを多く重ねて撮りがちだと思うんですけれど、本作ではそれを全くせずにいつも通りの感覚で撮影をして下さりました。この感じは非常に監督の渡辺一貴さんらしい演出で、ブレない作品への思いを感じました。とても楽しい幸福な現場だったと思います。
飯豊:余白が楽しめるとても贅沢な作品です。人の居ないルーヴル美術館を体感していただけると思いますし、音楽にも注目していただきたいです。さまざまな楽器のハーモニーが美しく、クラシック音楽や、和を感じる音色が織り交ざっており、映像美と音楽の融合が本当に格好よかったです。
高橋:音楽のタイトルもいいですしね。エンドロールにも注目して見ていただくとわかると思います。
― 楽しみにしています。ありがとうございました。
(modelpress編集部)
高橋一生(たかはし・いっせい)プロフィール
生年月日:1980年12月9日/出身:東京都出身ドラマや映画をはじめ、舞台と多岐にわたり活動。主な出演ドラマとして、『岸辺露伴は動かない』(2020~22年・NHK)、『天国と地獄~サイコな2人~』(2021年・TBS)、『恋せぬふたり』(2022年・NHK)、『雪国-SNOW COUNTRY-』(2022年・BSプレミアム)、『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』(2023年・テレビ朝日系)など。6月17日から開幕する舞台NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』(作・演出 野田秀樹)に出演する。
飯豊まりえ(いいとよ・まりえ)プロフィール
生年月日:1998年1月5日/出身:千葉県出身2012年女優デビュー後、数多くのドラマ・映画に出演。またモデルとしても活躍しており、現在、雑誌「Oggi」の専属モデル「MORE」のレギュラーモデルを務める。主な出演ドラマとして、連続テレビ小説『ちむどんどん』(2022年・NHK)、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(2022年・関西テレビ・フジテレビ)などに出演。『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』(2022読売テレビ・日本テレビ)では主演を務めた。
ストーリー
特殊能力を持つ、人気漫画家・岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は取材とかつての微かな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる…。
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