溝端淳平 (C)NHK

溝端淳平「どうする家康」松本潤の座長ぶり明かす 有村架純に“キュン”とした瞬間とは

2023.03.25 13:50

嵐の松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~)に出演している俳優の溝端淳平(みぞばた・じゅんぺい/33)が、モデルプレスなどのインタビューに応じ、大河ドラマ初出演の心境や約10年ぶりに共演を果たした松本と女優の有村架純との撮影の裏側について語った。

  

松本潤主演「どうする家康」

松本潤 (C)NHK
今作は、脚本家・古沢良太が新たな視点で、誰もが知る歴史上の有名人・家康の生涯を描く。ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。

松本が徳川家康役を演じるほか、織田信長役に岡田准一、家康の妻である瀬名(築山殿)役に有村架純ら豪華キャストが出演する。

野村萬斎、溝端淳平 (C)NHK
溝端演じる今川氏真は、俳優の野村萬斎演じる今川義元の嫡男。坊っちゃん育ちのプライド高い御曹司だが、実は偉大な父を持つがゆえの劣等感に苦しむ。桶狭間の戦いで父を失い、その運命が大きく揺らぐ。

溝端淳平、大河ドラマ初出演の心境告白

溝端淳平、松本潤 (C)NHK
― 今作で大河ドラマに初出演となりましたが、撮影での気付きなどはありましたか?

溝端:氏真のシーンは特にシリアスで印象的なシーンが多かったのですが、撮影現場にはたくさんの小道具などが用意されていて「さぁ、氏真をどう演じる?」と問われているように感じました。この感覚は蜷川(幸雄)演劇と似ています。台本があって、セットや小道具が100%用意され、何を使っても良い、何をやっても良い、芝居でやってはいけないことはないというのが蜷川演劇だったので、血が騒ぎ楽しい気分になりました。大河ドラマをリアルに作ることは、その時代に生きた人もいなければ「明日攻め入るぞ。殺し合いするぞ」という心情が今の日本人にはなかなか理解ができない感覚だと思うので、難しいです。蜷川演劇のシェイクスピア作品でも、自分が生きていない時代の話を作り上げていくため、熱量と集中力が必要です。その経験を活かすことができて改めて、これまでの経験の大きさを感じ、蜷川さんや吉田鋼太郎さんに食らいついてきて良かったなと思いました。

第12回の回想で木刀を使用して修業しているシーンがあるのですが、そこで感情をさらけ出しすぎて3本ほど木刀を折ってしまいました。そのまま、地面に転がって悔しさと情けなさで自然と笑いながら泣けてきてしまって、その時の感情を振り絞って出せるだけ出して演じました。今作の現場では最後まで演じさせてもらえたので良かったです。

― 演じられた氏真について溝端さんご自身はどのように捉えていますか?

溝端:繊細で弱い人間だなと思います。自分がストイックにやればやる程、周りから人がいなくなっていき、人を信じられなり、心が不安定になってしまう。家康のように人に甘え、支えてくれる人もいて、自然と人が集まってくるような人物に憧れていたと思います。人徳も才能もなかった氏真と僕は結構共通する部分があるんです。デビューしてすぐの頃はアイドル的な人気が出て沢山お仕事をいただきましたが、実力が追い付かず、自分より実力のある方々がいることも実感していました。そうするうちにどんどん抜かれていくような感覚になり、20代の頃は自分の身の丈に合ったものができてないという葛藤をすごく感じていました。そういったところで氏真に共感できる部分はありましたね。

溝端淳平 (C)NHK
― 氏真を演じるにあたり、事前に準備していたことなどはありますか?

溝端:直接的な準備ではないかもしれないですが、氏真公のお墓参りに行かせていただきました。立派なお墓や綺麗なお寺を目の当たりにして良い気を感じたので、戦乱の世に生きながらも氏真は幸せだったのだろうなと感じました。氏真は第12回までを1セットだと捉えて、逆算して役を深めていくことができたので、すごく演じがいがありました。古沢(良太)さんの台本は人物造形が深いので演じていてとても楽しかったです。

溝端淳平 (C)NHK
― 溝端さん演じる氏真にスポットがあたる第12回へはどのような気持ちで臨まれていたのでしょうか?

溝端:第12回までの台本をいただいてから、大河出演のお話を受ける形になったので、逆算しながら氏真という人物を作り上げることができたと思っています。第12回でも見受けられるのですが、氏真は家康とは対局的に描かれています。家康は望んでいないのに天命に選ばれてどんどん出世していく。一方の氏真は、才能と時代に見放されて落ちていく。この対照的な2人の決着がいよいよつきますが、家康と氏真はただライバルという訳ではなく、幼少期の頃から兄弟のように育ってきて、楽しい思い出もたくさんあります。戦国の世でなければ、きっと仲良くずっとお互いに手を取り合って、同じ目標に向かって、邁進できたのにとずっと思いながら演じていました。切なさや物悲しさ、戦乱の世を恨んでしまうような感情になっていました。

野球選手で例えると大谷翔平さんような野球選手になりたいと思っても、同じように活躍できる人は一握りです。才能を持って活躍する側も才能に恵まれず模索している側のどちらにも悩みはつきものですが、第12回を通して、そういった現代にも通ずる人間の感情や生き様がしっかりと描かれ、メッセージが込められていることに感動しました。

溝端淳平 (C)NHK
― 大河ドラマに初出演した反響や手応えはどのように感じていますか?

溝端:大河ドラマは観て下さっている方が圧倒的に多く、親戚や地元のおじいちゃん、おばあちゃん達、特に僕より年上の方々からすごく反響が大きかったです。

溝端淳平、松本潤&有村架純と10年ぶりの共演を振り返る

溝端淳平ら (C)NHK
― 氏真はシリアスなシーンが多かったと思いますが、実際の撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

溝端:終始シリアスなシーンばかりでしたが、松本くんがいらっしゃる時は賑やかなことが多かったです。時間が合わず叶わなかったのですが、松本くんとは稽古場を借りてアクション練習したいという話もしていて、作品に関しての相談や打ち合わせの話題を話していたことが多かったです。

― 松本さんとのシーンはどのように撮影を進めていたのでしょうか?

溝端:過去に松本くんと共演した時に、結構コミュニケーションを取って、会話をしながらお芝居を作っていくことが多かったのですが、第12回に関しては珍しくほとんど話さなかったです。現場でのお芝居たけで通じ合っていました。

岡部大、音尾琢真、松本潤 (C)NHK
― 今作では、溝端さんが松本さん演じる家康の兄を演じられていますが、実年齢では松本さんの方が年上になり、年齢のギャップなどは感じなかったのでしょうか?

溝端:全くないです。初めて共演する先輩であったら、多少気を遣っていたかもしれないですが、松本くんは人となりも知っていて本当の兄弟のように思っている部分もあるので、お芝居の中で遠慮することはなかったです。

― 松本さんとは2014年放送のフジテレビ系ドラマ「失恋ショコラティエ」以来の共演とのことですが、松本さんの座長ぶりはどのように感じていらっしゃいますか?

溝端:第6回で川を挟んで対峙するシーンを早朝から撮影していたのですが、今川家から撮っていたため松本くんは代役で良いところを、それでは失礼だからと言って、松本くんが自ら川向かいに立ってくれたこともありました。このシーンの撮影の前日には松本くんの呼びかけでみんなで食事をし、一体感を高めてくれました。こういったチームワークを大事にしてくれているところにも座長ぶりを感じます。

また、大河ドラマは少し特殊で、多くの登場人物が入れ替わり立ち替わりで撮影を行うため、他のドラマでいうゲスト出演のような状態になるキャストが多いですが、すべてのキャストに対して1番演技がしやすいように、現場で困らないように、常に最善を尽くしてくれています。

― 松本さんとは「失恋ショコラティエ」後も交流などはあったのでしょうか?

溝端:ドラマが終わってからも連絡をとっていました。松本くんは僕が出演している舞台も観に来てくれたり、お酒も一緒に飲んだりと交流していました。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主演は小栗くんで「どうする家康」の主演は松本くん。2人ともお世話になっている先輩ですが、僕たちの1つ上の世代、目標にしている方たちが大河ドラマの主演を務めるということが感慨深かったです。「どうする家康」の主演が松本くんに決まった時も何だか勝手に嬉しくなって「おめでとうございます」と連絡しました。その時に僕もこの作品に携わることができたらと話していたのですが、その後、僕の出演が本当に決まり「本当に決まりました。よろしくお願いします」とメッセージを送ったところすぐに電話がかかってきて「よろしくな」と伝えてくれました。普段はあまり言葉に出さない方だと思いますが、行動や気遣いから喜んでくれているんだろうなということがひしひしと伝わってきたので嬉しかったです。

有村架純、溝端淳平ら (C)NHK
― また、今作で有村さんとも「失恋ショコラティエ」以来の共演を果たされていますが、それぞれ様々なところでの活躍を経て、大河ドラマという大舞台で再共演したことについてはどのように感じていますか?

溝端:有村さんとはテレビ局などで偶然会うことはありましたが、共演は久しぶりになります。「失恋ショコラティエ」で僕は有村さん演じる小動まつりのことが好きなオリヴェエ・トレルイユというパティシエの役を演じたのですが「どうする家康」の衣装部屋にいる時に、通りかかった有村さんが後ろから当時の役名のオリヴェエと呼んでくれて、懐かしんでいました。10年前の役名で呼んでくれた有村さんにキュンとしましたね(笑)。

溝端淳平、20代で感じた孤独を乗り越えた方法

溝端淳平 (C)NHK
― 演じる役と共通点が多々あり、氏真のようにご自身も葛藤していた時期があったとのことですが、その葛藤から感じた苦しみや悲しみからはどのように乗り越えましたか?

溝端:16歳の時に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得して芸能界入りをした後、テレビ番組や作品への出演が続きました。でも「赤い糸」では、30カットぐらいNGを出してしまったこともありました。20代の頃、仕事は順調でも自分のお芝居を誰1人認めてくれないという孤独を感じていました。その中で、結果が伴わくなり、自分自身でも何がしたいのかどうすれば良いのかわからなくなっていました。

見えない敵や課題と戦い、追い込まれていた10代~20代の時期に誰もはっきりと僕のだめなところを言ってくれない中で、蜷川さんと出会い、正面を切って「お前は下手くそだ。才能がない」と言われたことで吹っ切ることができました。「才能がないなりにでも頑張ればいいんだ。最初からできなくて当然」と思えるようになり、自分にあまり期待しすぎずに積み重ねていけば良いという感覚になりました。

このような境遇が氏真と重なると感じた理由です。蜷川さんを含め、僕は人に恵まれていたから乗り越えられたのだと思います。蜷川さんからの言葉だけではなく、吉田さんや横田栄司さん、藤原竜也さんなど厳しくも温かく見守ってくれ、時には叱咤激励してくれる先輩方の存在やこれまでの経験があったから今があります。周囲には必ず助けてくれる人や応援して見てくれている人がいるということを忘れないようにしています。今でも反省点ばかりですが、今回大河ドラマに出演できたことや、こうして取材の機会を設けていただいている今がとても幸せです。

溝端淳平、志田未来 (C)NHK
― 最後に第12回の見どころを教えて下さい。

溝端:いよいよ氏真が育ってきた今川家と故郷を家康が滅ぼし、終止符を打ちますが、家康にとってもすごく大きな回で、氏真と家康の葛藤がぶつかり、1話を通してずっと感情が高ぶったまま走り抜けていくような展開になっているので、良い意味で緊張感があります。数奇な運命を辿った氏真の生き様を楽しんで見届けていただきたいです。家族愛も感じられる回になっていると思いますので、視聴者の方の心に刺さるものがあると思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

溝端淳平 (C)NHK

溝端淳平(みぞばた・じゅんぺい)プロフィール

1989年6月14日生まれ、和歌山県出身。2006年「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能界入り。2007年、テレビ朝日系ドラマ「生徒諸君!」で俳優デビュー。2019年には「スカーレット」でヒロインの初恋相手を演じ、NHK連続テレビ小説初出演。近年では、舞台「毛皮のヴィーナス」、読売テレビ・日本テレビ系「Sister」、Hulu「君と世界が終わる日に」Season4などに出演。2023年冬放送「正直不動産スペシャル」にも出演が決まっている。
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    どうする家康

    2023年01月08日(日)スタート

    毎週日曜20:00 / NHK総合ほか

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