モデルプレスのインタビューに応じた井上祐貴(C)モデルプレス

「silent」「大奥」話題作で存在感放つ井上祐貴の素顔に迫る 想(目黒蓮)との“裏設定”も明かす<モデルプレスインタビュー前編>

2023.02.11 08:00

今、いくつもの話題作で存在感を放つネクストブレイク筆頭格の俳優がいる。2017年に「第42回 ホリプロタレントスカウトキャラバン」で審査員特別賞を受賞しデビューを果たし、2019年にテレビ東京系特撮ドラマ「ウルトラマンタイガ」で主演に抜擢された井上祐貴(いのうえ・ゆうき/26)だ。

2022年はNHKドラマ「卒業タイムリミット」で主演、社会現象を巻き起こしたフジテレビ系木曜劇場「silent」では佐倉想(Snow Man目黒蓮)と戸川湊斗(鈴鹿央士)の同級生役を演じ、2023年はテレビ東京系ドラマ25「花嫁未満エスケープ 完結編」でヒロインと恋に落ちるシングルファザー、NHK総合ドラマ10「大奥」では大奥の美男子・柏木役を好演。端正な顔立ちとそれぞれの役柄に染まる繊細な演技に魅了されている人も多いのでは。ファースト写真集 「いま」(KADOKAWA)の発売に際し行ったインタビューでは、その素顔に迫り、各作品での役作りや、俳優として大切にしていることを聞いた。<モデルプレスインタビュー前編>

  

井上祐貴「silent」拓実役、想との裏設定とは

― 2022年は「silent」のドラマ自体が大きく話題を呼びました。演じた野本拓実も想と湊斗の関係性において重要な役割を果たしていましたが、どんな役作りをされましたか?

井上:最初の衣装合わせのときに、拓実と想の関係性とか、拓実と湊斗の関係性を色々話しましたね。前半は特に想に対しての鬱憤というか抱えている想いを考えていました。想とは、学生時代同じサッカー部で同じポジションを取り合っていたという裏設定があったんです。もちろん嫌いとかじゃなくてむしろ大好きなんですけど、想はモテるし、サッカーというフィルターを通したときには憎き1人だったりするので、結構鬱憤は溜まっていて…というベースを置いた上でのお芝居は意識していました。

― 鈴鹿さんや目黒さんとは撮影の合間どんなお話をされましたか?

井上:ずっと一緒にフットサルしていました(笑)。バー当てというちょっとした遊びがあってゴールの白いバーに遠くからボールを蹴って当てたら勝ちというゲームなんですけど、休憩時間はそればっかりしていました。3人とも経験者なので楽しかったです。

井上祐貴「花嫁未満エスケープ」「大奥」の役作り…「キュンを生み出す意識は全くしていない」

― 「花嫁未満エスケープ」で演じたシングルファザーの作良役は、ご自身との共通点を探すのは難しいと思うんですが、どういったところから役作りしましたか?

井上:共通点は本当に少ないんですけど、「自分はこう!」と決めたらそれ以外のことを柔軟に考えられなくなってしまう部分が僕にはあって、割とブワーッと没頭しちゃうんですけど、作良にもそういう節があったので数少ない共通点の中でそこは一番共感できました。作良にとってもちろん子どもが第一でその考えはすごく大事なんですけど、「子どもがいるから俺はこうなんだ」というのを決めつけ過ぎていて、もっともっと幸せになれる環境があるのにそれを受け付けないぐらい決めたことに対してまっすぐだから、もうちょっと柔軟に行けば悩んだりしなくて済むのに、と思う瞬間が演じていても多かったです。

― かなり視聴者から胸キュンされるポジションだと思うのですが、恋愛のシーンを演じる際にキュンを生み出す上で意識していることはありますか?

井上:キュンを生み出す意識は全くしていないです。手の添え方や触れ方はそれぞれキャラクターによって違うと思うのでそういったことは考えますが、基本的には恋愛のシーンだから、と意識することはないです。多分僕の場合はそういうことを意識したらダメで、意識しすぎると裏目に出ちゃうタイプだと思うんですよ。だから「このシーンでキュンとさせないと」とかを考えたら終わりだと思っているので、感じたままやっています。

― 意識して裏目に出た経験がありましたか?

井上:いや、自分で練習をしてみたときに意識しすぎるとしっくり来ないことが多くて、それであんまり考えずにやろうと思うことが多くなりました。どっちが良いかは分からないんですけど(笑)。

― 作良には視聴者の皆さんがキュンキュンしていたと思います。「大奥」の第1話(8代徳川吉宗×水野祐之進編)では、大奥総取締・藤波(片岡愛之助)の寵愛を受ける御中臈・柏木を演じられました。まったく時代設定が違いますが、どういうところを意識しましたか?

井上:柏木は、どうすれば自分は地位名誉全てにおいて上に行けるのかを常に頭をフル回転させて考えていて上に行くためならばある程度何でもするという人物だと思いました。上に行くための実権を握っている人物が藤波さんだと、意識としては常に目線を藤波さんに送っていましたね。映っていないところでも、何かが起こったら「藤波さんは今どういう表情なんだろう」とか「何を考えているんだろう」というのを常に意識するようにしていました。

井上祐貴、俳優として大切にしていること

― たくさんの作品に出られていますが、俳優としてこれだけは絶対に大切にしていることは?

井上:疑問とか不安を持ったまま現場に入らないこと。事前にもしくは当日現場でも最悪しょうがないとは思うんですけど、撮られる前にちゃんと消化してカメラの前に立つようにしています。ちょっとしたニュアンスだったり、自分だけの問題だったりもするんですけど、「これってどっちが良いんだろう」と悩みながらやるよりは監督に当てて「こっち」と言われたら固まるし、そういうことを絶対にあやふやにしたまま進まないように意識しています。

― 共演者がいるシーンでは共演者の方に相談されることも多いですか?

井上:「どっちが良いと思いますか?」とか「これ(台本を)読んだときどっちだった?」とか話しますね。それこそ「silent」の央士くんとは結構そういう話していました。

― 解釈が分かれるところがあったんですね。

井上:「だよね!そっちだよね!」と一致するパターンもあるし、「いや俺こっちなんだよ。ちょっと監督に聞いてみよっか」となることもありますね。

― そういうときは大体監督の中で決まっていることが多いんでしょうか?

井上:そうですね。決まっているときは「あー、なるほど」となるんですけど、たまに「ちなみに違うパターンはどんな感じ?」と監督から逆に聞かれることもあって「いやこういうパターンもあるのかなと思って」と言うと「確かに」と言って下さることもあります。そういうディスカッションも楽しいし、深掘りが他のシーンにも生きると思うのですごく大事な会話だなと思っています。

井上祐貴、主演ドラマ「卒業タイムリミット」で感じた反省

― 2022年を振り返って「この作品で一番皮が剥けたな」とか「一番苦労したな」という作品は?

井上:皮が剥けたとかは全然分からないんですけど、大変だったけどすごく達成感のあった作品は「卒業タイムリミット」です。主演としてすごくありがたい役をいただいて、本当に悩みながら最後まで行ったので自分の中ですごく大きい経験でした。キャストの方はもちろんですけど、監督を始めスタッフさんもベテランの方々ばかりでその中で主演という形でご一緒させていただけるというのは本当にどう表現していいか分からないくらい貴重な時間で、貴重な時間だから噛み締めたいし色々なコミュニケーションを取りたいけど、自分のことで精一杯でもちろんお芝居もしないといけないし、とかそういうことを考えていたら終わっていました。もっと自分に余裕を持って色々な方と色々な話をして色々なことを吸収したかったんですけど、かと言ってお芝居を疎かにするのは絶対嫌なので、ちゃんと準備して両立できるようになりたいなと思いました。本当に貴重な現場で、日数にしたら数えられるぐらいしか一緒の現場で会わない先輩方もたくさんいたのでもっとお話したかったです。

★インタビュー後編では、大学3年生のときに友人の他薦で出場したという「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のエピソードや、”夢を叶える秘訣”を聞いた。

(modelpress編集部)


井上祐貴ファースト写真集 「いま」

井上祐貴/撮影:大石隼土(提供写真)
井上祐貴/撮影:大石隼土(提供写真)
井上祐貴/撮影:大石隼土(提供写真)
撮影は井上の地元・広島で敢行。とある日の休日をテーマに、キャンプやサイクリングなどアクティブな趣味を生かした井上の素顔に迫るショットから、採石場や夜景、海でのエモーショナルなショットまで、さまざまなシチュエーションのスチールを凝縮。26歳、等身大の井上をたっぷりと楽しめる一冊となっている。

井上祐貴(いのうえ・ゆうき/26)プロフィール

井上祐貴(C)モデルプレス
1996年6月6日生まれ、広島県出身。2018年、ミュージカル「ピーターパン」で海賊マリンズ役で俳優デビュー。2019年、特撮ドラマ「ウルトラマンタイガ」でテレビドラマ初主演を果たす。主な出演作にMBS・TBSドラマ「ホリミヤ」(2021)、ABC・テレビ朝日「痴情の接吻」(2021)、NHK総合「群青領域」(2021)、NHK総合夜ドラ「卒業タイムリミット」(2022)、テレビ大阪・BSテレ東「イケメン共よ メシを喰え」(2022)、フジテレビ系「silent」(2022)、テレビ朝日系「やっぱそれ、よくないと思う。」(2023)、テレビ東京系「花嫁未満エスケープ 完結編」(2023)、NHK総合「大奥」(2023)、映画「NO CALL NO LIFE」(2021)、映画「Bittersand」(2021)、映画「明け方の若者たち」(2021)など。
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