笠松将、役柄と重なる葛藤・夢を叶える秘訣語る<「ガンニバル」インタビュー>
俳優の柳楽優弥が主演を務める「ガンニバル」(ディズニープラス「スター」にて独占配信中)に出演している笠松将(かさまつ・しょう/30)。モデルプレスでは笠松に、「ガンニバル」出演への想いや役作りについて聞いた。作品、役と向き合い抱いた葛藤、「今までになく試行錯誤した現場だった」という撮影の裏側とは?笠松が考える夢を叶える秘訣にも迫った。
柳楽優弥主演「ガンニバル」
本作は、累計発行部数215万部を超える二宮正明が放つ衝撃のサスペンスコミック「ガンニバル」を実写ドラマ化。息も尽かせぬ緊迫感で放つ戦慄のヴィレッジ・サイコスリラー大作で、狂気の世界へと誘われて行く主人公の警察官・阿川大悟役を柳楽が、供花村を支配する後藤家次期当主・後藤恵介役を笠松が演じる。笠松将「ガンニバル」出演決定時の心境明かす
― まず「ガンニバル」という作品の第一印象を教えてください。笠松:それぞれのキャラクターがとても魅力的で、謎解きのような面白さがあると思います。
― 「ガンニバル」への出演が決まった時の心境はいかがでしたか?
笠松:片山(慎三)監督のファンでもあったのでとても光栄でした。脚本家さんもプロデューサーさんもすごい方々で、主演が柳楽優弥さんということも嬉しかったです。台本を読む前に原作を読ませていただいたのですが、とても面白かったことも覚えています。早く現場でお芝居をしたいなという感覚でした。
― 原作と台本の違いはどんなところに感じましたか?
笠松:原作そのままという感じでもなく、映像の方ではより人間味にスポットが当たっているのかなと思いました。だからこそ自分が演じた恵介というキャラクターは、視聴者にどこまで伝えるべきなのか難しかったです。
笠松将、役と重なった葛藤の真相
― 役作りで工夫したことや苦労したことはありますか?笠松:原作を読ませていただいて、僕自身が恵介のファンになったので演じるキャラクターを汚したくないという思いは強かったです。作中での恵介の役割や物語の展開に合わせた立ち振る舞い、どのような精神状態であるかの見せ方などを探っていく中で、恵介がすべきことが僕の中での人生のテーマ、俳優として何をすべきなのかということにリンクしたので、恵介の軸がブレないように演じていきたいと思っていました。
― 「ガンニバル」の出演決定時に「後藤恵介というキャラクターの葛藤が、撮影中の自分自身の葛藤ともリンクした」とコメントされていますが、具体的にどのような葛藤があったのでしょうか?
笠松:恵介は村の習慣、風習を変えないといけないとわかってはいるけれど、その変え方や背負い方が主人公の大悟とは違うキャラクターだと考えています。そして、僕自身は俳優業をする上で、自分の生活だけが出来ていればいいのか、それとも作品やこの業界、時代などどこまで責任を持って背負うべきなのか、自分が出演する作品との向き合い方について色々なことを考えていた時期だったので、重なることも多々ありました。
― その葛藤は演じていく中で乗り越えたのでしょうか?
笠松:選択に正解も不正解もないけれど、大悟の選択や進める順番に納得していないという恵介の感覚にはとても共感できました。だから、恵介を演じて僕自身が救われていたのだと思います。撮影中は作品柄、気持ちが殺伐とすることもありましたが、撮影後にそこで出会った仲間たちと食事に行くことや連絡を取り合う中で「救われていた」と実感していきました。片山監督や柳楽さん含め、出会うべき時に出会った感じがしていてとても感謝しています。
― 出演へのプレッシャーは感じましたか?
笠松:演じることへのプレッシャーは、今まであまり感じたことはないです。「明日の朝、起きられるかな」というプレッシャーとは毎日格闘しています(笑)。
笠松将「今までにないほど試行錯誤した」撮影を振り返る
― 撮影を振り返って印象に残っていることはありますか?笠松:正直、この現場では片山監督のおっしゃっていることやマインドがわからなくなってしまったことがあり、自分と片山監督のアプローチの仕方が違っているように感じてしまって、何度もお話をさせていただきました。実際に現場を止めてしまったこともあったのですが、片山監督は穏やかな心構えで向き合ってくださって。撮影が終わった後、答えを伝えた方が簡単であるにも関わらず、根気強く辛抱強く待っていてくださったのは、とても器の大きい方だからこそだと感じました。僕は待つことができず答えを求めてしまうタイプなので、片山監督の考え方やスタンスは初めて出会うものでした。撮影後に勇気を出して食事に誘い、お話をさせてもらったのですが、作品を汚さないという思いが感じられて、その粋な考え方を知り、改めて片山監督を尊敬しました。
また、片山監督と長年同じ現場を担当している撮影部の方がいらっしゃるのですが、作品の画を基本的に全て作っている方で、その方との会話は現場での癒しになっていました。現場で頼ることができた方で、一緒になってふざけてくださる時もあれば、一緒に闘ってくださる時もあり、僕の中のメリハリをつけてくれた方でもあったのですごく印象に残っています。
他には、吉岡里帆さんと志水さんのエピソードが印象的です。大悟の娘・ましろ役の志水心音さんと撮影後も交流があるのですが、そのきっかけを吉岡さんが作ってくれて。ただ仲良くできるように取り持ってくれているのかと思いきや、実際、志水さんには「ああいう男性には気をつけな」と冗談交じりに忠告していたことがわかり、少し複雑な気持ちになりました(笑)。
笠松将の夢を叶える秘訣
― 笠松さんのこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」もしくは「怒りを乗り越えたエピソード」を教えてください。笠松:僕にとって、怒りや悲しみはお金を出しても買えないエネルギーで大事なものだと思っています。僕が今、お仕事を続けることができて「頑張ろう」と思える根本には「悔しさ」があって、その気持ちがあるからこそ踏ん張ることができています。怒りや悲しみを乗り越えたということではなく、その抱いた感情を日々のエネルギーに変えています。
― 笠松さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。
笠松:夢が何かにもよりますが、大きな野望から小さな夢まで細かく設定していった方がいいと思っています。例えば、10年後、20年後に夢を叶えている姿を想定することで、1年後に達成していないといけないことがわかり、さらにその達成のために今日すべきことが見えてきます。今日、僕が発言したことがきっと1年後の僕を作っていますし、今僕が食べたものや関わった人などによって、10年後の僕ができ上がっていくのだと思います。とにかく生きているその一瞬一瞬で湧き上がった良い感情も悪い感情も全てをパワーに変えて頑張っていこうと僕は思っています。今日、1つでも2つでも努力したことの積み重ねによって10年経った時に、自分が想像もできないところに到達していると信じて、今は目の前のことに全力で取り組むべきだと考えます。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
笠松将(かさまつ・しょう)プロフィール
笠松 将(かさまつ・しょう):1992年11月4日生まれ、愛知県出身。18歳で上京。2013年から本格的に俳優活動を始め、2020年「花と雨」で長編映画初主演を果たし、近作では「君と世界が終わる日に」(NTV)、『全裸監督2』(Netflix)、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)、主演映画「リング・ワンダリング」、日米合作『TOKYO VICE』(WOWOW)などに出演。現在「ガンニバル」(ディズニープラス)が配信中。2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」への出演が控えている。もっと詳しくみる
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