<内田理央×小関裕太「来世ちゃん3」インタビュー>2人が選ぶベスト“桃松”シーンが一致 互いの演技の魅力語る
2023.01.04 08:00
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<「来世ではちゃんとします3」内田理央×小関裕太インタビュー>テレビ東京系ドラマParavi「来世ではちゃんとします」のシーズン3「来世ではちゃんとします3」(毎週水曜深夜0時30分~/Paravi:毎週水曜夜9時~独占先行配信中)が2023年1月4日より放送スタート。2020年にドラマ化され、2021年にはシーズン2、2022年元日にはお正月初夢SPが放送された今作がカムバック。シーズン3では、「まずは健全な関係から…」と付き合い始めた内田理央(うちだ・りお/31)演じる主人公・大森桃江と小関裕太(こせき・ゆうた/27)演じる松田健のその後も大きな見どころ。2人がモデルプレスら報道陣のインタビューに応じ、“桃松”ペアの一番好きなシーンや、同作の魅力をたっぷりと語ってくれた。
内田理央主演「来世ではちゃんとします」シーズン3
原作は「グランドジャンプ」(集英社)にて連載中のいつまちゃんによる同名コミック。主演・内田が5人のセフレと関係を持つ性依存系女子を演じ、過激なテーマでありながら誰しもがどこか心にグサッと刺さるストーリーが話題となり、ドラマ開始直後から止まらぬ勢いで20~30代の女性を中心に人気シリーズとしての地位を確立した。シーズン3では、内田と小関のほか、舞台となるCG制作会社「スタジオデルタ」のおなじみの個性豊かなレギュラーキャストも続投。恋愛に興味がないアセクシャルでBL好きな隠れ処女・高杉梅役を太田莉菜、過去のトラウマから清楚な処女しか愛せなくなり、女装男子と隣人の風俗嬢との間で苦悩中のセカンド童貞・林勝役を後藤剛範、風俗嬢にガチ恋し収入のほとんどを貢ぐ男・檜山トヲル役をラバーガール飛永翼が演じている。
“松田くん”こと松田は、悪気なく女子に手を出す魔性のタラシ。桃江とは同僚同士、互いに興味を持ちながらも、「手近には手を出さない」という経験上の教訓から当初は警戒していたが、シーズン2で桃江の失恋をきっかけに松田が告白。桃江から「3ヶ月健全に付き合ってそれから一線越えよう」と提案し、交際がスタートした。
内田理央&小関裕太が考える「来世ちゃん」が愛される理由
― 最初にシーズン3がスタートすると聞いたときの感想から教えて下さい。内田:「ついに3まで来たのか」と。1、2、お正月初夢スペシャルとやらせていただいてまだまだ原作も続いていたので、「もしかしたらまた皆で会えるかもね」なんて薄々思っていたんですけど、本当に実現できるのは沢山「来世ちゃん」を愛してくれている人がいるからなんだなと、とても嬉しかったです。
小関:僕も各仕事現場で沢山この作品を愛して下さっている方がいると聞くことがすごく多くて、3ができるということでまたそれを現実に思わせてくれて素敵な作品に携われているんだな、改めて嬉しいなと思いました。
― 沢山の視聴者からこの作品が愛されている理由は何だと思いますか?
内田:1つはやっぱり原作の力が大きいなと思います。お話が面白くてキャラクターたちの魅力が素晴らしい。(回答を考え込んで)…なんでこのドラマは愛されているんだろう(笑)?
一同:(笑)
小関:分からない(笑)。
― 「スタジオデルタの皆にまた会えるのが嬉しい」という声をよく聞きます。
内田:確かにストーリー上では苦しいこととか悲しいことも起きるけど、相変わらずダメなところもこじらせたところもあって、ブラックな会社で働いている変わらない皆というのが私自身も「来世ちゃん」に帰ってきたという感じがします。アットホームな皆に会えて安心するので視聴者の方にもそれが伝わっているのかな。
小関:あとは、キャラクター自身が「自分ってダメだな」と思うことはあるんですけど、周りの人から「君ってダメだね」というセリフはないんですよね。
内田:うん、ないね。
小関:「ダメなままでも良いんじゃない、自分らしくあって良いんじゃない?」というメッセージをコメディーチックに描いてくれていて、色々な人に刺さるキャラクターが最初から沢山いるので、「自分ってダメだな」という誰かの想いを撫でてくれるようなエピソードが沢山あるんじゃないかなと思うし、共感性が高いと思います。
内田:タイトルもそうだもんね。
小関:今世はもう諦めている(笑)。背中とか頭を撫でてくれるようなセリフとかシチュエーションが沢山あるんじゃないかなと思うし、良い意味でゆるいところが魅力だと思います。
内田理央&小関裕太、お気に入りキャラクターは?
― 色々なキャラクターが出てくる作品ですが、「この人は良いな」というキャラクラーを教えてほしいです。小関:自分がなりたいという意味ではなくて、普通に「可愛らしいな、良いな」と思うのは林くんかな。
内田:私も林!
小関:無垢で純粋で人に対して優しいからこそ、自分を第一に持ってこなくてその色々が重なってセカンド童貞から抜け出せないんだと思うので、原作の林からそうですけど、(演じている)後藤さんから素敵な雰囲気をいただいているな、可愛らしいなと思わせていただいています。
内田:私も林くんがすごく魅力的だなと思うんですけど、やっぱり太田さん演じる梅ちゃん。シーズンを重ねるごとにプライベートのこととかも出てきて、3ではお見合いをするシーンでまた1つ成長するんですけど、そういう部分は私もすごく共感できるし、乗り越えていることが増えてさらに魅力が増したような気がします。
内田理央、桃江の行動にやきもきすることも「導きたい!」
― シーズン3ともなると、ご自身のキャラクターへの愛着が増すと思うのですが、改めて「愛おしい」と思うところは?小関:1の頃から愛着はあるので、改めて考えたことはなかったですね。このドラマのテーマと通じるんですけど、自分の女性関係とか普段の生活の良し悪しにしがみついてないところが、友達の目線で見たら良い具合に力が抜けていて気楽で良いな、羨ましいなと思うかもしれないです。もっと普通だったら悩んじゃうと思うんです。もちろん彼なりに悩みもあって恋愛においても大分1の頃と比べると悩んだり成長したりしているんですけど、傍からみるとすごく脱力しているなと思います。
内田:私が演じる桃ちゃんも1の頃と比べるとかなり状況が変わってきて、当時はセフレが5人いる性依存系女子だったんですけど、2から松田くんとお付き合いし始め、3では松田くんとの恋愛を大切にしようと変わっていくので、すごく彼女なりに成長しているなと思います。だけど「ダメだよ、そっち行っちゃ!」という方にちょっと流れがちなところとか、やっぱり「顔が良い人にお近づきになりたい」みたいなそういう単純なところもあるし、あとは相変わらず人の痛みに敏感なところとか、全部ひっくるめて危ういけど可愛いなと思います。
― お2人も役の変化をご自身で楽しんでいらっしゃるんですね。
内田:自分が思うように桃ちゃんが動いてくれないんです。「こうすれば良いのに!」と思うことの逆の道を行ったりするので。
小関:アドバイスしてあげたくなっちゃうんだ。
内田:そう!桃ちゃんの友達になりたい!導きたい!
― 小関さんも松田くんに対してそう思うところはありますか?
小関:いや~、僕は彼のままで良いと思います。「僕はそうならないけど」とは思いますけど(笑)。彼はすごく色気があって良い抜け感があるので、そういうところは観察して盗みたいし、研究させてもらいたいです。
桃江&松田、付き合い始めた2人の関係性は
― 今回は桃ちゃんと松田くんの関係性が見どころになると思うんですが、この難しい関係性を演じる上で一番大事にしていることを教えて下さい。小関:付き合っている中で難しい部分で言うと、社内恋愛ということと、今まではお互い手が早かったから「健全にお付き合いをするというのはどういうことか知ろう」という始まりなので、エッチをしないことが1つの条件で、3ではその他にも生まれてくる色々な壁が見どころになっています。僕で言うと、引きずっている過去がテーマになってくるので自分の家族、兄弟、付き合っていた人といったものに対してどう松田くんが闘うのか、どういう選択をしてどう乗り越えるのか。そこを観て欲しいしドラマを観た人を勇気づけられるんじゃないかなと思います。
内田:桃ちゃんにとっては夢に描いていた本命彼氏ができたという状況なんですけど、好きになればなるほど怖くなったり気持ちが重くなったり自分の感情と行動が伴わなくなったり、相手に期待しているところもあってなかなか上手く行かなかったりもするのでそういう恋愛の苦しみ、難しさを改めて感じているような気がします。
内田理央&小関裕太、2人が選ぶベスト“桃松”シーン あの名シーンの裏に過酷な撮影秘話
― お2人が一番好きな“桃松”のシーンを教えて下さい。内田:私は2になるんですけど、桃ちゃんが泣いているところに松田くんが来てくれた、“救世主松田”シーン(第5話「愛されたいよ」)。あそこから全てが始まるじゃないですか?すごく好きです。
小関:実は僕も同じです。
内田:おー!気が合いますね。
小関:そこを言おうと思っていました。桃ちゃんが今まで我慢していたものが一気に溢れた感じが今まで見られなかった姿で新鮮だし、すごくジーンと来たシーンです。
内田:私はやっぱりこのタイミングで出会えるのがちょっと運命的だなと思って。そこで出会わなかったらその先はないと思うので、何でもタイミングなんだなと思いました。
小関:しかもあのときの撮影が結構過酷で、もちろん泣くシーンというのはあるんですけど、まず時間がすごく遅かったんですよね。終わりが(深夜)2時とか!
内田:2時だった!
小関:オフィス街で撮っていたんですけど、時間が経つごとに後ろにあるライトがどんどん消えて行っちゃって、最初に東京タワーのライトが消えて、施設のライトが消えていって、後ろが繋がらなくなっちゃうとまずいのでそういう時間問題もあって…
内田:雨も降ってた。
小関:雨も降ったか、そうだ!
内田:時間ないのに雨待ちとかなっちゃって(笑)。
小関:そうだ!
内田:すごく大変だった。
小関:夏で蚊がすごく多くて、本番中にも刺されていたんですけど、それを気にしていたら撮れないので乗り越えました。そして良いシーンになったなと。
内田:そのシーンから3、4ヶ月後が今回の3の設定なので、今回も撮影に入るにあたって毎回そこのシーンを見直して、そのときの気持ちを思い出してやりました。
小関裕太、桃江の好きなシーン明かす
― お2人はシーズン1のときから、お互いへの好意は意識して演じていましたか?内田:そういう設定が入る前はただの同僚の関係性だったので、近づいちゃ行けない人だなと。ちょいちょい部屋に閉じ込められたり、一緒にお布団に入っちゃったり、危ういシーンがあったけど、くっつかないように。惹かれそうだけど惹かれたらヤバいし、職場もめんどくさいことになると分かっていたから自制していたんですよね。
小関:過去の反省ですよね。過去に実際にそういうめんどくさいことになっているからこの職場ではやらないという自制心が働いているんですけど、欲望は前のめりにあってというのがバランスが面白くて難しいです。
内田:あと3に入ってからは、本当にお互いちゃんと惹かれ合うようになっているので、それぞれ他の人のことを精算し始めたりとか、新たな感情に気づいたりとか、その後の話として続いていますよね。
小関:3では桃ちゃんの元セフレと会うシーンがあるんですけど、そこは複雑な気持ちでした。ぜひ楽しみにしていて欲しいシーンです。
― お互いが演じているからこそ、原作からよりキャラクターが魅力的になっているなと思う部分は?
小関:僕は理央さんの叫んでいるシーンが結構好きです。「おー」とか「あー」とか「えー」とか。
内田:え、嘘、それ好きなの!?嬉しい。これ良いのかな?と不安になりながらいつも叫んでいます(笑)。
小関:やっぱり自分の中で理央さんの声=桃ちゃんになっているから聞くと「あ、戻ってきたな」と思います。
内田:こないだも1日に10回ぐらい「カー」とか「キー」とかずっと叫んでいて、「これ誰が求めているのかな?私の叫び声いるのかな?」とか思っていたけど、ここに「好き」と言ってくれる人がいた!頑張った甲斐がありました。
小関:あとこの間の撮影はすごくロングトーンでした。
内田:長く言わなきゃと思って私の肺活量の全てを出しました。
小関:(笑)。素晴らしかったです。隣の部屋まで聞こえていたんですけど「長!」と驚きました。
内田理央、小関裕太のアドリブを絶賛
― 内田さんはどうですか?内田:小関くんは、簡単に言ったらアドリブになるんですけれど、台本にないセリフがすごく素敵です。
小関:あら、嬉しい。
内田:林くんとの掛け合いとか、ちょっとした皆の会話のときに、いつも小関くんが松田くんっぽい一言とか行動を入れてくれるのが、デルタの皆の魅力を上げているんじゃないかなと思っています。そういう一言ってキャラクターのことを分かっていないと出ないと思うので。
小関:それで言うと全体的にアドリブを言い合ってもすごく成り立つという空気感は、1の最後のデルタの鍋のシーンで感じたかな。ワチャワチャしている裏にナレーションが入るシーンなんですけど、1の後半からアドリブして良い空気感ができあがっていました。
内田:そうだね、安心してできるようになったね。
小関:桃ちゃんにも梅ちゃんにも、もちろん林にも檜山さんにも何でも飛ばせる感覚はありました。
内田理央&小関裕太、“ちゃんとしてない”部分告白
― お2人が来世で“ちゃんとしたい”ことは?内田:私は勉強です。
小関:え~、そうなんだ!
内田:もっと学生時代ちゃんと勉強して学者とかになりたいです。来世は考古学者!
小関:僕は建築士になりたいという夢を小さい頃持っていました。建築士とかお医者さんは小さい頃の積み重ねだと思うので、もう1回人生を謳歌できるのであれば建築士になって自分の家を自分で建築して建ててみたいなと思います。
― では、最後にご自身の“ちゃんとしていない”部分を教えて下さい。
小関:ありますよ。皆さんそうかもしれないですけど、忙しい時期は部屋が汚くなるじゃないですか。だからもう開き直って「散らかっても良い部屋」というのを作っているんですよ。
内田:えー!面白い。
小関:ドラマ中とかは絶対散らかるけど、寝室とリビングだけは綺麗な状態にしないと戻る場所がなくなったり物がなくなったりするから、服とかどうしても散らかって良いものを自分がカテゴライズして、ある部屋に押し込んでいます。だから解消はされているんですけど、ダメなところと言ったら、散らかっちゃうのも受け入れている自分で良いのかな、どうなんだろうとは思います。
内田:私は食生活がちゃんとしてないんですよね。朝からドリアを食べていて。
小関:重!
内田:深夜にラーメン食べて。
小関:ははは、すごい(笑)。
内田:そうなんですよ。で、いつも「来世ちゃん」の撮影時期に少し太っているんですよ。
小関:「基本食べるのが好き」と言っていましたもんね。
内田:自分の中で、桃ちゃんは別に痩せているキャラクターじゃないから、それに甘えてすっごく食べている(笑)!後藤さんとかはそれこそ筋トレもしているだろうけど。
小関:ストイックに「来世ちゃん」の衣装合わせに向けて増量しているイメージですね。
― ありがとうございました!
インタビューこぼれ話
合同で行われた取材では、2人ともパソコンを使ったリモートインタビューに興味津々で記者が一斉にボタンで挙手を示すと声を揃えて「すごーい!」と反応していたのが、なんとも可愛らしかった。モデルプレス編集部でも“桃松”ペアのファンが多いことを告げると、「嬉しい!」「知らなかった!」と喜んでくれ、2人の柔らかい空気感に癒やされた。(modelpress編集部)
内田理央(うちだ・りお)プロフィール
1991年9月27日生まれ、東京都出身。雑誌「MORE」レギュラーモデル。2014年に特撮ドラマ「仮面ライダードライブ」で詩島霧子を演じる。2018年放送のドラマ「おっさんずラブ」で主人公の幼馴染・ちず役で脚光を浴び、同作で第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ助演女優賞を受賞。主な出演作にドラマ「掟上今日子の備忘録」(2015)、「海月姫」(2018)、「向かいのバズる家族」(2019 ※主演)、「言霊荘」(2021)、「岸辺露伴は動かない」(2021)、映画「トモダチゲーム」(2017)、「あのコの、トリコ。」(2018)、「クソみたいな映画」(2020※主演)、「くれなずめ」(2021)など。2022年はドラマ「ロマンス暴風域」「お父さん、私、この人と結婚します!」「自転車屋さんの高橋くん」が放送され、映画「耳をすませば」が公開。2023年はドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」(1月17日放送開始)の放送も控える。小関裕太(こせき・ゆうた)プロフィール
1995年6月8日生まれ、東京都出身。2006年からNHK「天才てれびくんMAX」のてれび戦士として3年間出演し、その後活躍の幅を広げる。「半分、青い。」(2018)でNHK連続テレビ小説初出演を果たしたほか、「ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子」(2021)、「恋です!~ヤンキー君と白状ガール~」(2021)、「サワコ 〜それは、果てなき復讐」(2022)、「今日、ドイツ村は光らない」(2022)、映画「覆面系ノイズ」(2017)、「わたしに××しなさい!」(2018)、「春待つ僕ら」(2018)、「ライアー×ライアー」(2021)など多くの話題作に出演。2023年2月には舞台「キングダム」の上演を控えている。また、情報番組「王様のブランチ」にレギュラー出演中。
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