松岡広大、「ニュージーズ」京本大我との絆 空白期間も「気持ちはずっと繋がっていた」<インタビュー>
2021.08.28 23:00
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28日に放送されたドラマ『ボイスⅡ 110緊急指令室』(日本テレビ系、土曜よる10時~)第6話で動画配信者・成瀬役を演じ、これまでのイメージを覆す強烈なインパクトを残した俳優の松岡広大(まつおか・こうだい/24)。同作の撮影エピソードをはじめ、10月に開幕を控えるミュージカル「ニュージーズ」、ラジオ番組「松岡広大のDressing Park」(AuDee)など、多岐にわたる活動への意気込みをモデルプレスのインタビューで語った。
“デジタルの恩恵を受けすぎた人間”の末路―SNSとの向き合い方を考える
― ドラマ『ボイスⅡ 110緊急指令室』にゲスト出演された率直な感想からお聞かせください。松岡:とにかく台本がスラスラと頭に入りました。それくらい馴染んでいました。僕が日頃ちょっと考えていること…SNSやデジタルに対する一つの懐疑的な部分を、全部成瀬が吐露しているし、それを諭すように唐沢(寿明)さんが色々と言ってくださる。撮影は本当に楽しくて充実していました。ゲスト出演だと、もう出来上がったチームの中で2日か3日、合間を縫って撮影することが多いと思うのですが、今回はトータルで約1ヶ月くらい、役としてしっかり現場に居させて頂きました。スタッフさんともどんどん仲良くなり、談笑もし合えるようになったのがたまらなく嬉しかったです。「現場っていいな」と改めて思いました。
― 撮影は1ヶ月かけて丁寧に進んだのですね。
松岡:本当にじっくり時間をかけてくださいました。僕が自撮りで配信をしながら廃墟を進んでいくシーンがあって、台本1ページ分くらいあるんですけど、最初の何行かのセリフ以外は「アドリブで繋いでもらっていいですか?多分できると思うので」という風に、監督もすごく信頼してくださって。俳優の手腕を信じて委ねてくれるのがすごく心地よかったです。僕が演じる意義があるという風に思えて。それにしても、配信ってなかなか難しいですね(笑)。僕は普段ライブ配信をあまり見ないので、動画配信者やインフルエンサーの方々ってすごいなと本当に痛感しました。
― 何か実際の動画を見て参考にされたのですか?
松岡:今回は心霊系配信者ということだったので、心霊系の動画は見ました。リアクションやカメラの振り方、声の抑揚、息の吐く量など。ただそれに影響されすぎてもよくないので、一回軽く見たくらいで、後は現場で感じるままにやりました。現場の廃墟がすごかったので、ここだったら何でもできるなと(笑)。あと僕が映像作品に参加する時は毎回そうなのですが、台本は全部家に置いていくんです。全部頭の中に入っているので、「もう大丈夫だ!」と思ってバッチリやり切りました。
― すごいですね…!6話を盛り上げるゲストとして、特に意識された点があればお聞かせください。
松岡:とにかく犯人が若いという点です。彼の罪を犯してしまう動機が、SNSで見てくれる人がいるから成立するものであったり、最近よく耳にする“承認欲求”というものが言葉として出てきたり。数字ってある程度信用できるものですけど、上がなんだ、下がなんだって、それに囚われてしまっているんですよね、完全に。いいね数やコメントの数が多ければ多いほど、世間から見てもらえている、それだけ自分に価値があると思いこんでしまっている。僕が演じた成瀬は“人気が絶対だ”という人間なので、だんだん自分の力で世間を先導したいという願望が芽生えてきたりもして。
僕はそんな彼を“デジタルの恩恵を受けすぎた人間”なのかなと思いました。悪い方向に刺激を受けたと思うのですが、実は今現実でもたくさんの人がそうなんじゃないかなと。今は一般の方のアカウントも強力な発信力があるので、ある一定のラインを超えると人生が変わるか、崩壊しますよね。成瀬を演じたことは、そういった現状を考えるきっかけになりました。この仕事をしているので共感できる部分もありますが、僕自身は正直、SNSは誰でも見る・見ないの選択ができるものだからこそ、「そんなに気にしなくていいんじゃないか?」と思っています。
― コロナ禍で、SNSでのコミュニケーションの比重がますます高まっていますね。
松岡:そうですね。今まで釣り合いが取れていた方も、一気に天秤が傾いたり、ずっとブルーライトを浴びる感覚で、眼精疲労も増えますし。今回、ドラマを観ていただいた方が、ぼやっとした意識の中でも、胸がチクチクっとなってくれたらなって。僕個人の思いとしては、“成瀬=ドクズ”って言われたら嬉しいです(笑)。利己的で、人の命まで奪って。そりゃあもう、唐沢さんや増田(貴久)さんに、あんな風にぶん殴られますよね(笑)。
― アクションの撮影はいかがでしたか?
松岡:ほぼ手錠をした状態で受け身を取ったりしていたのですが、とても楽しかったです!1日のうちに唐沢さんと増田さんにぶん殴られるなんて、超贅沢な俳優だと思います(笑)。
「こう殴るから、受け身取れるか?」と唐沢さんに言われて、「取れます」と答えたら「段取りいいな」って褒めていただけて、すっごい嬉しかったです。他にも、「お前アクション系の俳優じゃないよな?」「はい、そうです」「うまいな」というやり取りをさせて頂き、めちゃくちゃ嬉しかったです!
― メインキャストの皆さんとも交流があったんですね。
松岡:増田さんもすごく優しい方です。多幸感に溢れた、温かい現場でした。それとは裏腹に、成瀬はドクズですが(笑)、「こんな役もできるんだな」と思ってもらえたら嬉しいです。
SixTONES・京本大我との絆 空白期間も「気持ちはずっと繋がっていた」
― 10月からはミュージカル「ニュージーズ」がいよいよ日本初上演を迎えます。昨年5月、全公演中止となった当時の心境はいかがでしたか。松岡:2月にも舞台「ねじまき鳥クロニクル」が千秋楽を迎えられず中止になってしまったので、正直「次こそはできるだろう」と思っていました。どちらも「仕方がない」で終わらせたくなかったんですよね。なぜこんなにも無力なんだろうと感じました。何もできず、茫然自失という言葉がふさわしいと思います。本当に苦しかったです。精神的にも。
― 「ニュージーズ」は1幕をざっと通したくらいで稽古が止まったと。そこから1年以上経ちましたが、その間に作品について改めて考えることもありましたか?
松岡:台本と楽譜さえあれば、成功は約束されたようなものだと僕は思っていたので、まずはSNSで「絶対に同じキャストで帰って来ます」と伝えさせていただきました。それでも中止になった後の数カ月間は辛くて触れることができず。年が明けて、傷が少し癒えてきたかなと思った頃から、ちょっとずつ口ずさむようになりました。
ミュージカル「スリル・ミー」もあったので、もちろんそちらに集中していたのですが、「スリル・ミー」を経験した今だからこそできることもあるなと思うんです。元々歌に苦手意識があったんですけど、2人だけで100分間、歌って芝居して、心から「楽しい!」と感じられましたし、必ずしも楽譜通りじゃなくてもいいんだなと。ミュージカルって「そこで歌うの?!」って切り替えが不自然に感じられることもあると思うんですけど、「スリル・ミー」ではそれを全部なくして臨むことができました。「ニュージーズ」の稽古も始まったので、同じようにトライしています。
― キャストそれぞれがパワーアップした再集結が楽しみですね。
松岡:そうですね。それこそ(京本)大我くんは歌の活動をしながら、こっそり「ニュージーズ」の曲のボイトレをしていたそうなので。1年以上の空白期間も、月1くらいのペースで連絡を取り合っていたんです。お互いのことを聞いたり、「誕生日おめでとう」とか。だから最近久々に会ったんですけど、久々感が全然ありませんでした(笑)。気持ちはずっと繋がっていましたね。
― 京本さんとはこの作品がきっかけで仲良くなられたそうですね。
松岡:はい、急激に(笑)。すごく嬉しかったのは、大我くんから連絡先を聞いてくれたこと。彼はそういうことをしないタイプだからこそ、すごく嬉しくて。主演ということもあり、キャストの皆さんとの団結や繋がりを大切にしてくれていて、その行動力が素晴らしいと思いました。
― 同じエンターテイナーとして京本さんから刺激を受ける部分はありますか?
松岡:まずテレビで見ると「こんなにかっこいいのか…!」ってなりますよね。それでYouTubeを見てみたら「えっ、こういう大我くんもいるんだ」っていう…すごいですね、ジャニーズって(笑)。楽曲や振り付けがかっこいいのはもちろん、SixTONESとしてInstagramもやっていて、そんな所もいいな、かっこいいなと思います。(テレビで見ると)勝手に身近に感じるんですよ。「うちの座長が頑張ってる!」って(笑)。カンパニーのみんなも同じ気持ちだと思います。
― ジャック(京本)とクラッチー(松岡)は兄弟のような関係性ということで、10月に向けて改めて「頑張ろう」というやり取りもあったのでしょうか?
松岡:はい。2人で合わせる歌稽古の前には「ようやく始まるね」と。「とにかく楽しみだね」という連絡をして。言葉にならないですよね、まさかこんなに早くできるなんて。その裏では関係各所、とんでもないスピードでの確認が行われたり、感染対策含むあらゆる試みがあったはずなので、本当に感謝しかありません。
― ファンの皆さんに向けて、期待してほしいポイントをお聞かせください。
松岡:コロナ禍で映画などを観る機会も増えて、ちょっとこれまでに観たことのない難しい内容を観てみようとか、新しい発見もあったと思います。でも大丈夫、このブロードウェイミュージカルは何も考えなくていい作品です(笑)。頭を使わず、ただ身を委ねてほしいですね。どこを観ても楽しめて作品に集中できるので、構えずにお越しください。
ラジオで共演したいのは… 人気声優陣にラブコール
― 最後にラジオ番組「松岡広大のDressing Park」について。昨年4月に始まり、反響も大きいようです。松岡:最近トレンド一位を取ったみたいで、すごいですよね!
― 様々なゲストとのトークはいかがですか?手応えなどお聞かせください。
松岡:仕事やプライベートの話題はもちろん、改めて核心に迫るような話もできるので、ラジオはやっぱり面白いです。もうちょっと僕が上手に話せたらなって思うのですが、あまり硬くなりすぎても面白くないですよね(笑)。本当に色々な方が協力してくださるので、ありがたい気持ちでいっぱいです。
― 今後番組で話してみたい方はいますか?
松岡:全く面識のない声優さんとお話してみたいです。僕が一方的に大好きな声優さんがたくさんいるんです。津田健次郎さんや子安武人さん、杉田智和さん…そういった方々とお話できたらすごく嬉しいです。以前共演したマモくん(宮野真守)も出てほしいなあ。いい声で喋ってもらいたい(笑)。
― ラジオの醍醐味ですね。
松岡:本当に!僕自身がそういうのを聞きたいです(笑)。
― 楽しみにしています!では最後に、2021年も下半期に差し掛かったということで、残り数ヶ月の意気込み含め、ファンの方々へメッセージをお願いします。
松岡:11月の半ばくらいまでは「ニュージーズ」になるので、まずはその舞台を楽しんでもらえたら。そこから12月の大晦日くらいまでの間に…何かいいことがあるかもしれません(笑)
― 未解禁の素敵な情報が?
松岡:あると思いますし、あと(同じアミューズ所属の)渡邊圭祐が上半期のブレイクランキング2位と聞いて。1位が(お笑いコンビの)ニューヨークさん、2位が渡邊圭祐。
― ジャンルをまたいだ2位に。
松岡:そうなんです。それをすごく自慢げにラジオで話していたので(笑)、僕も来年の……いや、でもランキング興味ないんだよなぁ(笑)。
― (笑)。わかりやすい指標の一つとして、ランキングもありかと。
松岡:ランキングに載らなくてもいいんですけど、ちょっとどこかで本流に乗れたらなって。世間的にどうとかではなく、自分の中で乗れたと思えればいいんですけど、圭祐が乗ったんだったら僕も…という感じです(笑)。そんな風にリンクしたら面白いですね。
― ありがとうございました。(modelpress編集部)
松岡広大(まつおか・こうだい)プロフィール
生年月日:1997年8月9日出身地:東京都
特技:ダンス
2012年、俳優としてデビュー。2015年にはライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」で主人公のうずまきナルト役として初主演を果たすほか、舞台・映像・CMなどで活躍中。
ミュージカル「ニュージーズ」公演情報
【東京公演】公演日:2021年10月9日(土)~10月30日(土)
会場:日生劇場
【大阪公演】
公演日:2021年11月11日(木)~11月17日(水)
会場:梅田芸術劇場 メインホール
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