森昭一郎アナウンサー、宮司愛海アナウンサー、倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス

宮司・倉田・森アナ、コロナ禍の東京オリンピックへの思い「どう向き合っていけばいいのだろう」【フジテレビアナウンサー×モデルプレス連載<“素”っぴんトーク>】

2021.07.16 17:00

「フジテレビ×モデルプレス」アナウンサー連載第2弾『“素”っぴんトーク』―――― Vol.5~6は森昭一郎アナ(もりしょういちろう・49)、倉田大誠アナ(くらたたいせい・39)、宮司愛海アナ(みやじまなみ・29)の“東京オリンピック担当アナウンサー”でトーク。

  

フジテレビアナの素顔に迫る「“素”っぴんトーク」

テレビには映らないフジテレビ女性アナの知られざる素顔に迫った連載第1弾「女子アナの“素”っぴん」に続く本連載では、男性アナも交えた鼎談形式にパワーアップ。共通点を持ったメンバー同士が集まり、仲間だからこそ知る“素”の一面を引き出していく。

第3回は、7月23日から開催される東京オリンピックで実況を担当する1995年入社の森アナ、2004年入社の倉田アナ、そしてフジテレビ系東京2020オリンピックメーンキャスターを務める2015年入社の宮司アナが集結。

新型コロナウイルスにより約1年の延期を経ての開催となる今大会への思い、オリンピックならではの裏話、見どころをたっぷり語ってもらった。

スポーツ担当3人が集結

宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
― 今回は東京オリンピックに携わる皆さんに集まっていただきました。皆さんは約10年ずつ年次が離れているんですね。

森:倉田は僕のことを先輩と思ってないでしょ。

倉田:思っています!大先輩です!!

森:大先輩って便利な言葉だもんね。誰にでも言える(笑)。

宮司:森さんと私は20年も違うんですか!そんなに先輩だったんですね!

森:ほら!やっぱり先輩だと思ってなかった!でも、20年も違うなんて僕も言われて初めて気がついたよ。

宮司:若々しくていらっしゃるから。

森:同じスポーツ担当でも、こうやって向かい合って話さないと知らないことはいっぱいあるね。

― 1年越しの開催となった東京オリンピック。森アナは3度目、倉田アナは初めて、宮司アナもスポーツニュース番組『S-PARK』メーンキャスターになってからは初めてのオリンピックと伺いました。

森:僕と倉田はJC(※)という放送チームとして、宮司はフジテレビ系東京2020オリンピックのメーンキャスターとして参加します。僕はバドミントンとスケートボード競技のパーク種目の実況を担当する予定です。

※「ジャパンコンソーシアム」の略。五輪やワールドカップなど世界的なスポーツイベントにおいてNHKと民放各社が枠組みを超えて共同で制作・放送する組織。中継アナウンサーは各局から選抜して派遣され、割り当てられた競技を担当する。

倉田:僕もスケートボード競技ストリート種目を担当する予定です。この競技の振り分けは誰が決めるのでしょうか?

森:誰だろう。僕もよく知らない。いつもJCから中継担当者にシフト表が届くのだけど、それで初めて自分の担当を知るんだよ。スケートボードの担当は僕と倉田だけなので、メダルが期待される新種目を託されてしまった2人、ということになるね(笑)。

倉田:スケートボードはパークとストリートで2種目あるので、それぞれのチームで情報交換をしているのですが、森さんの勉強の進み具合がすごいんですよ。

森:基本、スポーツアナウンサーってビビリじゃない?「これがダメだったら、あれにしよう。これもダメだったら、あれもダメだったら…」と最悪のパターンを想定して準備する。ましてや新しい種目で何もわからないから、最悪の最悪の最悪まで想定して準備するとこうなっちゃうんだよね。

倉田:とはいえ、そこまで準備できないのが人間ですよ。それをできるのがSHOICHIRO MORI。

倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス
― ちょっとイジってます(笑)?

森:そうなんですよ。あんまりリスペクトを感じないんだよなぁ(笑)。

倉田:そんなことはありません。

宮司:私もスポーツ担当として森さんと仕事をするようになってから、森さんの資料作りの丁寧さはピカイチだと思っています。

倉田:わかる。森さんは特にすごいよね。

宮司:新人時代、研修で見せてくださった実況資料がすごく細かくてとても驚きました。

森:旦那にしたくないよね(笑)。

宮司:まぁ、ちょっと…(笑)。

倉田:家ではデレデレかもしれないよ。でも本当にわからないことだらけなので、今日この場を借りて、オリンピックに向けてどうアプローチをしていけばいいのか、森さんに伺いたいと思ってきました。こういう時じゃないと聞けないですから。

森:でも僕と倉田は実況する種目も決まっているし、ピンポイントで準備できる。宮司はメーンキャスターとして全ての中継・種目をわかっていなければいけない立場だから、どれほどの準備が必要か。どんな準備をしているの?

宮司:普段「S-PARK」を通じていろんなスポーツを取材しているわけですし、この3年間はここに向かって知見を深めてきたつもりなのですが、やはりまだまだわからないこともたくさんあります。その都度その都度、詳しい方に聞いて、調べて、やっていくしかないですよね。

倉田:すごい。頭良いよね。自分で理解できる人。

宮司:そうですね(小声)。

森:否定しなかったね(笑)。

倉田:でも本当に理解力が高い。1教わったら10理解できるタイプでしょ。

宮司:そんなことはないですよ。でも勉強は好きです。そうやって勉強して知識を蓄えていくことが好きなところはスポーツ担当に向いているのかなと思います。

オリンピック取材は“体力勝負” 森アナの徹底準備に倉田アナ・宮司アナが驚き

森昭一郎アナウンサー (C)モデルプレス
― ちなみに過去にオリンピック取材を経験している森アナから、倉田アナ、宮司アナに気をつけてほしいことや伝えておきたいことはありますか?

森:僕もえらそうなことは言えないのですが、とにかく体調管理につきます。本当に時間がない。前回のリオオリンピックはブラジル開催だったので、時差で試合は日本時間とは真逆の時間。僕らは試合の実況をすれば終わりですが、キャスターは試合を見た後に日本時間向けに放送もしなければいけないので、どんどん疲弊していく。実況チームも連日実況があるので、準備する時間がないんです。トーナメントで勝ち上がってきた試合でも、その前の試合を見られないこともあります。その中でどうやって準備する時間を捻出するか。でも睡眠を削ると体力が削られて良い仕事ができなくなるし…。本当にどうやって体力をキープするか、というところだよね。

倉田:体力キープのために何に一番気をつけていましたか?

森アナが持参してくれた各大会でプレス向けに配られるバッチ。毎回デザインが違うそうです!(C)モデルプレス
森:前回は時間割を作った。「ここからここまでは実況が入る、ここからここは宿舎に戻って準備にあてる」とか10分置きにExcelでスケジュールを組んで、「この通り行動すれば体力はキープできる!」という3週間分の時間割を作っていったの。さすがに休養も取らないと絶対に精神的に破綻すると思ったから、休養にあてるところを緑色に塗って。その緑の印を目標に、この通りにすれば絶対に乗り切れる、と思ってホテルのドアに貼っていたよ。

宮司:すごい!

倉田:その表を作るだけで1週間かかりそうなんですが。

宮司:本当に。これを作って「あー仕事終わった!」と思ってしまいそうです(笑)。

森:受験生が勉強の時間割だけ作って満足するのと一緒だよね。

倉田:ちなみに、その表の通りにできたんですか?

森:ほぼできなかった(笑)。

倉田大誠アナウンサー、宮司愛海アナウンサー、森昭一郎アナウンサー (C)モデルプレス
宮司:できなかったんかーい(笑)!!

森:やっぱりきついじゃない(笑)。「もうちょっと休養がほしいな…」と思うようになっちゃって。ブラジルではホテルから出歩けなかったから「本当は実況資料を作る時間なんだけど、ちょっとだけビールを開けてから頑張ろう」とかね。

倉田:もうちょっと緑の時間を増やしておくべきでしたね。

宮司:長いですからそういう息抜きも大事ですよ。

森:つまり、3週間の見通しを立てていかに体力をキープしていくか、ということが大事。

倉田:いやー…。できるかな。

宮司:私はできないと思います…。

倉田:今回は東京なので、身近な生活圏内であることがかえって誘惑にも繋がりそうな気がしていて。

宮司:私はむしろ東京で良かったなと思っていました。ちょっと家に帰ることもできますし。

森:僕らJCチームはそれができないんだよね。例えば通勤電車がストップしてしまったら会場に行けない可能性もあるから、原則は用意された宿舎で勤務を完結しないといけないんだ。

宮司:そうなんですね!それはまた体調管理も大変になりそうです。

倉田:森さんの休養の印を少しでも増やしてあげられるように頑張らないと。

1年越し開催の東京オリンピック「どう向き合っていけばいいのだろう」

倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス
― 倉田アナは初めてJCとして参加されるんですよね。準備は順調に進んでいますか?

倉田:順調かと言われると、順調ではないです。お尻に火がつきっぱなしですが、まだ動けていないところがあります。

率直に言うと、我々放送に携わる人間も、今回の東京オリンピックについてはさまざまな葛藤が日々あります。でも、オリンピックに向き合わなければいけない。なんとなく気持ちにモヤがかかっていて、本気度がまだ足りないと感じることはあります。

宮司:複雑ですよね。森さんともどう向き合っていけばいいんだろう、とよく話します。一番いろんなことを考えているのはアスリートですが、我々もこの状況とどう向き合えばいいのか、考えた1年でした。

森:おこがましいけど、アスリートの皆さんと心情的には近いと勝手に思っています。僕らは開催が決まればベストな放送、ベストな中継をするしかないし、その準備をしておくしかない。そして、しっかり感染対策をする。それを貫くしかないよね。

倉田:これまでは選手の思いを聞くために現場取材を大事にしてきましたが、今はそうはいきません。全てリモートになりました。リモートは一見便利ですが、なんとなく心の機微に触れられなかったり、自由に動けなかったり、相手にも気を使いますし、自分もより気をつけなければいけない。森さんはストレスを感じなかったですか。

森:そうだね。今まさに倉田が言った通り。僕らの取材はデータを整理することだけではなくて、その選手がどういう気持ちでそのステージに向かうか、その選手の心に自分の心を合わせる作業がメインだと思うんだよね。なるべく多くの空気を共有して、多く話して、その選手の心になるべく合わせていって、その選手がどういう気持ちでプレーをしているか、心を合わせる作業が本当の意味での僕らの“準備”。

だけど今回、一切それが許されなくなった。リモートで接することがあってもこれまでのオリンピックとは準備の仕方が大きく変わった。それがすごく難しい。

倉田:ちなみにこれまでのオリンピックだったら、森アナは約1ヶ月前のこの時期はどんなスケジュールだったんですか?

森:練習や合宿は可能な限り取材に行って話を聞く。取材現場→資料作成→取材現場→資料作成…を繰り返していたかな。今回はそもそも選手に会えないし、僕らも移動を制限しなければいけない。最も大事なことは感染を拡大させないことだから。でも直に会えない、温度感を味わえないということが一番難しいね。特に宮司はそうなんじゃない?

宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
宮司:はい。リモートインタビューは何度もさせていただきましたが、倉田さんがおっしゃっていたように、便利な反面難しい場面もあります。相手の通信環境に頼らざるを得ないので、電波が切れてやむを得ず同じ質問を投げかけないといけないこともあって、「なんてもどかしいんだろう」と思う事もありました。

森:でも海の向こうで活躍する選手と思わぬ繋がりができたことは、リモートがノーマルになったから。今まででは考えられなかったことだし、メリットもあったと思う。

宮司:そうですね。選手の負担が少なくなったのは良いことですし、メリットもたくさんあります。ただ直接会うことの大事さや価値をより感じますよね。

森:僕、駅で女子バレーの荒木絵里香選手と偶然バッタリ会ってさ。荒木選手は遠征に行く前で長くは話せなかったんだけど、「すごく取材したい…!」と思っちゃったもん(笑)。だけどそういう場でもないから。もどかしいよね。

宮司:このような状況下で、気持ちの折り合いがすごく難しいですよね。世の中の声もあるし、それも理解できる。でも、アスリートの気持ちもわかる。私はどこに立ったらいいのだろうと。

森:難しかった。僕らで難しいのだから、アスリートの皆さんはどれほどか。

倉田:今でも難しいです。

森:特に最初の延期が決まった去年。弾けた風船のように一回ぷつんと切れた。

宮司:そんな時期、柔道男子73キロ級代表の大野将平選手にお話を聞くことがあったのですが、「自分のコントロールできないことに頭を悩ませてもしかたなくないですか」とおっしゃっていて。大野選手とは同い年なのですが、その捉え方に感動しましたし、その通りだなと思いました。

パラカヌー代表の瀬立モニカ選手は「人生最大のメンタルトレーニングだと思っている」と。本当にすごいですよね。

倉田:考え方から違う。そのくらいでないとアスリートは務まらないし、自分で自分自身をコントロールできないとオリンピックでメダルは狙えないということなんだね。

宮司:そこから私もやっと前を向けるようになりました。

森:たしかに一流のアスリートになればなるほど、自分でコントロールできないことはもうしかたないと言うよね。

森昭一郎アナウンサー、宮司愛海アナウンサー、倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス
倉田:この1年間を振り返ると、有名な選手やまだまだやれるんじゃないかという選手が現役を引退するケースも多くありました。ショックもありつつ、理解してあげようと思いますが、でもまだやっぱり立っていてほしかったなと思ってしまいます。

森:本当にそうだね。女子バレーの新鍋理沙選手とか。

宮司:女子バレーは本当に多かったですね。

倉田:体操の白井健三選手もそうです。

宮司:本当に皆さんの人生を変えた期間だったのだろうなと思います。

森:だからこそ、大会が開かれるのであれば、その選手がやってきたことを正確に、等身大に伝えられる仕事をするしかない。それが僕らにできることだと思う。

※後編に続く

(modelpress編集部)


森昭一郎アナウンサー、宮司愛海アナウンサー、倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス

森昭一郎(もり・しょういちろう)プロフィール

森昭一郎アナウンサー (C)モデルプレス
森昭一郎アナウンサー (C)モデルプレス
生年月日:1971年9月29日/出身地:兵庫県/出身大学:早稲田大学/血液型:A型/入社年:1995年

<担当番組>
スポーツ中継を幅広く担当

倉田大誠(くらた・たいせい)プロフィール

倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス
倉田大誠アナウンサー (C)モデルプレス
生年月日:1982年3月4日/出身地:長野県/出身大学:日本大学/血液型:A型/入社年:2004年

<担当番組>
めざまし8
各種スポーツ中継(バレーボール・競馬・スケート)

宮司愛海(みやじ・まなみ)プロフィール

宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
宮司愛海アナウンサー (C)モデルプレス
生年月日:1991年7月29日/出身地:福岡県/出身大学:早稲田大学/血液型:O型/入社年:2015年

<担当番組>
S-PARK
潜在能力テスト
村上信五∞の情熱の鼓動
スポーツ中継(柔道・バレーボール・フィギュアスケート)

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