櫻井海音/写真:吉場正和(提供写真)

Kaito、「櫻井海音」に改名を発表 決断の理由と俳優業への意気込み語る「ゼロから成長していきたい」<モデルプレスインタビュー>

2021.05.20 18:00

俳優のKaito(20)が、5月20日に自身のHPにて“櫻井海音”(さくらい・かいと)に改名を発表。20歳を迎え新たな気持ちで活動する櫻井に、改名の理由や、今後の芸能活動についてなどをじっくり語ってもらった。<モデルプレスインタビュー>

  
2020年、ABEMAによるオリジナル恋愛リアリティーショー「オオカミくんには騙されない」に出演し、人気が急上昇した櫻井。それ以降、モデルや演技面でも活躍の幅を広げ、朝ドラ「エール」や、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」にも出演。俳優としての頭角を現した。

最近では、バラエティ番組「あざとくて何が悪いの?」内の連続ドラマ企画などの話題作にも出演し、4月からは「王様のブランチ」に新レギュラーとして出演中。

また、ロックバンド・インナージャーニーのドラマーとしても活躍する櫻井は、音楽活動の際は今までの“Kaito”、ソロでの俳優活動などは“櫻井海音”として活動していくことを明らかにした。

“Kaito”から“櫻井海音”へ「個人活動にも本腰を入れて」

櫻井海音(C)モデルプレス
― はじめに、今回“櫻井海音”に改名するに至った経緯をお聞かせください。

櫻井:20歳を迎えた時に、お芝居というものに対して「もっと上手くなりたい」とか、「もっとレベルの高いステージに行きたい」とか「もっといろんな作品に参加したい」という野心みたいなものがどんどん強くなってきて。それがちょうど20歳を迎えたタイミングでもあったので、今回改名を決意しました。

僕はバンドで音楽活動もしているので、音楽と俳優、2つを同時に極めていく上で、差別化できた方が良いかなという意味合いも1つあります。音楽の方は引き続きローマ字の“Kaito”表記で活動し、俳優や個人で活動する時はフルネームの“櫻井海音”でやっていきたいなと考えています。

世間的な見られ方も踏まえた上で、改名する事により自身を一から構築していかなければならないという使命感であったり、俳優としてもっともっと精進していかなければいけないという気持ちを自分自身に突きつけるような意味合いもあります。

櫻井海音”という名前をもっといろんな方に知ってもらうために、名前と共にゼロから成長していきたいと思っていますし、20歳という節目のタイミングで、個人活動にも本腰を入れて取り組んでいくつもりです。

― 役者業とバンド活動で、それぞれ意識していることや表現の違いなどはありますか?

櫻井:僕は自分自身の在り方として、バンドでいる時はあくまで4人いるメンバーの内の1人だと思っていて、ドラマーなので、あまりバンドでいる時に僕個人にスポットが浴びるような事にはしたくないですね。

もちろん、自分が個人で活動していてそのきっかけでバンドを知って、好きになってもらえる事は凄く有難いですし嬉しいです。ただ、やはりバンドでは音楽を認めてもらいたいという気持ちがありますし、逆に僕個人で活動している時には、「個人として何ができているのか」という所を評価して頂けたらいいなと思っています。

今は、音楽活動も俳優活動もどっちをやっていても楽しくて、自分の中でも上手く帳尻があっているというか、良いバランスで向き合えているんじゃないかなと思っています。

櫻井海音、役者としての手応えと得たもの

櫻井海音/写真:吉場正和(提供写真)
― 今の役者としての手応えはいかがでしょうか。演じていて、面白いと思う時はありますか?

櫻井:最初にお芝居をさせて頂いたのが、去年の秋くらいで、半年前くらいになるんですけど、当時は本当に右も左も分からない所から始まりました。最初は戸惑いもありましたし、楽しさを見出すというよりも、もっと前のステージにしか立てていなかったので、ただ必死にしがみついていて、正直当時は「楽しい」という感覚はあまりありませんでしたね。

ただ、その後から、演技の勉強やレッスンを始めたりして、現場で撮影をしていく中で、少しずつ監督さんが求めているものや、「こういう画や、こういう表現が求められているのかな」という感覚を何となく自分で察することができるようになってきたんです。“自分の中で解釈して、噛み砕いて表現していく”という事が徐々に出来るようになってきた時に、そういう事を考えている時間が1番楽しいなと思うようになりました。お芝居に対して「もっともっとやりたい!」という気持ちになり始めたのは、その時からです。

まだ手応えや自信…とまではいきませんが、ある程度、レッスンや現場での経験が出来てきて、ちょっとずつ経験を重ねていく中で、今徐々に楽しくなってきているという感じです。

― では、苦労している部分などはありますか?

櫻井:本当にまだキャリアも実力も半年レベルなので苦労している事は多いです。有難い事に、ベテランの俳優さんや、先輩方がたくさんいらっしゃるような現場に出演させて頂く事もあるので、そこで「自分はここに居て何を残せるのだろうか」という葛藤は常にしています。

今は、必死に共演者の方々の演技を見ながら「もっともっと吸収したいな」と思っていますし、もっと早くから演技を勉強しておけば良かったなという、そんなもどかしさみたいなものも抱えていたりもしますね。

― 櫻井さんが壁にぶつかった時は、いつもどういう風に乗り越えていますか?

櫻井:練習するしかないですね。出演した作品で、台本をもらってからずっと練習をしていたセリフがあったんですが、いざ現場に入ってみると全く言えなかった経験があって、その時は本当に「自分って滑舌悪いんだ…」と分かってすごくショックでした。実際にその時もNGを出して何テイクもやってしまって…凄く悔しかったのを覚えています。

でも、そこからどうやったら滑舌が良くなるのかなどを調べたりもしましたし、先輩方がたくさんいらっしゃる現場では、「どうしたら良いですか?」という相談をしたりして、食らいついていけるように日々意識はしています。

星野源と共演、「逃げるは恥だが役に立つ」出演は大きなきっかけに

― 演技をする上で、憧れの役者さんはいらっしゃいますか?

櫻井:僕からしたら、一緒に出演させていただいた役者さん全員が憧れですね。一緒の現場で仕事をさせて頂いて、日々現場で「かっこいいな~」と思ったり、「すごいなぁ」と感心したりするので。こんなに有難いことはないなって思います。

僕は元々、ドラマや映画という作品をあまり観なくて、何か映像作品を観て「この人すごいな」と思う感覚がよく分からなかったんですが、現場で先輩方と一緒にやらせて頂いているとやはり「あ、めっちゃ凄いな…」とすごく実感します。現場で体感すると、凄さが一目瞭然だなと思いました。

― 俳優活動をする上で、“こうなりたい”という理想像はありますか?

櫻井:どんな役でもこなせる事はもちろん、お芝居の部分ではないかもしれないですが、もっと僕が歳をとっていった時に色んな人に気を配れるような俳優になりたいなと思います。“俳優として”というよりかは、“人として”みたいな感じになりますけど(笑)。ずっと、初心を忘れずにいられるような俳優でありたいなと思います。

― これまで共演した方々の中で、刺激を受けた人や印象的な言葉などはありますか?

櫻井:これまで出演した作品では、自分自身もそこまで他の出演者さんと話せるほど自信もなくて、距離感の掴み方も分からなかったので、そこまで絡みがあったというわけではないのですが、でも振り返って思うのは、今年の冬に放送された『逃げるは恥だが役に立つ』の新春スペシャルでの星野源さんの立ち振る舞いはすごく素敵だなと思いました。

スタッフさんや、エキストラの方々がミスした時でも「あ、今のは僕が悪かったんです」という感じで星野さんがフォローしたりする場面もあって。それを見て、僕もそういう俳優になりたいなと思いました。

― 星野源さんとお話はされましたか?

櫻井:話は出来なかったですね。僕も緊張していて、ミスも何回もしていたので申し訳なさで、「喋るほどの分際ではないな…」と思っていました(笑)。実は僕、『逃げるは恥だが役に立つ』が初めてのドラマ撮影で、初セリフだったんです。

さっき、セリフで何テイクもミスをしてしまったと話をしましたが、実はそれがこの現場で。星野さんを前にしてのセリフだったんですが、すごく緊張しましたし、余裕もなくて…あの時の光景は凄く鮮明に残っています。悔しい思いもしましたし、でも、だからこそ今こうして、もっと向上心を持って俳優としてやっていきたいと思えている部分があるので、いつかまた星野さんと共演させて頂く事ができれば次は完璧に演じて、頂いた恩をお返し出来たらいいなと思います。

櫻井海音、今後挑戦したい事は「サッカー関連の仕事」

櫻井海音(C)モデルプレス
― 先程、ドラマや映画を観る事が少ないという事だったのですが、その中でも今でも覚えている作品や、個人的に好きな作品などがあれば教えてください。

櫻井:是枝裕和監督の映画で『海よりもまだ深く』という作品があるんですが、これは自分の中で1番好きな作品だなと思います。阿部寛さんや樹木希林さんが出ていて、僕が中学生くらいの時に観た作品なのですが今でもまだ鮮明に覚えています。すごくナチュラルな映画というか…自分の心が洗われるような素敵な作品でした。この作品を観る事により気持ちが一度リセットされて、フレッシュな気持ちになれる感じがします。

― 今後、演じてみたい役や、出演してみたい作品のジャンルはありますか?

櫻井:本当に今は「何でもやります!」という感じです。やらせて頂けるならば、何でもやりますし、色んな役をやってみたいです。今まではわりと恋愛系が多かったかなという感覚があるので、恋愛系というよりかは殺伐としている感じのものや、ヒューマン系などもやってみたいですね。

― では役者業に限らず、今後挑戦してみたい事はありますか?

櫻井:これは僕の夢なんですけど、高校サッカーの“応援マネージャー”をやりたい(笑)。応援マネージャーは、現役女子高生がするみたいなので難しいと思うんですが、それが無理なら、あわよくば応援歌(テーマソング)などをバンドで担当してみたいですね。

― ご自身がサッカーをする“サッカー選手の役”というよりかは、サッカー関連の仕事がしたいと。

櫻井:そうですね、「サッカー選手と対談!」みたいな事もやってみたいです(笑)。

櫻井海音、20歳の誕生日にバンドメンバーに“逆プレゼント”

― 4月で20歳になられましたが、心境の変化はありましたか?

櫻井:全くないです(笑)。誕生日を迎える前に色んな所で「もうすぐ20歳ですけど、20歳になってやってみたい事はありますか?」と聞かれたのですが、本当になくて(笑)。実際に20歳を迎えた後も、何か変わった訳でもないですし、大きく自分の中で変わったみたいな事はさほどなかったかなと思いますね。

― 20歳を迎えた誕生日はどのように過ごしていましたか?

櫻井:何してたっけ…(笑)、あ!バンドのリハーサルをしてました!

― 何かプレゼントを頂いたりもしましたか?

櫻井:いや特にないですね(笑)、むしろ僕がみんなにあげました!他のメンバーはみんな僕より年上なんですけど、メンバーが20歳を迎えた時に何もプレゼントを渡していなかったなと思って。いつも僕が個人の活動などを自由にやらせてもらっているので、そこに対しての感謝の気持ちもあって、「いつもありがとう」と伝えるいい機会かなと思って逆にプレゼントを渡しました(笑)。

― プレゼントは何を渡したのでしょうか?

櫻井:ライブ前に使えるものを渡しました。ボーカルのサラちゃん(カモシタサラ)には喉を潤すスチーマーを渡して、ギターの本多君(本多秀)は「もっと髪型ちゃんとすればカッコいいのになぁ」っていう人なのでコテをあげたり、ベースののしん(とものしん)は髭とかあって個性強めの人なので鼻毛カッターや髭剃りが一体になってるやつを渡しました、「ライブ前にこれで身なりを整えてください」という意味合いで(笑)。

― 反応はどうでしたか?

櫻井:「ライブ前に使えるやつじゃん!」って言ってました(笑)。「何で?」という感じでしたが、喜んでくれていましたね。

俳優・櫻井海音のこれから「肩書きをハッキリさせる年に」

― 20歳にもなり、これからは“櫻井海音”・“Kaito”として活動されると思いますが、今年はどんな1年にしたいですか?

櫻井:改名して1年で、“俳優・櫻井海音”として認めて貰えるようにしたいと強く思っていて。今は肩書きがあまりハッキリしていないんです。色々な所で紹介される時に、“俳優”だったり、“タレント”だったり、“モデル”だったり…バラバラに紹介されているので、個人でやってる時は“俳優・櫻井海音”として認められるようなりたいなという願望はあります。今年は、自分の肩書きをハッキリさせる年にしたいな。

― 最後に、応援していただいてるファンの方や、新たに櫻井さんを知った皆さんに向けてメッセージをお願いします。

櫻井:改名をしたり、僕が色んな事にチャレンジする中で、「何を目指してるんだ」とか「どこに向かいたいんだ」とそういう言葉もちょこちょこと投げかけられたりもしていて、ファンの方の中でも実際にそう思っている方もいらっしゃると思います。

確かに20歳を迎えるまでは、色々な事を探り探りやらせてもらっていたので見た人がそう思う気持ちもあるだろうなと思いつつやってきましたが、これからは俳優としての“櫻井海音”とバンドとしての“Kaito”という存在を上手に差別化出来るように、僕もここから新たに頑張りたいと思っています。

どちらが本業で、どちらが副業とかいう訳ではなく、どちらも本業としてより高いレベルで表現できるように努力していきたいと思っているので、新しく、今までやってきた事からまた次のステップに踏み出した僕を応援していただければ嬉しいです。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

櫻井海音(さくらい・かいと)プロフィール

櫻井海音(C)モデルプレス
生年月日:2001年4月13日
血液型:O型
出身地:東京都
趣味:フットサル

幼少期は有名サッカークラブのジュニアユースチームに所属。現在は、今年公開の映画やテレビドラマなどの撮影に挑みながら、バンド「インナージャーニー」のドラマーとして初のCD音源リリース、初ワンマンライブを行うなど、精力的に活動している。
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