日向坂46佐々木美玲の人生で“勝負”の瞬間──ソロ活動への決意「誰にも甘えられない」＜「賭ケグルイ双」インタビュー＞

今作は、女優の浜辺美波が主演を務める実写版「賭ケグルイ」プロジェクトの1つで、原作の「賭ケグルイ」に並行し、同作と同じく月刊「ガンガンJOKER」で連載されている、人気No.1キャラクター・早乙女芽亜里（森川葵）を主人公にした作品。

蛇喰夢子（浜辺）が私立百花王学園に転校してくる1年前が描かれ、森川や佐々木のほか、佐野勇斗、生田絵梨花（乃木坂46）、秋田汐梨、萩原みのり、長井短、犬飼貴丈、福本莉子らが出演している。

佐々木美玲「賭ケグルイ」で狂気的な役に初挑戦

今作で佐々木が演じる佐渡みくらは、長井短演じる聚楽幸子専用の家畜として首輪につながれ、「彼女に仕える事で悦びを得る」という狂気的かつ、どこか色気のある役どころ。日向坂46の “ハッピーオーラ”の象徴ともいえる彼女は、普段の自分とのギャップに、戸惑った部分もあったと語る。

「色っぽさを出すというのは監督さんのイメージにもあったのですが、私はこういったキャラのある役を演じるのが初めてだったので、最初は不安と恥ずかしさで戸惑っていました。でも、私自身もこれまでの『賭ケグルイ』シリーズの世界観に引き込まれていたし、実際に撮影現場で皆さんの迫力のある演技を見たら、次第に『私もこんな演技ができるようになりたい！』と思えるようになっていったんです」。

普段の佐々木はキュートな印象が強い反面、ファッションショーのランウェイステージなどで見せる大人っぽい表情に驚かされる場面も増えている。「私はこれまで大人っぽい表情が全然できなかったので、実は『今年は大人っぽい表情を見せられるように頑張ろう』という目標を立てていたんです。みくらちゃんもニヤッと笑うシーンがあるので、1人で鏡を見て自分がどんな表情をしているのかを確認しながら練習していました」

佐々木美玲、人生初ブリーチで赤髪再現

ギャンブルをテーマとする「賭ケグルイ」では、数々のゲームシーンが描かれており、ゲームの進行役となるディーラーを、佐渡みくらが務める描写もある。長尺のセリフは頑張って覚えていったという佐々木も、現場での実践が必要なディーラーの演技には、本番直前まで苦労した様子だ。

「カジノのルーレットを回したり、カードを配ったりするディーラーの手さばきは、当日現場に行かないとできないので、ギリギリまで微調整するのがとても大変でした。誰かを参考にするというのも難しかったので、原作を読んでイメージ像を固めて、監督さんや長井さんにアドバイスをいただきながら挑みました」

また、撮影時には、佐渡みくらの特徴でもある『赤髪』を地毛で再現するために、人生初のブリーチに挑戦。「ブリーチ自体も初めてだったので、ワクワク、ドキドキしていました！生田絵梨花さんと事務所でお会いして、そのときは髪色を元に戻していたので、『もう戻ったの！？』と驚かれてしまいました（笑）」と、坂道グループの先輩にあたる生田との交流も明かした。

佐々木美玲「誰にも甘えられない」外仕事への決意

佐々木が所属する日向坂46には、「賭ケグルイ」シリーズのファンが多く、今作への出演が決定したときにも、メンバーはとても喜んでくれたという。

「特に三期生の山口陽世はファンで、以前から『賭ケグルイ良いですよ！』とメイクさんに話している姿を見ていたので、『自分はすごい作品に出演できているんだ』と実感しています。私の出演が発表されたときに、メンバーから『どんな役なの？』とすごく聞かれたのですが、一言では表せないキャラなので、メンバーにも是非見て欲しいです（笑）！」

佐々木以外にも、小坂菜緒や渡邉美穂など様々なメンバーが役者として活躍している日向坂46。「他のメンバーが出演している作品は、思わず見ちゃいます！刺激を受けるというよりは、『可愛いな』と思いながら見ちゃうことの方が多いんです（笑）。ライバルというよりは、親心というか…。仲間という意識が大きいのだと思います」

そんなグループへの愛情でいっぱいの佐々木だが、これまでグループで出演したドラマ「Re：Mind」（テレビ東京系）や、「DASADA」（日本テレビ系）など、演技の現場でもメンバーたちに囲まれていた環境から、今作では1人でグループから離れた仕事に挑戦する。そこには、“日向坂46の佐々木美玲”とは異なる、“女優・佐々木美玲”の決意があった。

「メンバーとは家族より一緒にいる時間が長いので、演技の現場でもアットホ―ムな雰囲気でリラックスしちゃうのですが、今回のようにグループの仲間がいない現場は、『誰にも甘えられない』という意識で臨んでいるんです。俳優業が本職の方ばかりなので本当に勉強になるし、自分ができなさすぎて悔しい気持ちにもなるので、常に刺激を受けながら撮影にのぞめました」

佐々木美玲“人生の勝負”はオーディション

「賭ケグルイ」はギャンブルという勝負をテーマとした作品であるが、佐々木がこれまでの人生で「絶対に負けられない戦いだ」と感じたのは、「けやき坂46（現在の日向坂46）」のオーディションだと話す。

「最初は軽い気持ちでオーディションを受けたんです。でも、三次審査くらいのときに、『あなたは、何千人、何百人の中の数人だよ』と言われたことで、『ここまで来たら受かりたい』という思いに変わり、最終審査に臨みました。オーディションは運の要素も大きいと思うので、『私たちは運が良かったんだね！運も実力！』と、今でも一期生同士でよく話しています（笑）。でも、日常ではあまり運を使いたくないんです…。なので、悪いことがあっても『今は運を貯めているだけから大丈夫』と思えます」

佐々木美玲、家族へ感謝のプレゼント

今回演じた佐渡みくらは「家畜として仕えることで喜びを得ている」という役だが、佐々木自身も、普段から誰かのためになれたときは嬉しくなると語る。

「特に、家族のために何かができるとすごく嬉しくなるんです。家族は小さい頃から好きなことをさせてくれたし、今でも私が出演した番組を全部見てくれたり、ライブにも来てくれたりして、もっと頑張らなきゃという気持ちになります。2月のバレンタインデーには、感謝を込めて家族にお酒が入ったチョコレートを贈りました！私はあまりお酒が得意ではないのですが、20歳になったときに、記念に家族みんなでお酒を飲んだときは嬉しかったです」と家族団らんのエピソードも教えてくれた。

佐々木美玲の夢を叶える秘訣

「けやき坂46」の名前で活動していた2018年に、「夢を叶える秘訣は、夢を叶える瞬間を想像すること」と語っていた佐々木。アイドルとして、役者として、数々のステップアップを重ねてきた今、改めて思う、夢を叶える秘訣とは──。

「口に出して言っていくことが大事だと思います。心の中で思っていても、口に出さないと気持ちは伝わらないし、口にすることで誰かが聞いてくれているかもしれないから。

私たちのダンスの振付をしてくださっているTAKAHIRO先生が、『3人の同期のアイドルがいたとして、今2人が売れていて1人が売れていなくても、その1人が10年後に売れたら、その人は10年間の努力が報われる。誰がいつ輝くかはわからないし、努力し続ければ絶対に叶う』とおっしゃっていたのがすごく印象的で、私も頑張ろうと思えたんです。

後悔しないために遠くを見ながらずっと頑張り続けていたら、いつか花が咲くんじゃないかって信じています！私も日向坂46に入って、ありがたいことに何個も夢が叶いました。毎年1年後の自分への手紙のようなものを書いているのですが、『こんなに叶うことってあるんだ』と思えるくらい夢が叶っているし、想像していた以上のことをやらせてもらっているので、今すごく幸せなんです。でも、現状に満足してはいけないと思っているので、もっともっとみんなで上を目指していけるよう、これからも頑張りたいと思います！」

今後は、さらに演技の勉強に力を入れていきたいという佐々木。「『賭ケグルイ双』に参加できたことがすごく刺激になったので、今後はもっと役者のお仕事を頑張っていきたいし、色々な作品に挑戦してみたいと思っています！」と、笑顔で意気込みを見せてくれた。（modelpress編集部）

佐々木美玲（ささき・みれい）プロフィール

生年月日：1999年12月17日／出身：兵庫県／身長：164cm／星座：いて座／血液型：O型／女性ファッション誌「non-no」専属モデル。

日向坂46の1stアルバム「ひなたざか」のリード曲、「アザトカワイイ」ではセンターを務めた他、ドラマ『女子グルメバーガー部』（テレビ東京系）の出演や、情報番組『ZIP！』（日本テレビ系）のコーナー「流行ニュース キテルネ！」のリポーターなど、幅広い活躍を見せている。