草なぎ剛(C)NHK

草なぎ剛、“エゴサーチ”で大河ドラマの反響実感 初共演の吉沢亮らに刺激<「青天を衝け」インタビュー>

2021.04.06 00:00

現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合、毎週日曜よる8時~)に出演する俳優の草なぎ剛(くさなぎ・つよし/46)が、モデルプレスらのインタビューに応じ、徳川慶喜役への思いや、主演を務める吉沢亮らとのエピソードを語った。

  

大河ドラマ「青天を衝け」

今作は“大河新時代”第2弾、4Kフル撮影による大河ドラマ第60作。新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」を主人公に、幕末から明治の激動の時代を描く。脚本は連続テレビ小説『風のハルカ』『あさが来た』などの大森美香氏が担当。

堤真一、草なぎ剛(C)NHK
草なぎが演じるのは徳川慶喜。徳川斉昭の七男に生まれ、一橋家を継ぎ、徳川幕府最後の将軍へ。側近・平岡円四郎(堤真一)の目利きで渋沢栄一(吉沢亮)と出会い、財政改革に手腕を発揮した栄一を重用する。幕府終焉の時を迎えてからも、慶喜と栄一の厚い信頼関係は終生に及んだ。

草なぎは、2004年に香取慎吾が主演を務めた大河ドラマ「新選組!」に、榎本武揚役で友情出演。本格的に大河ドラマにレギュラー出演するのは、今回が初となる。

草なぎ剛、大河ドラマの反響を実感「エゴサーチしています」

堤真一、草なぎ剛(C)NHK
― 放送開始から1ヶ月半が経ちましたが、今のお気持ちはいかがですか?

草なぎ:毎週放送されるってすごいなと改めて思いました。久しぶりの連続ドラマなので、毎週楽しみになるのも連続ドラマの醍醐味でもあるのかなと思いますし、皆さんと一緒にお芝居できて楽しい日々を過ごしています。

― 大河ドラマというのもまたひとつ特別なものだと思います。大河ドラマのやりがいや魅力を教えてください。

草なぎ:セットがすごく豪華で、出演者やスタッフの人数も多くて、とにかく手間暇かけて丁寧に作られているなという印象です。今日は2シーンを撮り終えたばかりなのですが、すごく奥行きがあるセットで、スタートがかかる瞬間にふと「あれ?ここスタジオだよな?」と我に返るくらい、すべてにおいてスケールが大きいところが魅力だなと感じています。

馬もCGではないですし、スタジオに入れて撮影しているので、その中でも自分が負けないように、ただ馬に乗せられているだけではなく、そしてただ衣装を着せられているだけではなく、どんと構えてしっかりとした心持ちで、いろいろな意味でうすっぺらいものにならないように頑張っています。

― 反響の大きさからも大河ドラマのすごさを感じていますか?

草なぎ:そうですね。SNSとかで僕のファンの皆さんが「すごく良い慶喜だ」と言ってくれています。「#青天を衝け」でエゴサーチしています!(笑)

吉沢亮らに刺激 共演者とのエピソード語る

堤真一、草なぎ剛(C)NHK
― (笑)。主演の吉沢亮さんをはじめ、竹中直人さんや堤真一さんとの撮影が多いと思うのですが、現場でのエピソードをお聞かせください。

草なぎ:皆さんには本当に良くしていただいています。堤さんとは何度か一緒にお芝居したことはあったのですが、今回とても久しぶりの共演で身が引き締まる思いです。すごく緊張していたのですが、今まで堤さんと培ってきた時間が、円四郎と慶喜のとても良い関係性に反映されているのかなと感じています。竹中さんとは今回初めてでしたが、「草なぎくんが本当に俺の息子に思えてきた」と言ってくれてすごく嬉しかったです。

吉沢くんも初めてなのですが、とてもピュアなオーラが漂っていて、体もしっかりとしているなと思いました。細いイメージというか、もっとスマートなのかなと思っていたのですが、とても体幹がしっかりしていて、そこから溢れ出るエネルギーが栄一にピッタリだなと。吉沢くんや高良(健吾)くんに、若いフレッシュな刺激を受けています。そして竹中さんや堤さんなど上の方たちと良い感じに挟まれていて、とても楽しいです。

草なぎ剛、竹中直人(C)NHK
― 堤さんとお芝居に関してのお話はしましたか?

草なぎ:僕は堤さんのお芝居がすごく好きで、堤さんのように演じられたらなという意識があります。堤さんはあまり余計なことは話さないのですが、そういう僕の気持ちをなんとなくわかってくれているみたいで、そばにいて空気を感じて、背中で語ってくれるような人です。本人は「自分はなで肩だ」と言っているのですが(笑)、背中でいつも教えてくれるような人。僕のお芝居を見て、「慶喜は何を考えているのかわからない」と言ってくれました。

草なぎ剛が演じる“徳川慶喜”像とは

草なぎ剛、川栄李奈(C)NHK
― 慶喜は、新しいもの好きで趣味も多く、ユニークな方だったようですが、草なぎさんはどのように解釈して演じていますか?

草なぎ:黒崎博監督と最初の打ち合わせで「掴みどころがない役がいいんじゃないか」と話しました。歴史に詳しい方からすると、どうしたって慶喜は将軍になるわけで、先のことは今現在生きている僕たちからするとわかっているのですが、そこに「自分は本当に将軍になっていいのか」という葛藤が見え隠れする中でも、ちょっと掴みどころのない感じで、「もしかしたら慶喜は将軍にならないんじゃないか」というくらい力の抜けたような役をやっていこうかなと思いました。とても面白い役どころだと思っています。

― 栄一との信頼関係はこれから描かれますが、慶喜は栄一のどのようなところに惹かれたと感じていますか?

草なぎ:現段階で撮影しているところまでだと、慶喜は円四郎に心を開いていて、その円四郎が栄一を連れてきたということが大きいのではないかなと思います。みんな将軍なので必要以上にどこか気を遣っている部分はあるんですけど、円四郎と栄一に限っては人の幸せを願ったり、みんなが喜ぶ世の中にしたいという熱意があって、変に気を遣わずストレートに言ってくれるので、そういうところが好きになっていくポイントだと感じています。

堤真一、草なぎ剛(C)NHK
― 歴史が好きな方から見ても、草なぎさんが演じる慶喜は「歴代でも最高の慶喜ではないか」という声も上がっています。そのひとつとして、感情が読み取れない能面のような表情が魅力的なのですが、ご自身はどのように捉えているのかお聞かせください。

草なぎ:とても恐縮です。本当に何も考えずに演じているので(笑)、褒めていただいて嬉しいです。というのも、邪念というか、奇をてらわないほうが見ている方も面白いんじゃないかなと思っているんです。慶喜の父・斉昭はストレートに感情をぶつけるので、僕はふわふわしている感じでどこか他人事のような、対局にいたほうがいいのではないかという気持ちもあります。それが後に、大きな器を持っている人間として映っていればいいなと思っています。

― 慶喜を演じていて、ご自身に憑依してしまうような、リンクする部分はありますか?

草なぎ:そういうのはあまりないですね(笑)。正直慶喜のことをよくわかってないというか、そのくらいのほうがいいのかなと思っています。なのでリンクするところもないですし、憑依することもないのですが、演じていてすごく楽しいですし、心が弾みます。自分っぽいと感じることはありませんが、逆に自分とかけ離れている感じが楽しいです。

― この先将軍になっていく展開を視聴者の方も楽しみにしていると思うのですが、本領を発揮する慶喜をどのように演じようと考えていますか?

草なぎ:普通に演じていれば、なるようになるのではないかなと思っています。脚本がすごく自然と入ってくるので、その通りに演じていきたいです。激動なシーンもあるのですが、特別気負うより、自然と飲み込まれていくと思うので、その日その日、その現場その現場で僕は演じていくのだと思います。

草なぎ剛、大河ドラマ出演で感じた変化

草なぎ剛(C)NHK
― 草なぎさんにとって大河ドラマとはどういう存在ですか?やはり連続ドラマとは違うものでしょうか。

草なぎ:そうですね。大河ドラマにちゃんと出演するのはほとんど初めてなのですが、撮影期間が長いですし、若い方からご年配の方まで親しんで見てくれるような国民的ドラマだなと思います。今回出演して、改めて実感しています。

― 長い期間同じ役を演じることはなかなかないと思うのですが、演じていてご自身の中で新たな変化や発見はありましたか?

草なぎ:物語の中でみんな亡くなって、撮影に来なくなっちゃうんですよね(笑)。なのでそれが悲しいです。当時の人は本当に大変だったんだなと感じましたし、争いや戦いがあって僕たちは今日に至っているんだなと、出演者の方が撮影に来なくなって改めて感じました。「もうあのシーンで最後だったんだ…」と、それが僕の中での違いを感じているところです。それだけいろいろな展開がめまぐるしくもあり、それが大河ドラマなのかなと思っています。

― 特にお別れが寂しかったのは?

草なぎ:やっぱり円四郎と別れてしまうのは寂しいです。一番の家臣だったので、いなくなってしまうのは寂しいのですが、栄一を残していってくれたことが、慶喜の未来に大事なことなんだなと思っています。でも本当にたくさんの別れがあって、人によってはセリフひとつで亡くなって、すごくいろいろな出来事がたくさん起きるのですが、うまくまとまっている脚本だなと思います(笑)

草なぎ剛(C)NHK
― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

草なぎ剛(くさなぎ・つよし)プロフィール

1974年7月9日生まれ。1991年CDデビュー。主な出演作は、『黄泉がえり』(03/塩田明彦監督)、『日本沈没』(06/樋口真嗣監督)、『あなたへ』(12/降旗康男監督)、またテレビドラマは「僕と彼女と彼女の生きる道」(04/CX)、「任侠ヘルパー」(09/CX)など、多数作品に出演を果たす。

2017年9月にはオフィシャルファンサイト「新しい地図」を立上げ、その後自身主演の『光へ、航る』(太田光監督)を収めたオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』(18)は2週間限定公開の中、28万人以上を動員し、大ヒット。また、音楽劇「道」(18/演出:デヴィッド・ルヴォー)、「家族のはなし」(作/演出:淀川フーヨーハイ、あべの金欠)、「アルトゥロ・ウィの興隆」(作:ベルトルト・ブレヒト/演出:白井晃)など、舞台作品にも出演。

その他出演作に、西加奈子原作の『まく子』(19/鶴岡慧子監督)、『台風家族』(19/市井昌秀監督)、『ミッドナイトスワン』(20/内田英治監督)。2021年3月、『ミッドナイトスワン』で演じたトランスジェンダーの役が評価され、「第44回日本アカデミー賞」にて自身初となる最優秀主演男優賞を獲得。また、同作は最優秀作品賞を受賞した。
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