[Alexandros]川上洋平「ウチカレ」胸キュンシーンに照れはなし 「グッと来てしまった」撮影も明かす<モデルプレスインタビュー>
2021.03.16 08:00
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日本テレビ系水曜ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(毎週水曜よる10時~)が17日に最終回を迎える。モデルプレスは今作でドラマ初出演、本格的な演技に初挑戦したロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギターの川上洋平(かわかみ・ようへい)にインタビューを実施。菅野美穂との胸キュンシーンの撮影エピソードや、俳優業への思いを聞いた。<前編>
「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」漱石役で話題の川上洋平
菅野が主演を務め、浜辺美波が出演する同作は、少女のような天然母と、しっかり者のオタク娘、トモダチ母娘のエキサイティング・ラブストーリー。主人公でシングルマザーの恋愛小説家・水無瀬碧役を菅野、そのひとり娘で20歳の女子大生・水無瀬空役を浜辺が演じ、脚本は北川悦吏子が務める。川上は碧の“恋人候補”となる担当編集者・橘漱石役。クールなルックスとは裏腹に仕事に対しては熱く、作家としてスランプを感じている碧を献身的に支えていく内に次第に惹かれ合っていく。
実力派俳優陣が揃いテンポの良い会話の掛け合いが飛び交う今作で、川上の自然体な演技と存在感が良いアクセントとなり、普段の姿とのギャップにも注目が集まっている。
川上洋平、ドラマ初出演は「毎日が勉強だった」
― ここまで撮影してきてお芝居に対する手応えはいかがですか?川上:もちろん不慣れなことも多かったし、ご迷惑をかけたところも多かったと思うんですけど、自分なりに頂いた役をどんどん深く理解していけたという感覚があります。スタッフの方々を始め、皆さん出演者のお力添えもあり、そして一緒に演じさせて頂いて、本当に毎日が勉強だったと思います。僕にとっては本当に素晴らしい先生方だと思っていて、これ以上ないくらいの成長ができました。
― 演じながら監督や共演者の方にアドバイスをもらうことも?
川上:自分が持ってきた解釈で演じた後に「ここはこれで良い」「ここはこうした方が良い」というちょっとした指示をもらうくらいで意外なことにアドバイスはもらってないんです。始まる前にはいくつかあったんですけど、始まってからは一人の役者として扱って頂いたというか、僕の解釈で行っているものに対して「もう一つの世界はこうだ」という提示をしてくれて色んなことをやった上で最終的に決めて行くという形で、逆に身が引き締まる思いでした。
川上洋平「グッと来てしまった」自然と涙が出てきたシーン
― 振り返って特に苦労したシーンは?川上:クランクインの最初の撮影がドラマの冒頭でもある小西編集長(有田哲平)と水無瀬先生のマンションに行く途中で空ちゃんに声をかけるシーンで、漱石が最初に発する言葉なんですけど、結構ぼそぼそ喋るキャラクターなので普段の喋り声よりももっと聞き取れないくらいの感じで喋っていたんですよね。2、3回くらい撮り直したんですけど、街中ということもあってぼそぼそという喋り方だと浜辺さんが聞き取れなかったんじゃないかなという申し訳なさがあって。だから声のトーンとか大きさも必要だなと思いました。
― ドラマとなるとリアルとは違うことも考えなきゃいけなくなりますね。
川上:ドラムで言うとカウントですよね。あとは4話の最後の泣くシーン。(碧と)抱き合ってキスするか…のところはやっぱり結構見せ場でもあったので色々考えました。漱石は割と何を考えているか分からないキャラクターなので、最初は「こいつ何やっているんだ」「謎のキャラクター」とか視聴者の方に言われていてその反応が正解なんですけど、そこからグラデーション的にだんだん自分の担当している小説家の方を尊敬プラス憧れで「好き」という恋愛感情が芽生え始めて、内に秘めている思いを見せていくきっかけになるシーンだったので結構色々と話し合いました。
― それで自然と涙が出てきたんですね。
川上:涙ぐむのはなかなか難しかったですけど、そこからは求められていないのに涙ぐんじゃうこともあって、不思議なもので自分の役に本当に感情移入しちゃうんですよね。例えば元彼女のサリー(伊藤沙織/福原遥)に振られるシーンは、同棲しているという設定で漱石の部屋に女性ものの化粧品とか道具が置いてあったのでそういうのを見ていると本当に付き合っていたかのような感覚に陥って、福原さんの声を聞いていたら振られた気持ちになって悲しくなっちゃったんですよ。本気の涙ぐみでしたね。
僕の中でグッと来てしまったポイントというのが他にも何度かあって、4話の碧さんの小説「私を忘れないでくれ」の映画化が決まって主演を務めるバンド「サイレントナイフ」ボーカルのユウト(赤楚衛二)が注文をつけて内容がぐちゃぐちゃになってしまって漱石がユウトに直談判しに行くシーンもそうでした。そのときの「命があるものを作る、どんだけ苦労と悩みがあったかあなただったら分かるでしょ」というクリエイターの魂を諭すセリフが自分自身に言っているような気持ちになってすごくグッと来てしまって、ドラマの中で一番好きなセリフですね。共感しました。
― 本当はバンドマンの川上さんがあのシチュエーションを演じているのが、すごく面白かったです。
川上:皮肉が効いてましたよね(笑)。
― 赤楚さんの印象はいかがでしたか?
川上:赤楚くんは好青年という印象でした。とにかくカッコいいし、性格もすごく良い、爽やか!でも演じるときはキリッと役に合わせて熱がこもっていて、本番前は何度も自分の中で「違うな」という顔をしたりしてすごく演技に対してストイックな一面も見えて僕よりだいぶ年下なんですけど、勉強させて頂きました。
― 川上さんから見て、ユウトみたいなバンドマンはいると思いますか?
川上:いると思いますよ(笑)。でも彼はプロデューサーにいちゃもんをつけられて…という境遇でしたけど、僕らはプロデューサーがいないので全部自分たちでやらなきゃいけないんですよ。だから逆にプロデューサーからいちゃもんつけられて勝手にアレンジして欲しいくらい、なんて思いましたけど(笑)。でも自分の作ったものに対して愛を持って最後まで全うしたい、丹精込めて作り込んで世の中に届けたい、という思いは性格がどうであれすごく共感しました。
川上洋平、胸キュンシーンに照れはなし「そこに川上洋平はいなくなる」
― キス寸前やハグなど、いわゆる胸キュンシーンに照れはありましたか?川上:これがね、ないんですよ。緊張感とかも意外とないんです。終わった後の緊張感はすごいし、あとはリアルタイムで放送しているものを観ているときも「大丈夫かな」という緊張感はあります。でも現場に入ると僕の力じゃなくて、周りの皆さんのおかげで不思議なくらい役に入り込めるので、ちゃんと「抱きしめたい」「キスしたい」と思えるのはすごいと思いました。「自分の彼女大丈夫かな」とか「自分の担当作家を守りたい」という気持ちが本当に芽生えてそこに川上洋平はいなくなるんです。普通は菅野さん、浜辺さん、沢村一樹さん、中村雅俊さんが周りにいたら「やばい!」となるじゃないですか。それがなくならざるを得ないというか、もちろんそんな緊張があったら大変な失礼になってしまうし、自分も一人の役者として挑まなきゃいけないと思っていたので感じないようにしていたのかもしれないですけど、おのずとそこにはなかったですね。
― オファーを受けたときは、そういったシーンに対する抵抗は全然なかったですか?
川上:そこは全然ないです。やるからには、何でもやりとげたいなと思っているので。
川上洋平、漱石は「すごくピュアな人なのかな」
― 最初はサリーと付き合っていて、その後碧さんに惹かれていくということで、結構2人の女性の年齢層も違いますが、恋愛感情の流れが自然に見えるようにどのようなことに気をつけましたか?川上:彼女がいるのにも関わらず、自分の担当する小説家に惹かれていく様というのは一見すると不埒な男という印象はあったんですけど、すごくピュアな人なのかなとも思ったんです。これは僕の解釈なので分からないんですけど、やっぱりお仕事を一緒にしていて、元々水無瀬碧という小説家に憧れて編集者になったわけで、まずリスペクトの感情で惹かれていく。だから初回の「おいで」とハグを求めたのも「最近全然恋愛をしていない」という先生のために「じゃあ僕で良いから使って下さい」という意味での「おいで」だと思うんです。そこは恋愛というよりも何とかしてあげたいというマネージャーとしての愛情を濃くしたいと思いました。でも人間なので、相手に男としても魅力を感じ始めて「彼女がいるのにどうしよう」というときにサリーに振られるので、割と感情が迷子になっているキャラクターなのかなと。4、5話くらいまでは不埒に見えるけど実は恋愛と仕事は別にしたい人間なのかなというのが僕の解釈です。…なんか役者みたいなこと言いましたね(笑)。
― でもそれがリアルな感情だと思いました。
川上:そうですよね。仕事相手だけど「この人かっこいいな」と思ったときにその愛が恋愛なのか、リスペクトなのか境界線が分からなくなる瞬間は分からないでもないなと思うんです。それは女性に対してだけじゃなくて、好きなバンドに対して「この音楽、この人かっこいい」と思ったときに、本当に心の底からそのバンドに恋しちゃっているというのもあるし。音楽が好きなだけじゃなくて“人として好き”に繋がっている瞬間もあるので、女性なら恋愛に繋がっていく瞬間も、絶妙なラインであるかもしれないですよね。仕事だからって愛がないとできないじゃないですか?「川上さんだからやろう!」という方もいて下さると思うし、自分もそうだし、人間の繋がりで仕事が動いてくるということはあるので。
橘漱石は「胸キュン男子ランキング」にもランクイン
― モデルプレスが実施した「21年冬ドラマ版・胸キュン男子」ランキングでも、漱石が5位に入りました。ファンの方の反響はいかがですか?川上:いやいやいや…とんでもないです。こういう華やかなインタビューを受けることもほとんどなかったので本当に申し訳ない気持ちで、ありがとうございます、という感じです。
― 反響は届いていますか?エゴサーチとかしました?
川上:「段々上手くなっているね」という声を頂いたり。でも気にしないようにしています。
― 視聴者の皆さん、キュンキュンしていますよ。
川上:そんなことないですよ(笑)。でも北川さんを始めスタッフの皆さんが、僕の漱石というキャラクターをどういう風にお客さんに届けたいか、ボタンを外す仕草一つでもどういうところに彼の魅力があるかというのを真剣に考えて下さって、僕も演じるときに間違わないように正しく表現しなきゃなと思って演じたので、それが胸キュンというのかは分からないけど、愛されるキャラクターになっていたら嬉しいです。
※後編に続く
(modelpress編集部)
[Alexandros](アレキサンドロス)プロフィール
川上洋平(Vo,G)、磯部寛之(B,Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年に本格始動し、美しいメロディとパワフルなバンドサウンドで多くのロックファンから熱い支持を受ける。2015年にユニバーサルミュージックとグローバル契約を結び、3月にワタリドリ/Dracula La」をリリース。2021年3月17日にはベストアルバム「Where's My History?」をリリース。同アルバムにはSUBARU XVのTVCMに提供している楽曲「風になって」などが収録される。川上洋平(かわかみ・ようへい)プロフィール
6月22日生まれ、神奈川県出身。シリア育ちで(中東訛りの)英語と日本語を使い分けて歌い、攻撃的なロックナンバーだけでなく、すぐさま耳に残る甘いメロディも作り出す類稀なメロディメーカー。
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