広瀬すず/「なつぞら」(C)NHK

「なつぞら」脚本・大森寿美男インタビュー<2>広瀬すずの持つ共鳴力とは…ナレーション「なつよ」へのこだわりも明かす

2019.08.26 08:30

女優の広瀬すずがヒロイン・なつを演じるNHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)が、最終回の9月28日までいよいよ1ヶ月ほどに迫った。この度、脱稿した脚本・大森寿美男氏が、モデルプレスなどのインタビューに応じた。<2>

  

なつ(広瀬すず)を描く上で大切にしてきたこと

100作目の“朝ドラ”『なつぞら』は、戦争で両親を失いながらも北海道・十勝でたくましく育ったヒロイン・なつが、当時まだ「漫画映画」と呼ばれていたアニメーションの世界に挑む姿を描く大森氏のオリジナル作品。

広瀬すず、中川大志/「なつぞら」(C)NHK
なつは、職場・東洋動画で出会った演出家・坂場一久(中川大志)と結婚し、妊娠、そして出産…と北海道の柴田家、新宿の風車に続く“3つ目のホーム”で奮闘中。大森氏は今作をあくまで“ホームドラマ”と表現しているが、一方で、なつが自ら道を切り拓いていく“成長記”としての一面も視聴者の心を打つ要因となっている。

戦災孤児となり、血の繋がりのない柴田家に引き取られ、そこでアニメーターという夢と出会った。たくましく成長していくヒロインを描く上で、大切にしていたのは「人との関わり方、距離感」だという。

「北海道にいたときは、自分がどう生きるべきか分からず、今与えられた家族というものを大事にすることで自分のアイデンティティを守っていた。どこか(自分を)抑え込んでいたところ、健気だったところ、本音が言えないもどかしいところが、東京に出てきてからは少しずつ開放できるようになった。そこから健気さがたくましさに変わって、強い部分が出始めましたね。もどかしさが奔放に見えるようになって、人との関わり方の変化、自分を表現する変化を常に意識して書いていました」。

なつには様々な転機が訪れてきたが、結婚、出産もまた大きな転機に。「自分の家族ができて、なつの雰囲気も変わっていくので、その変化とともにまた違う広瀬すずさんの顔が見られると思います」と、その“変化”が物語を新たな方向に動かしていく…かも?

広瀬すずの持つ共鳴力、なつとの共通点…

広瀬すず/「なつぞら」(C)NHK
また、なつにはどこか喪失感があり「何か欠けている部分、欲求のままに動くことができない子」だという。

現場に顔を出すことはあまりせず、演技は基本的には広瀬に“お任せ”。それは広瀬への絶大な信頼からだろう。

そんな広瀬となつについて、大森氏は「重なる部分がある」と感じているようで「なつって根本的に孤独な人。孤独な理由は人に依存できない性格だからで、人との関わりはすごく大事にするんだけれども、踏み込んで自分のために“こうしてほしい”と言えるタイプではない。そこに、不安定な人間関係みたいなものを感じてしまうし、それはなつと共通して広瀬さんにもあるような気がする」と分析する。

それは“一人で立つ強さ”のようなもの…「人に頼らず自分だけの力で乗り切ろうとするところに、周りの俳優さんたちも共鳴しているんだろうなと。協力して、支えようという気持ちになって、それが現場の雰囲気を良くしている。広瀬さんの持つ資質となつの性格は、僕の中では分けがたいものになっているので、広瀬さんが表現するなつが正解なんだろうと思います」。

ナレーション「なつよ」へのこだわり

「なつぞら」(C)NHK
自らの力で道を拓き続けてきたなつ。彼女を支えているのは、家族や仲間たち。その中には、亡き父の存在も。

内村光良(ウッチャンナンチャン)が父役としてナレーションを担当しており、印象的なのが回終わりの「なつよ○○」というメッセージ。「大変になるだろうなと思いながら書き始めた」というその台詞は、演出の都合によってカットされることもあり、大森氏は「意地でも最後に“なつよ”をつけるから編集段階で明らかに入れない方がいいときは使わなくていいですよ」とスタッフに最初に伝えたそう。

土曜日の放送では「なつよ、来週に続けよ」と締めるが、その台詞に関しては「途中で失敗したかな?と思ったけど、やめるわけにはいかず…(笑)」と困ったように笑っていた。

「なつよ、来週に続けよ」もあと数回。最終回では「なつよ」のあとに何と続くのか…。(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】

もっと詳しくみる

あわせて読みたい

  1. 広瀬すず・星野源ら「さんまのまんま」出演

    モデルプレス

  2. 「なつぞら」脚本・大森寿美男インタビュー<1>誤算は山田裕貴の芝居が上手すぎたこと “雪次郎回”振り返る

    モデルプレス

  3. 男子が「この人と結婚するかも…」と思う瞬間5つ 将来を意識させて!

    モデルプレス for スゴ得

  4. 広瀬すず「なつぞら」クランクアップ「誇りに思います」心境を明かす

    モデルプレス

  5. 広瀬すず「LIFE!」でコント初挑戦 「なつぞら」コラボSPで内村光良&中川大志と共演

    モデルプレス

  6. 広瀬すずヒロイン朝ドラ「なつぞら」の世界を凝縮 貴重なオフショットも満載

    モデルプレス

  7. 「なつぞら」中川大志、広瀬すずは「心から尊敬する人」 なつ&坂場の結婚式ショット公開

    モデルプレス

おすすめ特集

  1. 5月のカバーモデルは映画「バジーノイズ」に出演するJO1川西拓実

    特集

  2. 「悪い、興味無いんだ」男性が脈なし女性に送るLINEの特徴4つ

    モデルプレス for スゴ得

  3. “日本一かわいい高校一年生“を決める「高一ミスコン2024」開催中!

    特集

  4. アパレル業界を覗いてみよう!おしゃれスタッフ&求人情報もチェック

    特集

  5. モデルプレス初の読者モデル誕生!

    特集

  6. 国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中

    特集

  7. 「2024年ヒット予測」発表 エンタメ・ライフスタイルなどトレンド完全予測

    特集

  8. フジテレビ × モデルプレス Presents「"素"っぴんランキング」

    特集

  9. グルメや歴史、豊かな自然に包まれる癒しの旅「鳥取女子旅」をご紹介!

    特集

  10. ABEMAで放送中! 新感覚"キャバラエティ"『CHANCE&CHANGE』

    特集

  11. インフルエンサー影響力ランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」

    特集

  12. “日本一のイケメン中学一年生”決める「中一ミスターコン2024」開催中!

    特集

  13. “日本一かわいい中学一年生“を決める「中一ミスコン2024」開催中!

    特集

  14. “日本一のイケメン高校一年生”を決める「高一ミスターコン2024」開催中!

    特集

おすすめ記事

SPECIAL NEWS

記事ランキング

RANKING

  1. 01

    【&TEAMインタビュー】ユニット&ソロ連載スタート 1st SINGLE「五月雨 (Samidare)」で新章幕開け

    モデルプレス

  2. 02

    SEVENTEENホシ、スタジアム“最高のステージ”予告 夢を叶える秘訣は「ひたむきに続けてきた結果」<「DIESEL SHIBUYA」オープニングレセプション>

    モデルプレス

  3. 03

    TEMPESTリーダーLEW、単独ツアー経て気持ちに変化 日本語ラップの苦労も克服【日本デビュー記念インタビューVol.1】

    モデルプレス

  4. 04

    K-POPグループTEMPEST(テンペスト)インタビュー連載スタート 素顔に迫る

    モデルプレス

  5. 05

    堀田真由、話題呼んだバイクシーンの裏話「ドキドキしてエンスト」北村匠海との撮影エピソードも【「アンチヒーロー」インタビュー】

    モデルプレス