「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』22人目は戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス

<女子アナの“素”っぴん/戸部洋子アナ>涙で語った人生の転機 苦悩乗り越え貫く信念【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載】

2019.08.16 17:00

「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.43~44は2003年入社の戸部洋子(とべようこ・38)アナウンサー。

  
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。

前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。

――――杉原千尋アナの後を引き継ぎ、22人目に登場するのは戸部アナ。※後編(Vol.44)は9月1日に配信予定。

2003年入社、報道・バラエティなど幅広く担当

戸部アナは2003年に入社。「めざましテレビ」「笑っていいとも!」「たけしのコマ大数学科」などを担当し、現在は「Live News it!」「ワイドナショー」ナレーションなどを務める。

戸部洋子アナ「今を生きる」アナウンサーとしての信念

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― まずは17年のアナウンサー人生を振り返って、一番辛かった出来事から教えて下さい。

戸部アナ:結婚や出産、休職なども経験しながら仕事を続けていますが、17年のアナウンサー人生で大きな挫折はあまりない?かもしれません。根がポジティブなので、辛いことがあった日も、翌日には切り替えてきました。あまり深く悩まず進んできてしまったので、これで大丈夫かなと思うこともありますが(笑)。

― ポジティブ思考なのは入社当時からですか?

戸部アナ:そうですね。とくに入社当時は夢中で駆け抜けていました。元々、すごくアナウンサーになりたくて、こう見えて小さな頃から色々な準備をしてきたタイプなんです。

小学生の時に世界を旅する番組のリポーターに憧れて、そこからアナウンサーを目指し、受験でもアナウンサーをたくさん輩出している大学を選びました。立教大学ではミスコンで運良くミスに選んでいただいたので、「アナウンサーにもなれるに違いない!努力すれば絶対なれる!」と意気揚々とフジテレビのアナウンススクールの門を叩いたのですが、スクールのオーディションに落ちてしまい…。その悔しさをバネにすごく準備をして、念願のアナウンサーになれたので、ある意味入社したときに夢が完結してしまったような感覚で。今思えば入社してからのほうが長くて大切ですよね。

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― がむしゃらにお仕事を続ける中で立ち止まるような瞬間はありましたか?

戸部アナ:3、4年目くらいの頃に、自分の仕事は中途半端なのではないかと思い悩む時期はありました。その頃初めてメイン番組をいただいたのですが、半年で番組が終わってしまい…。メインの番組をするのが目標でもあったので、ポジティブな私でも当時は泣きましたし、凹んだ時期でもありました。

― それをどのようにして乗り越えていったんですか?

戸部アナ:どんな番組でもいつか終わりはやって来るし、また次のステップに進まないといけないんだと切り替えました。

その時期に「めざましテレビ」で「ココ調」を担当していたのですが、それがものすごく楽しかったんです。アナウンサーは生放送のスタジオを担当してこそ、と思っていた時期もあったのですが、「ココ調」を通して色々なところに取材に行って、色々な方のお話を聞く、ときには泊まり込みだったり、壮大な実験を朝から晩まで雪山の中でボロボロになりながらやったり…(笑)。これこそ私が当初やりたかったリポーターの仕事だ、夢見ていた仕事ができているなと思えたんです。現場の声を聞いてそれを伝える、すごく楽しい仕事だなと。それと同時に、この仕事もいつか終わってしまう、永遠に続く番組なんてないんだという覚悟もありました。早い時期にメインの番組が終わってしまうという経験をしたからこそ生まれた覚悟だと思います。終わりがあるからこそ、この一瞬一瞬を大切にしよう、今を生きようという気持ちが生まれたんです。

戸部洋子アナ、涙で語った“人生の転機”「この仕事はもう続けられないと思った」

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― 辛かった経験が仕事との向き合い方を変える転機になったんですね。

戸部アナ:そうですね。それから、ちょうど11年前にすごく大切だった友人を海の事故でなくしてしまったということも大きな転機でした。今でも夏の季節がくると水難事故のニュースを目にするたびに胸が痛み、自分も親になって改めて水難事故防止の大切さを痛感します。

この出来事が、人生はずっと続くものではないんだと私の中で強く刻まれ、それから自分の中で色々と考えるうちに、ここで私が立ち止まってはいけない、その子の分まで私が頑張らなきゃいけないと思うようになりました。

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― そこからもう一度前を向くのは簡単なことではなかったと思います。

戸部アナ:そうですね。時間は必要でしたが、「一瞬一瞬を大切にしよう」という気持ちがより強くなって、さらに全力で仕事に打ち込むようになりました。若い頃はテレビに出たい、ただ楽しくできればよい、という気持ちが大きかったのですが、自分が楽しいだけではダメだと。自分、大切な人たちもいつどうなるかわからないと思うと、会う人に対してはすべてに全力で、ポジティブでいたい、私と会うことで少しでも楽しい一日になったと思ってもらいたい、という思いはいつも忘れないように仕事と向き合っています。ちょっと涙が出てきちゃいますね…。

涙ながらに思いを語った戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
東日本大震災が起きた時に「ココ調」で現地に7回ほど取材に行ったことも大きな経験です。震災直後で現地も大変な状態のときだったのですが、色々な方を取材して、その場面に遭った方たちにどんな言葉をかけたら寄り添えるのだろうとすごく考えさせられました。何か力になれたかわからないですが、現地の方の言葉はとても心に染みました。…すみません、涙が止まらなくて。当時を思い出すとどうしても涙が出てしまうんです。

戸部洋子アナ、結婚・出産を経て変化したアナウンサーとしてのやりがい

― アナウンサーとして様々な仕事を重ねていらっしゃる中で、結婚や出産を経て仕事に対する考え方や姿勢に変化はありましたか?

戸部アナ:大きく変わりました。支えてくれる人がいるという安心感は働く上でとても大きな力になっています。本当に「私と結婚してくれてありがとう旦那様!」という気持ちです(笑)。夫には感謝しかありません。

そんな中、なかなか子供を授からず、不妊治療などもしていたんです。アナウンス室も理解をしてくれて、仕事の環境を整えてくれたり、すごく感謝しています。ママアナウンサーがたくさんいたので、不妊治療のことも理解してくれて。2年くらい治療を続けてようやく授かったときは、それはそれは嬉しかったですね。

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― 産休から復職されるまでの不安はなかったですか?

戸部アナ:出産を経て、1年2ヶ月ほどで復職しましたが、不安は大きかったですね。自分には何ができるだろう、会社に役立てることはあるだろうかと。子育て中心になっている脳がしっかり切り替わるのかという不安もありましたが、戻ってみるとママアナウンサーの先輩が色々なアドバイスをしてくれて。新しいお仕事のチャンスもいただきました。

アナウンサーの育成の仕事も任されるようになって、アナウンサーになりたい学生たちに教える講師もしています。自分が見られる側から育てる側にシフトしていったことも大きな転換期ですね。

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
復職後すぐに任されたのが2018年の夏のイベント「ワンガン夏祭り」のPR委員会で、どうしたらイベントが盛り上がるかという若手アナウンサーの調整役をしていました。引率マネージャーとしての私の生活が始まるという(笑)。夏フェス「a-nation」では若手女性アナが踊って男性アナが和太鼓で曲を盛り上げるという大役がありまして、当初は無理だ、と…(笑)。全員のスケジュールを把握して練習を組んでというマネージャー業はすごく大変だったのですが、みんな本当に一生懸命やってくれたことには本当に感謝しています。本番では後輩の頑張っている姿を見て感動して泣くという…(笑)。自分のことではなく誰かのパフォーマンスで泣くというのは初めてだったかもしれません。それまで育休明けで何ができるだろうという不安もありましが、この体験はすごく大きくて、新しい仕事の楽しさを見つけた瞬間でもありました。自分の経験してきたことを伝えて、新人たちが私の一言でいいレポートが取れたりすると本当に嬉しいんです。

― 今年のイベント「ようこそ!! ワンガン夏祭り THE ODAIBA 2019」(~9月1日)でもPR委員をご担当されているんですよね。

戸部アナ:はい。今年も昔よりOLっぽく汗をかいて楽しくやっています(笑)。2020年はお台場も盛り上がる地域ですので、今から盛り上げていこうという意味も込めて、今年は若い方も大人の方も楽しめる企画がたくさん用意されています。「ドッキリGP」のブースは、私も子供を連れて行きたいなと思っているほど楽しいですし、今年も男性アナウンサーが筋肉ムキムキで太鼓を叩きます。それから毎朝9時30分からアナウンサーたちがカラオケをしていますのでぜひ朝からお台場に来ていただきたいですね。見どころは、かつて高橋真麻さんと共に美声二大巨頭とされた“歌姫”石本アナウンサーが復活します(笑)!

将来のアナウンサーたちへメッセージ 大切なことは「目の輝き」

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― アナウンサーの育成にも携われている戸部さんですが、どんな方と働きたいですか?アナウンサーを目指す方にメッセージをお願いします。

戸部アナ:“人間力”がある方と一緒に働きたいですね。一緒にいる人を楽しいと思わせることができるような方。学生にはぜひ「どうしてアナウンサーになりたいのか」を深いところまで突き詰めてほしいと思います。滑舌が良いとか、良い声が出るとかではなく、これまでの経験をキラキラした目で面接官に話してほしいです。面接官を楽しませていただけたら。

― 目の輝きが大切と。

戸部アナ:すごく大切です。目が輝いていて、どうしてアナウンサーになりたいのかが明確にわかっている子は、すぐにわかるんです。逆にアナトレでは目の輝きを指導するんです(笑)。「目、輝いてないよ!」と(笑)。意外と輝かせるのは難しいのですが、海外に行くでもいいですし色々な経験をして自分の引き出しを増やすと、きっと伝えたいことが大きくなって目の輝きもますはず。アナウンサーになりたい方にはぜひそんな自分だけの経験を積んでほしいですね。

戸部洋子アナの“夢を叶える秘訣”

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
― では最後に、様々な経験を重ねて、いま戸部さんが思う“夢を叶える秘訣”を教えて下さい。

戸部アナ:言葉に出して有言実行することです。夢があるというだけで素晴らしいことだと思うんです。だったら言葉に出して、どうしてその夢を叶えたいのかとことん考える。「アナウンサーになりたい」と思ったのだとしたら、どうしてアナウンサーになりたいのか。そこを突き詰めると、実はアナウンサーではなくて、違う道のほうが良いということもあると思います。“夢を叶える”ということに縛られると苦しいじゃないですか。夢に縛られず、色々な考え方をもってみることも良いと思います。

それから、夢に向かって進むことができる楽しさや喜びを忘れずにいること。夢を追えていることは幸せなことだということを忘れずにいてほしいと思います。その夢が叶った先がまた長いですから(笑)。自分だけで悩まずに、色々な人に夢を話して、色々なアドバイスを取り入れながら努力して準備する。そうすれば夢は少しずつ近づくと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

戸部洋子アナのとある一日

藤井弘輝アナ、戸部洋子アナ、生田竜聖アナ、井上清華アナ(提供写真)
朝10時出社。めざまし終わりの愉快な後輩たちと!この日井上アナは、朝のカラオケ対決でアイドルに勝利し満面の笑み!

戸部洋子アナ、長野放送の戸田山貴美アナウンサー(提供写真)
午前中、アナトレの講師として。この日は、長野放送の戸田山貴美アナウンサーの新人研修を担当。フリートークの指導!

石本沙織アナ、戸部洋子アナ、久代萌美アナ(提供写真)
お昼12時半。同期の石本アナと後輩の久代アナと、会社18階の社員食堂DAIBAにてランチ。サラダ多めの雑穀米をセレクト

新人の堀池亮介アナ、藤本万梨乃アナと(提供写真)
午後、CSR活動にて吉祥寺の保育園へ。食育活動で、うんちの王子様の巨大紙芝居を読み、子供達と一緒に最後はダンスも!

ママに戻る瞬間(提供写真)
夕方 帰宅、子どものお迎えへ。汗だくになりながらも、「ママー!」の一言で癒されます。これから夕飯、お風呂入れ、寝かしつけと第2ラウンドがスタート。まだまだ戦いは続きます笑。

戸部洋子(とべ・ようこ)プロフィール

戸部洋子アナウンサー(C)モデルプレス
生年月日:1981年2月25日/出身地:千葉県/出身大学:立教大学/血液型:B型/入社年:2003年

<担当番組>

Live News it! ナレーション
ワイドナショー ナレーション
今日から友達なれますか? ナレーション
BSフジニュース
広報ラインナップ ナレーション

「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2019-OUR SEASONS-」

2019年フジテレビ女性アナウンサーカレンダー(C)フジテレビ
昨年に続き、新美有加アナを中心としたフジテレビアナウンサー室が完全プロデュースし、各月の季節感を色濃く反映しながら日常生活の一場面を切り取った写真は、普段テレビには映らないアナウンサーの素顔が盛りだくさん。

入社8年目の竹内友佳と三田友梨佳アナウンサーを筆頭に、後輩アナウンサー全員が参加し、総勢17人が登場。フジテレビアナウンサーをより身近に感じられる内容になった。

仕様:A3変型判(縦425mm×横300mm)/縦型・壁掛けタイプ/オールカラー13ページ
販売場所:全国書店、「フジテレビショップ」ほかで2018年10月1日より販売中。


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