モデルプレスのインタビューに応じた登坂広臣(C)モデルプレス

<三代目JSB登坂広臣インタビュー>グループ再始動の2019年―“イレギュラー”なソロ活動に何を想う

2019.04.10 08:00

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの登坂広臣(32)が、モデルプレスのインタビューに応じた。登坂は、4月10日にソロアーティスト・HIROOMI TOSAKAとしてシングル「SUPERMOON」をリリース。同シングルには、劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」(4月12日公開)の主題歌に起用された「BLUE SAPPHIRE」をはじめ、計3曲が収録される。ソロとして自身初のコンプリート・アルバム「FULL MOON」をリリースし、初の全国ソロアリーナツアー「HIROOMI TOSAKA LIVE TOUR 2018 “FULL MOON”」を開催するなど、着実にキャリアを積んだ2018年――そして、2019年には、それぞれが磨き上げてきたものを集結させ、新たな三代目 J SOUL BROTHERSが始動した。ソロとグループ…2つの音楽の間で登坂が、今、抱く想いとは?

  

登坂広臣“FULL MOON”から“SUPERMOON”へ…三代目JSBの楽屋事情も!?

HIROOMI TOSAKA「SUPERMOON」ジャケット(4月10日発売予定)/画像提供:エイベックス・グループ
― 今作「SUPERMOON」は、前作「FULL MOON」から、さらなる進化を感じるタイトルにもなっていますが、まずは今作に込めた思いから教えてください。

登坂広臣:「SUPERMOON」は、あえてバランスを考えずに3曲制作しました。「FULL MOON」を経た今、また新たな形として制作させていただいたのが表題曲にもなっている「SUPERMOON」です。そして、劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」の主題歌「BLUE SAPPHIRE」、7月に開催を予定している台湾でのソロライブのタイトルにもなっている「UNDER THE MOONLIGHT」。それぞれにテーマのある新たな世界観を楽しんでいただけるシングルに仕上がったなと感じています。

― 劇場版「名探偵コナン」は春の風物詩として、毎年大きな話題を集めていますが、主題歌起用を最初に聞いたときの心境はいかがでしたか?

登坂:僕も小さい頃から観ていたアニメですし、もちろん嬉しかったですが、僕のようなダンスミュージックが主題歌に起用されているイメージがなかったので、「僕みたいなアーティストにお声をかけていただけるんだ」という率直な心境でした。最初はどういう楽曲にすればいいのか悩みましたが、今回の「名探偵コナン」は劇場版では初めて海外が舞台になっていて、「コナン」としても挑戦的なことをしていきたいという気持ちが込められている、だから僕にお声をかけていただいた、と聞いて、“自分の色”でチャレンジして良いんだなといい意味で気負うことなく、気持ちが変わったのは覚えています。

登坂広臣(C)モデルプレス
― まず映画があり、そのイメージから楽曲作りが行われたかと思いますが、今おっしゃっていた「自分の色」と映画とのバランスという点でこだわった部分は?

登坂:「BLUE SAPPHIRE」は、長年ずっと一緒にやっている仲間と話し合いながら制作を進めたんですが、脚本も読ませていただき、映画のキャラクター一人ひとりの気持ちも考えて心情を読み解きながら、歌詞に落とし込んでいきました。あとは、映画を観てくださった方々に、疾走感を味わっていただきたいなと持ったので、そのイメージと“海外”というイメージを膨らませながら作りました。“自分の色”とのバランスとしては、「SUPERMOON」の中の楽曲のひとつなので、ソロプロジェクトを象徴する“月”を歌詞に入れて、上手くクロスオーバーさせて表現していきました。一番こだわった点でいうと、どちらに偏るわけでもなく、自分の世界観を出しつつ、映画の世界観を保っていったところだと思います。

― 今回、映画を通して、初めて登坂さんの音楽に触れるという方もいらっしゃるかもしれません。

登坂:僕としてもアニメ主題歌というのは初めてなんですが、映画を観た方が「この曲で良かったな」と思ってくださったら嬉しいです。


― イラスト仕様ジャケットでは、アニメーションイラストが書き下ろされ、コナン、怪盗キッドに挟まれセンターに登坂さんが…!

登坂:まさかこんな日が来るなんて思わなかったです(笑)。すごく不思議でした。最初にジャケットを描いてくださるというお話をいただいたとき、「どういう感じがいいですか?」と聞いていただき、すごく遠慮しがちに「僕は端っこの方で大丈夫です。描いていただけるだけで充分です」とお伝えしたんですけど、まさかど真ん中に…!僕がオーダーしたわけではないんですよ(笑)?逆に「いいんですか!?」となったんですが、ご厚意でこのような形になりました。こういう機会がないと実現しないことですから、ぜひ「コナン」ファンの方も、僕のファンの方も楽しんでいただけたらいいなと思います。

― メンバーから何か反応はありましたか?

登坂:漫画好きが多いので、やっぱり「やばいね」みたいな感想はありました(笑)。

― 特にどなたがアツい反応を?

登坂:NAOTOさん、(小林)直己さんかな?2人は楽屋でもずっと漫画を読んでいるくらい、漫画好きなんですよ。がんちゃん(岩田剛典)も、(今市)隆二も、(山下)健二郎くんも漫画が好きだし、あまり読まないのは僕とELLYくらいかな。もちろん「コナン」は観てましたけど、大人になってから漫画を読んだ記憶がないので、ここ数年で流行った漫画とかは全然分からなくて。だから楽屋だと、僕とELLY以外で「あれやばいっすよね」「あれ読みました?」とか、めっちゃ話してます(笑)。そんな感じなので、あのジャケットは本当に羨ましがってくれました(笑)。

― メンバーから反響があると嬉しいですね。

登坂:直己さんとかはMusic Videoも観てくれたみたいで、「あれ、ツアーのラストから繋がってるんでしょ」とか。「あれはこう?」「これはああなの?」って本当に細かく観てくださってるんですよ。嬉しいです。


三代目JSB再始動の2019年―登坂広臣は“イレギュラー”なソロ活動に何を想う

登坂広臣(C)モデルプレス
― EXILE TRIBEでは劇場版アニメの主題歌起用は初、先程少しお話にも出てきましたが、7月20、21日に控える台湾ソロ公演もEXILE TRIBEでは初のソロアーティスト単独公演。2018年から引き続き、ソロでの挑戦が続いていますが、“初”という部分で意識することは何かありますか?

登坂:正直、初という意識はあまりなかったです。台湾で公演させていただくのも、以前映画のプロモーションで行ったときに、温かく迎えてくださって、そのときからいつかはライブがしたいと思っていたので、初と言われると「あっそうか」くらいの感覚で特別感もなく、ようやく実現できるなという気持ちの方が強いです。台湾には元々、LDHのグッズショップやEXPGもありますから、身近には感じていて。そこからは色々なタイミングの問題で2019年になった、という形です。

― 台湾公演に関しては、数年間、自分の中に温めていた企画だった?

登坂:そうですね、前からやりたいなという思いはあってスタッフの方にお話もさせていただいていました。直接行くとより気持ちが芽生えますし、自分自身、ライブが一番見てほしい部分でもあり、一番の強みと考えているので、それを現地の方にもと。

― 三代目 J SOUL BROTHERSの皆さんは2018年、ソロ活動に注力する期間としてそれぞれがパワーを蓄えてきたかと思います。そこから2019年、すでにシングル「Yes we are」をリリースし、4月13日には全国ドームツアーも開幕。その中で、ソロとしても精力的に活動を続けていくというのは、自分のプランの中にありましたか?

登坂:自分は数年先のビジョンを常に考えるタイプなんですが、実は今年のソロ活動は少しイレギュラーでした。2019年にグループとして再始動をするということは前々から決まっていて、そこに向け2018年のソロ活動があって、ソロで色々な挑戦をさせてもらって。そんな中、ありがたいことに、今回の映画主題歌のお話をいただき、「BLUE SAPPHIRE」だけをシングルとして発表することもできたんですが、自分が描いているビジョンのことを考えると、そうではなくて、一つのソロプロジェクトとして落とし込んだ方がいいんじゃないか、と今回の形になりました。

2019年は、グループ活動をするという気持ちでスタートさせましたが、せっかくお話をいただいたこのタイミングだから、前々から計画していた海外公演も実現させ、ソロ活動も思いっきり並行させていこうと、マインドが変わっていきました。グループ活動を楽しみにしてくださっているファンの方もたくさんいるので、その気持ちには応えつつ、自分の今年のプロジェクトである「SUPERMOON」も同時進行で続けていきたいと思っています。

登坂広臣(C)モデルプレス
― グループとソロ活動のスイッチの切り替えは、どのように行っていますか?

登坂:切り替えはしていると思います。とうより、切り替えないといけないな…という感覚なのかもしれないです(笑)。2018年にソロプロジェクトをやらせてもらって、その中で改めて、グループ活動の楽しさを実感しましたし、同時に大変さも感じました。その両極端があるからこそ、ソロプロジェクトがいい意味でストレス発散になっているんです。ソロだと自分の音楽のことだけを純粋に突き詰めていくことができますけど、グループとなるとバランスもありますから、自分が特化した部分のエゴを通すのではなく、第一に「グループとしてどうしたらいいか」というのが浮かんでくるんです。本当に個性の強い7人なので、こんなにまとまっているのはすごいなって思いますけど(笑)、それも皆分かっていて、誰かが引っ張るというより調和をとってグループとして何が一番最適かを考え、パフォーマンスに反映させていく。その楽しさももちろん知っていますし、そこには喜びもありますけど、ソロでの楽しさとはまた違うものなので、2019年は両方を味わうことができる年になるんじゃないかなと。

― 3月に三代目 J SOUL BROTHERSの皆さんが「Yes we are」の会見を行った際、7人の表情が“グループの顔”になっていたのが印象的でした。2018年、ソロとしてそれぞれの活動を拝見させていただていたときとは、纏う何かが違うというか…。

登坂:そうかもしれないです。だから、切り替えているかと言われると、はっきり意識はしてないんですけど、7人でいるとそう見えるというのは、やっぱり自然と切り替わっているということなんですよね。自分でも意識していないところで、変わっている気がします。

― 「Yes we are」は、三代目 J SOUL BROTHERSにとって、1年3カ月ぶりとなるシングルでしたが、制作の際、ソロ活動を経て自分がグループに“持って帰ってきたもの”として特に実感したものは何でしたか?

登坂:ソロとして自分で音楽を制作してきた経験が、音楽的な部分の感覚というものをより育ててくれたので、それは活かすことができたかなと思いました。ただ、その分、「グループとして久々に発表する曲は何がいいのか」という点については悩みもあって、たくさんの楽曲を聴いて「ソロだとこうだけど、グループだとこうだよな」「この曲だとパフォーマーが踊れないよな」とか、ソロ活動があったからこその迷いもありました。

2018年は、それぞれグループから離れて活動していたので、「Yes we are」で7人とも久々にグループのことを考えたと思うんですよね。どんな曲をやっていたのか、前と同じことをやってもしょうがない、でもどこまで攻めていいのか…みたいな塩梅は難しかったです。たくさん提案もさせていただきましたし、それはソロ活動を経た、今のタイミングだからこそだったなと思います。

― 大きな収穫があった2018年だったことが伺えます。では、最後になりますが、モデルプレス読者にメッセージをお願いします。

登坂:今回の「SUPERMOON」は、今自分がやりたい音楽というのを詰め込んだシングルになっています。聴きながら盛り上がってくれたら嬉しいですし、この曲の先にある僕のソロプロジェクトのストーリーの展開を待ち望んでくれたらと思います。

― インタビューは以上になります。ありがとうございました。

登坂広臣(C)モデルプレス
ソロアーティストとしての地位を確立させた2018年。その経験は登坂にとって、想像以上に大きなものだったのかもしれない。成長は自信へ、そして、“FULL MOON”から“SUPERMOON”へ…満ち足りた月が、より強い光を放っていく。「SUPERMOON」には、さらにその先の可能性を感じさせる光が宿っている。(modelpress編集部)


登坂広臣(C)モデルプレス

登坂広臣(とさか・ひろおみ)プロフィール

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのヴォーカル。2014年には映画初出演となった「ホットロード」で、第38回日本アカデミー賞、第69回毎日映画コンクール、第39回報知映画賞、第24回日本映画批評家大賞などの各新人俳優賞を受賞し、華々しい俳優デビューを飾った。2019年2月には中条あやみとW主演を務めた映画「雪の華」が公開された。

また、2017年7月からはHIROOMI TOSAKAとしてソロプロジェクトも始動。2018年は、自身初のコンプリート・アルバム『FULL MOON』(ヨミ:フルムーン)(2018年8月8日リリース)を引っさげ、初の全国ソロアリーナツアー「HIROOMI TOSAKA LIVE TOUR 2018 “FULL MOON”」を開催。ライブビューイングも含めて26万人を動員。2019年は、4月10日にシングル「SUPERMOON」をリリースしたほか、7月20・21日に台湾・台北市で自身初の海外公演となる「HIROOMI TOSAKA 台北演唱會 2019 SUPERMOON ~UNDER THE MOONLIGHT~」を開催する。

グループとしては、3月13日にシングル「Yes we are」をリリース。4月13日には全国5大ドームツアー「三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2019 “RAISE THE FLAG”」をスタートさせ、全15公演で70万人の動員を予定している。

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