モデルプレスのインタビューに応じた伊藤健太郎 (C)モデルプレス

伊藤健太郎、童貞役は「楽しい」 秀逸演技の裏に日頃の役作り…「年上といるとちょっと甘える」素顔も<「この恋はツミなのか!?」インタビュー前編>

2018.11.30 07:00

俳優の伊藤健太郎(いとう・けんたろう/21)が、インタビューに応じた。AKB48NGT48柏木由紀とともにW主演するドラマイズム『この恋はツミなのか!?』(MBS12月2日より毎週日曜深夜24:50~/TBS12月4日より毎週火曜25:28~/全4話)がまもなく放送スタート。今作は、恋愛経験なしでコミュ障気味の冴えないサラリーマンの童貞男子・小日向大河(こひなたたいが・24/伊藤)と童顔で巨乳の癒し系だが、実はプロの将棋指しという駒田多恵(こまだたえ・32/柏木)の“ツミ”気味の格差恋愛ストーリー。伊藤といえば、現在放送中のドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)ではトンガリ頭のヤンキーを熱演中だが、その枠にはまらない幅広い演技力はすでに知られるところである。パンツ目撃シーンなどお色気要素もある今作では、ヤンキーとは真逆の、スーツにメガネ姿のプログラマー役として、コメディアンぶりをいかんなく発揮。インタビュー前編では、役作りや現場のエピソードを聞いた。

  

伊藤健太郎、柏木由紀とのパンツ目撃シーンで想定外のリアクション

― 最初に原作を読まれたときの感想を教えて下さい。

将棋を題材にした作品は、いくつかあるので、恋ツミはどういう感じなんだろう?と思って読ませて頂きました。童貞の男の子役を何作品か続けてやらせて頂いているんですけど(笑)、冴えない感じとか、「そうこじれる?」みたいな行動をとるところがすごく演じていて好きなので、この作品もインするのが楽しみでした。

(左から)柏木由紀、伊藤健太郎(C)「この恋はツミなのか!?」製作委員会・MBS
― 実際に演じてみていかがでしたでしょうか?

めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。今回原作に忠実にということはそこまで考えなくて現場で監督と話しながら、コメディ部分は思いっきりふざけてやってみたり、多恵さんとのシーンで胸が体に当たるシーンの表情1つもそうなんですけど、すごく考えて演じました。

― 柏木さんもパンツ目撃シーンはミリ単位で相談するほど、細かく再現したそうですが、健太郎さんのリアクションも「めちゃくちゃ面白かった」とおっしゃっていました。

嬉しいです(笑)。観て頂ければ分かると思いますが、僕がトイレから出てきたら、多恵さんのパンツがえらいことになっているんですけど、さらに横を見たらトイレの構造で大きな穴が(ジェスチャーで表現)開いているんですよ。それが僕から見るともうお尻の形にしか見えなくて「あれ?お尻?」みたいなことをやっていました。奇跡的にそこがマッチしたのでぜひ注目して欲しいです。

(左から)柏木由紀、伊藤健太郎/1話衝撃のパンツ目撃シーン(C)「この恋はツミなのか!?」製作委員会・MBS
― そのシーンのリアクションで心がけたことや意識されたことを教えて下さい。

大河みたいなタイプの童貞の方は、女性の下着や胸を見たときにどんな反応をするんだろうな?と考えたときに、「きっとすごくごまかすんだろうな」と思ったんですよね。だからもう全力でいかにごまかしきるかを研究して演じました。

― そういうシーンは柏木さんと現場で「恥ずかしいね」という空気にはならないですか?

僕はなかったんですけど、柏木さんはあったのかな?

― 柏木さんも「全然なかった」とおっしゃっていました。

あ、じゃあなかったです(笑)。

― ちなみにご自身が実際に同じシチュエーションに出会ったらどうしますか?

えー!それはでも見ちゃいますよね(笑)。下心の前に多分その状況に「ええ?」となってすごく見てしまうと思います。原作通りだと思うんですけど、スカートの入り方がすごいので、「何で気づかないで出てきちゃったのかな」とか「なんて伝えればいいんだろう?」とか色々疑問に思うかと。

― 最初の出会いの、満員電車の中で谷間を押し付けられるシーンはもし実際にあったら?

とにかく、僕は仕事柄もありますので、まず痴漢と言われないように(笑)。とりあえず両手でつり革を掴みますけど、痴漢に間違われない作戦を考えます。

伊藤健太郎、柏木由紀/1話より(C)「この恋はツミなのか!?」製作委員会・MBS
― 多恵さんみたいな女性はどこが魅力だと思いますか?

天然という言葉が合っているのか分からないですが、抜けている部分がすごくあるので、そういうところが危なかっしくて色々事件にも繋がるんですけど、そこは1つ魅力なのではないかなと思います。

― しかも1日2回も会うって運命を感じますよね。運命は信じますか?

運命信じますよ。

― あんな出会いがあったら?

あんな出会いがあったら、それはもう好きですよね。そのときは好きじゃなかったとしても「なんで今日2回も会っちゃったんだろう?」と気は惹かれると思います。

― 伊藤さん自身は多恵のような天然すぎる女性はどうですか?

僕自身は正直言うと合わない気がします(笑)。たまになら良いんですけど天然すぎると、「ん?どうした?」と突っ込みたくなってしまうので。

― 大河は多恵に恋してすごく変わっていきますが、恋の力で変わっていくのは共感できますか?

そこまで大きく変わるということはないんですけど、好きな人のために変わりたいとか、こうしてあげたいああしてあげたいという気持ちはすごく分かりますね。

伊藤健太郎、現場ではアドリブ連発

伊藤健太郎 (C)モデルプレス
― 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

今回は撮影期間も短くてスタッフさんも含めて体力勝負なところもあったので、皆でとにかく笑いまくっていました。作品の色もあって気づけば皆どこかで下ネタを話してゲラゲラ笑ったり。そこから「これ使えるんじゃない?」と生まれることもありました。

― 柏木さんが伊藤さんが台本にないアドリブを連発していて笑いを堪えるのが大変だったとおっしゃっていました。

…(笑)。あの、まあ、やったといえばやったんですけど、監督がカットをかけないのでもうやるしかないと思って、むちゃくちゃやりまくっていました。監督が後から「もうカットかけたくない」と言ってくれたのは嬉しいなと思いました(笑)。

― 柏木さんいわく、アドリブが続くから監督がカットをかけなかったと。

両方だと思います(笑)。

― 何かの影響を受けたと。

そうです(笑)。元々コメディを観るのもやるのもすごく好きではあるんですけど、その直前にコメディドラマをやっていたので、そういう影響もありました。

― 現場の影響は受けやすい方ですか?

うーん、どうなんでしょうか…受けやすい方なのかもしれないです。昔は観ていた映画の登場人物に憧れたり。ジョニー・デップさんがすごく好きで、中高生のときはファッションを真似したりしていました。

― 今回の役柄はセリフ量が膨大だったとお聞きしたんですが、苦労されましたか?

セリフがすごく多いシーンが結構ありました。大河としてはスラッーと喋った方が面白いなというのもあったので、あまり息継ぎもしないで、一連でバッーと言うようにしました。苦労というよりは「セリフ多かったな、覚えたな」と思います。隅っこでずっとぶつぶつぶつぶつ言っていました。

伊藤健太郎 (C)モデルプレス
― 普段タイトなスケジュールでどういう風にセリフを覚えていますか?

それがいつ覚えていたのか分からないんですよね(笑)。「いつ覚えてたんだっけな?」と。寝ると割と覚えるので家に帰って寝る前にバッーと見て。寝ないと全然入っていないんです。長い方が割と入るというか、一言とか短いセリフの方が苦手で、それこそ「うん、分かった」の一言が何回見ても入らないときが結構あるんです。

― ビジュアル的に役作りした部分はありますか?

やっぱりメガネが1つの大きなポイントでもあると思います。あと、髪型も性格的になるべくベタッとした感じで毛先を遊ばせないけど、性格的には几帳面なので一応とかしたんだろうな、という感じにしました。

伊藤健太郎、童貞役のオファーが多い?

童貞サラリーマン役もハマる伊藤健太郎(C)「この恋はツミなのか!?」製作委員会・MBS
― 先程もおっしゃっていたんですが、今回みたいな童貞というか女性に慣れていない男性の役は多い印象です。ご自身ではオファーが多いのはなぜだと思いますか?

でも、ほぼMBSさんなんです。

一同:(笑)

何か思われているのかなと、分からないですけど(笑)。でも僕もそういった役柄を演じるのが好きで楽しいので嬉しいです。

― すごくそういった演技もお上手だなと思うんですが、段々数をこなしていく内に得意になっていったんでしょうか?それとも最初から?

こういう役が来る前から、1人で家で童貞の役とか演じることはしていたんですよ。

― 家でシミュレーションされるんですか?

こういった役に限らず「こんな役をやってみたいな」というのがあったらやってみる内の1つに童貞役がありました。それこそヲタク気質な方とか特徴的な人物は、ヒントが多い役の1つでもあるので、よく演じていました。

― シミュレーションは自分の妄想とかイメージで進めるんですか?

妄想してやることもあるし、自分が観ていた映画から、「なるほどな、こういうのか」と取り入れることもあります。ジム・キャリーさんの映画も好きで、そういう役が結構多いので真似したり。がっつり「よし、今から練習するぞ!」と始めるわけではないんですけど、ボーッとぶつぶつセリフを言ってみるとかそういうことをします。

伊藤健太郎 (C)モデルプレス
― 海外の映画を観て勉強されることは多いんですか?

そうですね。単純に映画が好きで、海外の作品をよく観ます。

― ジョニー・デップさんやジム・キャリーさん以外に憧れている方は?

沢山います。ハビエル・バルデムさんはよく名前出させて頂くんですけど、リヴァー・フェニックスさんとか、いっぱいいます。

伊藤健太郎、柏木由紀の印象は?年上といると「ちょっと甘えると思います」

― 今回作品ではすごくアクシデント続きだと思うんですけど、最近健太郎さんに起きたアクシデントとか予期せぬ出来事などがあれば教えて下さい。

寝ているときに初めて足をつりました。深夜2時くらいに左足のふくらはぎをつって、うわーとなって、でも寝ぼけていたので、伸ばすこともせずそのまま寝たんですよ。で、まあまあ時間経って起きてもまだつり続けていて。その日は撮影でしたが、痛くて朝歩けないぐらいで、伸ばしながら撮影し続けていたというアクシデントはありました。かなりびっくりしました。

一同:(笑)

― 現場で柏木さんとは合間にどんなお話をされましたか?

リアルな大河と多恵さんの年齢差と僕と柏木さんの年齢差がほぼ一緒なんですよ。なので、歳も割と離れているので「大丈夫かな?」というのは最初ありました。でも、すごく笑って下さるというか、ご自分でもおっしゃっていたんですけど、割と笑い上戸らしくて僕があんまり面白くないようなこと言っても笑ってくれたので、そのおかげで結構話せるようにもなりましたし、“お姉ちゃん”みたいな感じでした(笑)。

柏木由紀(C)「この恋はツミなのか!?」製作委員会・MBS
― 柏木さんも年下の男の子として健太郎さんが「すごく可愛い」とおっしゃっていました。

嬉しいです(笑)。だいぶ気さくな感じで喋って下さったのですごくありがたかったですね。

― 会われる前はどういう印象を抱いていましたか?

やっぱり“AKB48柏木由紀さん”というのが一番僕の中では印象が強かったです。でも現場では良い意味で“女優さん”として居て下さったので、声をかけやすかったです。アイドルの方だと「喋りかけない方が良いのかな?」とか色々考えちゃったんですけど、そんなこともなかったので、すごくありがたかったです。

― ちなみにAKB48さんの中で推しメンは誰ですか?

推しメンですか(笑)?柏木さんですよ。昔小学生のときにお祭りのくじで柏木さんのポスターが当たったことがあるんですよ。

一同:(笑)

― 年上の女性は友達としても付き合いやすいですか?女性として一番居心地がいいのは年上年下同年代だとどこ?

年上の方ですかね。小さいときから大人の人たちと一緒にいることがすごく多かったので、やっぱり上の人といると落ち着きますね。

― 年上の方といるとどんな風になるんですか?

うーん、どうなんですかね?女性にも男性にも共通すると思うんですけど、多分ちょっと甘えると思います。やっぱり同年代とか年下だったらちょっとしっかりしなきゃなという部分があるんですけど、年上の方たちといると、それがすっとなくなるので、気持ち的な面でもそうですけど、ちょっと甘えられる部分が増えるかなと思いますね。

― 最後に視聴者にメッセージをお願いします。

本当に笑える作品で僕も思いっきりふざけさせてもらったので、くだらないと思いながら笑って頂きたいです。仕事に疲れて帰ってきてちょっと気持ちが楽になれるというか、この放送中の30分だけは何も考えずにボーッと観てもらえるそんな作品だと思うので、疲れを吹き飛ばしてもらえたらなと思います。

伊藤健太郎 (C)モデルプレス
※今年1年の俳優業を振り返り、ファンへの思いを語ってくれたインタビュー後編へ続く。(modelpress編集部)


「この恋はツミなのか!?」第1話あらすじ

IT企業でプログラマーとして勤める小日向大河(伊藤健太郎)。生まれてこのかた恋愛経験はなく、友達もほとんどいない。他人にも興味がなく、ただ毎日を、淡々と平和に生きてきた。ある日の朝、満員の通勤バスの急ブレーキでバランスを崩し、前に立っていた女性(柏木由紀)の胸に顔を押し付けてしまう。“単なるラッキーな事故”で終わらせるはずが、大河の頭にはその女性のことばかり。その夜、居酒屋で今朝の女性とばったり再会!しかも今度は彼女のスカートがまくれ、パンツが丸見えになっていた…!気まずそうに顔を伏せるその女性の名前は駒田多恵(24)。アクシデント続きの出会いによって、大河は生まれて初めての恋に落ちることになり…!?

伊藤健太郎(いとう・けんたろう)プロフィール

1997年6月30日生まれ、東京都出身。身長179cm。2014年にドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で俳優デビュー。以降、ドラマ『学校のカイダン』(2015)、『トランジットガールズ』(2015)、『仰げば尊し』(2016)、『アシガール』(2017)、映画『俺物語!!』(2015)、『ミュージアム』(2016)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017)、『デメキン』(2017)などに出演。2018年は映画『ルームロンダリング』、『コーヒーが冷めないうちに』、『覚悟はいいかそこの女子。』、『ういらぶ。』など多数の作品が公開されたほか、連続ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が放送中で、『LIFEスペシャル 忍べ!右左エ門』、『アシガールSP~超時空ラブコメ再び~』(NHK総合)の放送も控える。『健太郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』パーソナリティ(ニッポン放送で月1回、土曜27時~)、『ムビふぁぼ』(TBSで月1回、月曜深夜24時58分~)MCを担当。21歳の誕生日である6月30日に健太郎から本名に改名した。

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