松嶋菜々子の“夢を叶える秘訣”「後悔がないこと」の大切さ、子育て・仕事への考え<モデルプレスインタビュー>
2018.10.05 06:00
テレビ朝日系ドラマスペシャル『誘拐法廷~セブンデイズ~』(10月7日よる9時~)にて主演を務める松嶋菜々子(まつしま・ななこ/44)。結婚、出産を経て、今も働く女性として輝き続ける松嶋が今回演じるのは娘を守るために奔走する弁護士。モデルプレスは撮影の様子や自身の子育て、夢を叶える秘訣について話を聞いた。
誘拐法廷~セブンデイズ~
同作は2007年に公開された韓国のヒット映画『セブンデイズ』の日本版で、“母性”と“倫理”、さらに“無数のどんでん返し”がめまぐるしく交錯する7日間のノンストップサスペンス。敏腕女弁護士・天吹芽依子(松嶋)の一人娘が誘拐されるという衝撃の展開から始まり、瞬く間に“前代未聞の事件”へと発展していく。松嶋菜々子、娘を誘拐される母親に
― まずドラマのお話を聞いた時の感想から教えて下さい。松嶋:自分の子どもが誘拐されることを想像すると精神的に耐えられないな、と感じましたし、その緊迫感を映像にするのは難しいだろうな、と思いました。
― 原作はご覧になりましたか?
松嶋:原作は観ていません。シーンなど全く同じではないので、まずは観ずに自分なりに作り上げて、作品を撮り終えてから観ようと思っています。
この作品に限らず、原作は事前に観たり読んだりしないんです。シーンとシーンの間は演じる側の表情でつながっていきますが、原作を深く読みこんでしまうと、演じる時にかえって表情が複雑になってしまう。そうすると、伝わるものも複雑になってしまう気がして。私は、その作品の台本のストーリーを観ている方に分かりやすく伝えることが大事だと思っているので、原作を読みこむよりも、台本で一本筋を通すには、そのシーンをどうするか、を考えるようにしています。
― なるほど。今回は母親役ですが、松嶋さんも同じ母親だからこそ、心情的に共感するところだったり重なるところだったり、何かありましたか?
松嶋:そうですね。劇中で「忙しくても、子どもとちゃんと接すれば良かった」という回想があるんですが、仕事を持つ母として、そういう部分の気持ちは分かります。
― 実際にそういった後悔があったんですか?
松嶋:いえ、後悔はしていません。「後悔」と言ってしまうと、子どもに対しても自分に対しても、立ち戻りたい時間になってしまうので「良い時間だった」「実のある時間だった」と思うようにしています。
― 松嶋さんといえば、本当にお綺麗で上品なイメージが強いんですが、お子さんに怒ることはあるんですか?
松嶋:ありますよ(笑)。もちろん怒ったり叱ったりします。はたから見たら怒鳴っているかも(笑)。人に対してこんなに本気で怒れるなんて、本当に独身時代の自分には想像できなかったです。
― 意外です。お子さんと一緒に松嶋さんの作品を観ることはあるんですか?
松嶋:あまり観ないですね。でも以前、戦争を題材にしたドラマに出させていただいた時に「観たら良いと思うよ」と提案したら、その時は観ていましたね。
松嶋菜々子、家庭と仕事を両立出来る理由
― 子育てしながら、女優としても第一線で活躍される松嶋さんですが、なぜ両方ともそんなに頑張れるんでしょうか?そもそも「頑張っている」という意識はあるんですか?松嶋:頑張っていますよ(笑)!日々、頑張っている意識はあります。ですが、そもそも完璧に出来るとは思っていないですし、周りのサポートがなければ、ここまで出来ていないと思うので、私は恵まれていると思います。家族が仕事を応援してくれている部分も大きいですね。
― お仕事も家庭も頑張る、というのは、10代、20代の頃から思っていたことなんですか?
松嶋:いいえ。私はあまり「先々こうしていこう」と決めているタイプではないんです。最初にモデルにスカウトされた時から始まり役者に転身したのも流れの中ですし。もちろん、その中でお仕事を順調にいただけているのは、ありがたいことだと思っています。20代の時は「ひとつひとつの期待に応えられるようにやりたい」と思って、ひたすら目の前のお仕事に向かってきました。「なん歳で結婚したい」とか「結婚したら、仕事はこういう風にしたい」とかは、あまり考えていなかったですね。その時その時の状況で、いかに今を、自分が満足出来るように歩むかを考えてきたので、5年、10年先のことは考えていませんでした。
― その姿勢は今も変わらずですか?
松嶋:そうですね、今も変わりません。状況や環境は変わり続けるので、目標を決めてしまうと、自分が辛くなると思うんです。なので目の前にある問題に対して、上手く解決出来るように一生懸命、取り組んだ方が良いと思っています。
― 今、松嶋さんの目の前にある問題は何ですか?
松嶋:この作品を怪我無く、無事にオールアップすることですね。今回の現場では火あぶりにされたり、ものすごく走ったり…この間も150メートルくらいを何本もダッシュしたんですよ(笑)。「この年齢でこんなにダッシュ出来るんだ」と思いました(笑)。
松嶋菜々子、変わらぬ美の秘訣は?
― ハードな撮影だったんですね(笑)。お忙しい分、不規則な生活になるかと思うのですが、そんな中でも美しさを保つ秘訣を教えて下さい。松嶋:この仕事は撮影が連日なので、思っているよりも体力をすごく使うし疲れが蓄積されやすいんです。なので、体力を落とさず、健康でいることが美しさにも繋がると思いますね。そのためにもなるべく身体を動かすようにしようと、ジムに行ってマシーンで歩いたり、トレーナーさんと筋トレをしたりして、汗を流しています。そうすると対処法が身につくので。
― 対処法?
松嶋:例えば、指をぶつけたり、脚を捻挫したりした時は氷嚢(ひょうのう)で冷やす、氷水でキンキンになるまで冷やすのが良いそうです。他にも、夏の間は、水だけを飲んでいるとナトリウムが足りなくなるので、プラスで塩分を摂る、とか。筋トレ後や筋肉を使った撮影の後には、お湯と水に交互に浸かる交代浴をすれば、血流が良くなって筋肉痛が和らぐとか。たんぱく質をたくさん摂ると筋肉が作られて良いとか…そういった知識がどんどん入ってくるので、体調維持に効果があると思います。
― そうなんですね。では本作の見どころをお願いします。
松嶋:娘を誘拐され人質にとられた母親が、弁護士として無罪をとるために1週間の期限で頑張る、というストーリーなんですが、この1週間、本当に濃密な時間を過ごします。次から次へと、どんどん展開していき、息を付く間もないほどあっという間に2時間経ってしまうような作品にしたいと思いますので、是非楽しんで下さい。
松嶋菜々子の夢を叶える秘訣
― 最後に夢に向かって頑張っているモデルプレス読者に向けて、松嶋さんの夢を叶える秘訣を教えてください。松嶋:努力は裏切らないと信じています。なので自分が到達しようと思った目標に対しては、目の前のことに全力で向き合えば叶うと思うんです。それで、自分が決めた目標をもしも超えられなかったとしても、必ず次が見えてくる。「このやり方でやりきったけど、何か足りなかったんだ。じゃあ次はこうしてみよう」と他の方法が考えられる。
自分で感じている努力の限界ラインに対して「ちょっと無理そうだから、もう少し下で…」とやりきる前から下げてしまうと、いつまで経っても次の目標が見えないと思うので、常に自分が1番難しいと思う目標を決めたら、そこに向かってひたすら邁進して、疑いを持たずに今できる限りの考えたことをやりきることが大事。もちろん、その中で「あれも大事だし、これも大事」と迷ったり、焦ったりすることはあると思いますが、そういう時ほど、最初の1番高い目標を思い出す。
私は「後悔がないこと」がすごく大事だと思っているんです。「あの頃に戻りたい」「あれをやり直したい」と思わない人生にしたい。そのために、私も焦らず色んなことを考え過ぎずに、目の前のことをひとつずつやりきるようにしています。
― 素敵なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
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