モデルプレス×映画『四月は君の嘘』リレーインタビュー連載Vol.4(最終回):広瀬すず(C)モデルプレス

広瀬すず「ブレないこと。自分の意志だけは強く持っていたい」/『四月は君の嘘』リレーインタビュー【最終回】

2016.09.09 12:00

モデルプレス×映画『四月は君の嘘』(9月10日公開)のリレーインタビュー企画(全4回)、ラストを飾るのは広瀬すずさん(18)。ある時は全校生徒を前にスピーチをし、またある時は汗だくでかるたを取る……“女優・広瀬すず”が爆発的とも言うべきエネルギーを秘めた女の子を演じることが多いのは、彼女自身が少なからずその要素を持っていて、それが最大の魅力であるからかもしれません。今回、『四月は君の嘘』で演じた宮園かをりも、とびきり輝くエネルギーを放つ“唯一無二”の女の子。思わず「もうやだ~」と弱音を吐いてしまうほど辛かった半年間にわたるヴァイオリン特訓、それを乗り越えて知った初めての感覚……そしてW主演の山崎賢人 (※「崎」は正式には「たつさき」)さんと“波長ぴったり”で過ごした現場での出来事も楽しげに振り返ってくれました。

  
新川直司氏による同名人気コミックを『僕の初恋をキミに捧ぐ』(09)、『潔く柔く』(13)の新城毅彦監督が実写映画化。母の死を境にピアノが弾けなくなってしまった元天才ピアニストの有馬公生(山崎)が、自由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをり(広瀬)との出会いをきっかけに、ピアノと母の思い出に再び向き合う姿を描いた青春音楽ラブストーリー。

原作から感じたのは「人から生まれる色」「声には出ない感情」

“カラフル”というのは、原作を読んで一番に感じたこと。今までにない不思議な感覚の作品でした。映像だと実際に鮮やかな色や光を表現できますが、そういうことではなくて、私が原作から感じたのは“人から生まれる色”。それがあるからこそ、すごく繊細で、青春ならではの可愛らしさがありながら、「残酷」という感情が生まれる瞬間もある。そこは私たちが実写化させてもらう上で、しっかりと表現しなければいけない部分だと感じました。

それとモノローグが意外と多いのも印象的でした。声には出ない感情がたくさんあるんです。同級生の4人それぞれが10代という年齢では抱えきれないものを抱えていて、出会う人々やまわりの空気、環境に支えられながら生きている。それは私たちも撮影の現場で同じように感じていかなければならないものだなと思いました。

“かをりらしい”一言「君は忘れられるの?」

近づくのが一番大変そうだと思った…かをりの役作り(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
原作の漫画やアニメを観ると、かをりは“キャラクター”という感じが強かったので、正直「私にできるのか」ってものすごく不安でした。近づくのが一番大変そうな役だなって。

漫画もアニメもたくさんの人に愛されているから、ファンの方々の中にはそれぞれの“宮園かをり”が1人、生きている。そのプレッシャーもあり、すごく難しかったんですけど、そこは無理にリアリティをつけようとするんじゃなくて、幻想的に見てもらえればと思いながら演じていました。意識していたのは、全身で動くこと。そうしないとお人形みたいに見えてしまうので、普通の女の子だけど全身で動こう、笑っていよう、というのは強く心がけた部分です。

かをりは好奇心旺盛なぶん、人一倍、音や空気を感じている人。落ち込んでいる公生にかけた「君は忘れられるの?」という言葉が、かをりのそんな一面を表している気がして、すごく印象的でした。

苦手だった音楽…ヴァイオリン練習は「辛すぎて、もうやだ~」

ヴァイオリンの演奏シーンは圧巻の仕上がり(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
ずっとスポーツしかやってこなかったので、音楽には苦手意識がありました。日常の中で音楽を聴くことも少なくて、みんなが聴いたことのある有名な曲でもタイトルがわからないほど。もちろん楽器を弾いてみようと思ったこともなかったので、今回、ヴァイオリンの練習を撮影の半年前から始めて…やられてました、色々。「チーン」って感じ(笑)。

弓を下にひく時に、この指とこの指でここを押さえる…というところから始まり、とにかく地道な練習の繰り返しで、出来ないことが何時間やっても出来ない。自分が出来ないことに対して「意味わかんない!」って常に半ギレ状態でした(笑)。そんな気持ちのまま、ほぼ毎日練習をしていたので、辛すぎて「もうやだ~(泣)」って。これまで作品で挑戦したものの中でも一番難しかったです。

音楽で心を通わせる(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
それでもいざ演奏シーンの撮影をしてみると、楽器のリズムに酔える瞬間が「本当に楽しい!」って思えて。今はもう触っていないのが寂しいなって思うくらい、ヴァイオリンが好きになったんです。

真面目にやって、はっちゃけて…メリハリが心地よい4人

賢人くんとは今回が初共演です。それまでは、やっぱり少女漫画に出てくるような爽やかなイメージがありました。初対面は2人で本読みをした日なんですけど、その時はお互い色々忙しかったのか、なんとなくどんよりしていたような(笑)。2人とも人見知りだし、全然しゃべれなくて。

撮影を進めていくうちに、波長がものすごく合うことに気づいたんです。テンションが一緒だから、似ているところや、共有出来る部分が多いんですね。真面目な話もすれば、めっちゃふざける時もあって、演奏のシーンが終わった後も、しばらく帰らずに控室で音楽をかけて踊ったりして(笑)。「イェーイ!」ってはっちゃける瞬間があって、盛り上がっていました。

ぴったりと合った波長、2人の空気感(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
私服もよくかぶりました。2人してスカジャンみたいなのを着ていた日は、私が緑で、賢人くんが赤。中に着ている白のトップスに黒のパンツまで一緒!なんてことがあったので、「ペアルックみたいじゃん。ちょっとランウェイ歩こうぜ!」って、ランウェイを歩くモデルさんごっこをしてみたり(笑)。メイクさんに動画を撮ってもらって。お互い古着が好きなのもあって、よくその話もしていました。

キラキラの青春を駆け抜ける(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
(中川)大志くんや(石井)杏奈ちゃんも含めて、4人ですごく仲良くなれた現場でした。大志くんと杏奈ちゃんは同い年だから、親近感のわき方がすごかった(笑)。大志くんはずっとCMなどで一緒で、仲のいい共通の友達も多かったので、相変わらずテンションの高い、明るい人だなって。現場でも賢人くんとムードメーカー的な存在でいてくれたのが楽しかったです。杏奈ちゃんも「大人しいのかな?」って思っていたけど、終わる頃には「意外と一番ネジがはずれてるのは杏奈ちゃんなんじゃないか?!」なんて話も出るほど(笑)。可愛くて、毎日癒やされていました。

「ブレない意志」で前へ、前へ

大切にしているのは…ブレないこと(C)モデルプレス
限られた時間の中で、“自分の殻を破ろう”と決めたかをりには共感できます。私も「よしっ!」って思った時は、全力で変えていきたい。自分の思った方向にバーッと進んで行くタイプだから。

大切にしているのは…ブレないこと。それはお仕事に限らず、日常生活でも自分の意志だけは強く持っていたいと思うんです。まわりから言われた通りに動くのではなく、きちんと自分でも考えて行動したいと思っています。もちろんまわりの方からアドバイスも頂きながら、進んで行きたいです。

広瀬すずの「1曲」― SMAP『世界に一つだけの花』

人生で初めて覚えた曲は…(C)モデルプレス
ある1曲に母親との思い出を重ねた公生。広瀬さんにも、そんな1曲はありますか―?

「人生で初めて覚えた曲が『世界に一つだけの花』でした。卒園式で歌ったんですけど、この曲を歌うって決まった時、私以外全員完璧に歌えていてビックリした思い出があります。私は聴いたことはあったけど歌えなかったので、ラジカセを買ってもらって、毎日車で何十回も聴いて練習して。当時ものすごく努力した、思い出深い一曲です」

質問リレー!山崎賢人から「すずに聞いてみたいこと」

山崎賢人(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
広瀬すず(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
賢人「すずが思う、ヴァイオリンの魅力とは?」

すず「何百種類以上の音があるから、すごく繊細で、いろんな音が重なったきれいな音楽ができるところ。それと弾いている人の姿勢も。胸を張ったり、弓の角度での美しさもあるから、そこがすごく魅力的だと思います」

賢人「もし、すずがかをりの立場だったら、『嘘』をつきますか?」

すず「つきません!そこまで器用じゃないのでバレちゃいそうだし、本当のことを言っちゃうと思う」

賢人「身長はまだ伸びてますか?(笑)」

すず「伸びてません!(笑)最近『こんなに身長違うっけ?』ってよく話してるね。私がヒールを履いても全然小さいから、『あれ?おかしいなぁ』って(笑)」

――― 4週にわたってキャスト陣の熱き想いをお届けしたリレーインタビュー連載はこれで終了。『四月は君の嘘』の物語に心を重ね合わせる時間は、あなたにとって「今、この瞬間をどう生きるか」を改めて考える素敵な機会となるはず。(modelpress編集部)

広瀬すず(ひろせ・すず)

広瀬すず(C)モデルプレス
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年に雑誌「Seventeen」の専属モデルとなり、13年、ドラマ「幽かな彼女」で女優デビュー。15年、「学校のカイダン」でドラマ初主演。映画『海街diary』(15)で日本アカデミー賞新人俳優賞他、数々の賞を受賞。『ちはやふる-上の句・下の句-』(16)で映画単独初主演を果たした。今後の公開作に『怒り』(16)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17年公開予定)などがある。

『四月は君の嘘』(2016年9月10日公開)

『四月は君の嘘』2016年9月10日公開(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
監督:新城毅彦
原作:新川直司『四月は君の嘘』(講談社「月刊少年マガジン」所載)
脚本:龍居由佳里
音楽:吉俣良
出演:広瀬すず 山崎賢人 石井杏奈 中川大志 甲本雅裕 本田博太郎 板谷由夏 檀れい
<STORY>
完全無欠、正確無比、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公生(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年生となった4月のある日、公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニスト・宮園かをりと出会う。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格―そんなかをりの自由で豊かで楽しげな演奏に惹かれていく公生。かをりの強引な誘いをきっかけに公生はピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。ようやく動き出した公生の時間。だが、かをりの身体は重い病に侵されていて…。

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