モデルプレスのインタビューに応じた小室哲哉(C)モデルプレス

小室哲哉、globe21年目突入で見据える先 20周年終了で「締めくくりになっている」 モデルプレスインタビュー

2016.08.03 16:00

音楽プロデューサーでデビュー20周年を迎えたglobe小室哲哉(57)がモデルプレスのインタビューに応じた。セルフリプロダクト第2弾「Remode 2」を8月3日にリリースし、globe20周年アニバーサリーの集大成となる。21年目に突入するglobe、そして小室自身は今後どうなるのか…改めて過去を振り返ってもらうとともに、未来についても語ってもらった。

  
同アルバムは、今も色褪せないデビュー曲「Feel Like dance」や、ダブルミリオンを記録した「DEPARTURES」、globeライブでは定番の「MUSIC TAKES ME HIGHTER」などglobeの名曲の数々を、小室自身の手で再生。また、名曲「Get Wild」や「Self Control」などのカバーも再びリプロダクト。今作の制作にあたり、「DEPARTURES」「Feel Like dance」「MUSIC TAKES ME HIGHER」の3曲のみ、新たなラップを追加している。

アルバム「Remode 2」は「新鮮と思ってもらえたら」

モデルプレスでインタビュー!(C)モデルプレス
― マーク・パンサーさんが今回のアルバムに収録されている「DEPARTURES」が夏バージョンになっているとおっしゃっていましたが、なぜ夏バージョンにしたのでしょうか?

小室:スマホからも(音楽を)聞ける時代なので、ファンだけでなく誰が聞いても聞きやすい曲にしたかったんですよね。夏というより、寒い冬のイメージを払拭したかったので、「DEPARTURES」問わず、globeの曲が流れてきたときに新鮮と思ってもらえたらいいなと。今の音楽ユーザーは、globeがデビューしたときに生まれていない方もたくさんいるので、初めて聞いても「あれ?」って聞き入ってもらえたらと思っています。

― 「DEPARTURES」だけでなく、「Feel Like dance」「MUSIC TAKES ME HIGHER」のラップだけ歌詞が変わっていますね。

小室:それも同じ。マークはDJに転身していて、20年前と比べると自分のやりたいスタイルが変わってきている。それに、初めてこの曲を聞く人が圧倒的に多いと思うからこそ、そういう人にも引っかかってほしいなと。この楽曲たちを聞いて20年前に戻るのではなく、今の音楽とともにちょっと(心に)刺さる曲になるといいなと思いました。

― セットリストの最後はTM NETWORKのカバー曲「Self Control」ですが、その曲をラストにした理由はあるのでしょうか?

小室:これまでの話の延長線になってしまうのですが、この曲がリリースされたとき生まれていない人もいます。だけど、「なんか聞いたことあるな」という人が意外と多いはず。「あれ、誰の曲だったかな?」って。だけど、ついついサビのパートだけは歌えちゃうみたいな。そういう感じになってくれたらすごくいいなと思っています。あとは、「これなんだっけ?」って、ネットサーチしてくれたら嬉しいですね。

― 今回のアルバムを制作するにあたり、全体的にこだわったことはありますか?

小室:昨年発売した「Remode 1」は20曲収録したのですが、なんとなく大事な曲たちがまだその中に入っていないなと思って、トータルで31曲、現代モードに変えました。今は、ソーシャルの時代なので、時間の速さをすごく感じていて、90年代の音楽を懐かしむのもいいけど、2016年バージョンがないと一緒に聞くときに、あまりにも違う音になってしまうので、2016年のメロディとして馴染むように作りました。

小室哲哉(C)モデルプレス
― アルバムに特典として収録されているDVDでは「DEPARTURES」や「Can't Stop Fallin' in Love」をリリースするとき、プレッシャーがすごく大きかったとお話されていますが…。

小室:ちょうど浜田雅功(ダウンタウン)さんの「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」や安室奈美恵さん、篠原涼子さん、TRFが大ヒットしていて。「WOW WAR TONIGHT」をリリースしたあとに、「Feel Like dance」(globeのデビュー曲)だったので、すごく大事な時期でした。軒並み僕らに関わらず、新人でもCDセールスがミリオンというのが当たり前の時代だったので。「恋しさと せつなさと 心強さと」「WOW WAR TONIGHT」「CAN YOU CELEBRATE?」はダブルミリオンを達成していたので、その中にglobeも入ってほしいなという思いはずっとありました。

― 「DEPARTURES」がダブルミリオンを達成したときはどんなお気持ちでしたか?

小室:嬉しかったですよ。でも、発売前に出荷枚数がわかっていたので、だいたいの予想は見えていました。もちろん発売しないと予測できない曲もありましたけど、この曲に関しては達成できることが見えた曲なんです。

「Is this love」「DEPARTURES」…これまでのglobeを振り返る

globeの小室哲哉&マーク・パンサー(C)モデルプレス
― マークさんはglobeの20年を振り返り、「Is this love」のプロモーション撮影が印象的だったとおっしゃっていました。撮影中、小室さんがいるトーテムポールを見失って、小室さんが迷子になってしまったというお話をお聞きしました。

小室:当時、アメリカ在住だったので、日本とスケールが違ってなんでも大きかったんです。衣食住すべてが桁違い。なので、なんとなくあり得ることだなと(笑)。もちろん危険もあるので、自分は自分で守らないといけないと思っていました。アリゾナなんてすごい場所なんで。でも、今ではできない(迫力のある)プロモーション映像をできてよかったなと思っています。

― 1stアルバム「globe」の合宿レコーディングも大変だったとマークさんがお話していました!

小室:僕はそこまで思っていないけどね(笑)。淡々とデットラインを考えていたと思います。基本的にマークは話をすごく大きく言って、広げる人だと思うので、僕がちょうど真ん中かなと(笑)。たぶん2人の話を足して2で割ると答えが出てくると思います。マークとは一回り年齢が違うから、当時マークもKEIKOも大変だったんじゃないかなと。KEIKOとマークが前に出るようなグループにしたかったのですが、どうしても僕がクローズアップされてしまう時代だったので、2人とも大変だったと思います。

― あと「DEPARTURES」でのジャケット撮影もロサンゼルスのお化けが出るホテルだとか…(笑)

小室:単純に誰も使っていなかったホテルなんですよね。ロス在住の人も使っていなし、今の時代だったらそういう話しが広がって面白かったと思うのですが、あの時代はそういう噂とかなかったんですよね。

ここ最近の世の中の変わり方に僕もびっくりしています。だからこそ、音楽ってすごいと思います。20年前、30年前に作ったメロディが今でも成立しているじゃないですか。それがCMとかで使われている。だから音楽を作っている人間でよかったなと思っています。ほかの業界は時代に追いつき追い越すのが大変だなって。それに比べると音楽は自然のままいい作品が残っていく。何百年前のメロディを2000年生まれ以降の人たちが演奏したり、歌ったりしているわけで、ほかのことではできません。音楽は何百年も生きて、今でも使えるんです。

今後のglobeを語る

― globe20周年でお忙しい1年を過ごしていたと思います。振り返ってみて、いかがですか?

小室:忙しかったと思いますが、僕がプロデュースして20周年に達した人たちが、ここ近年多くて…。TRFや安室さんも、TM NETWORKは30周年だったりするので、去年やっとglobeがという思いでした。僕にとっては、ここ6、7年くらいは毎年アニバーサリーで、毎年お祝いしていただきました。今年の8月9日でやっと一息つけます。

今のお話のように90年代を振り返るという意味での締めくくりになっていると思います。しかも、globeでということなので象徴的な年になったと思います。年齢関係なく、違うグループとしても、ずっとこういうお話を聞いていただけるのは、ありがたいです。

― globeの今後の活動に期待するファンの声も多いと思うのですが、今後のglobe、今後の小室さんはどうなるのでしょうか?

小室:globeは解散もしないし、終了もしない。なにかの形で新曲ができたらいいなと考えています。あとは、2000年以降に生まれた人たちのなにか役に立つことがあるんじゃないのかなと。プロデュースという言葉も当たり前になり過ぎちゃって…、プロデューサーではなくディレクターって言葉もありますよね。訳すと監督。だから、ディレクションみたいに、どうやっていいのか方向性を示してあげるという立場はありかなと思っています。

― オーディション「Far Eastern」も始まりしたね。

小室:そういうのも含めて、オーディションで自分のやりたいことを見つけるというより、今の若者たちがどこに行けばいいのかアドバイスしてあげられたらと思います。アーティストという言葉の1番の決まりは、いかに雇えるかということ。プロデューサーやレコードメーカーなど、そういう人たちを自分で選べるか、決められるかどうかで、決められたことをやる人はアーティストじゃないのかもしれない。僕はそう思います。

今、僕はアーティストとしてピアノのコンサートをやったりしています。しばらくは、アーティストとプロデューサー両方をやり続けると思います。最終的にはお手伝い(プロデューサー)になっていくと思いますが、次もモデルプレスの取材を受けるときはまだ両方をやっていると思います。しばらくは両方やりたい。アーティストはもうおしまいみたいなことは決めたくないですね。

― あとは、プロデュースしたDef Willをお披露目していましたね。

小室:彼女たちにも、全部指示通り動くのではなく、自分たちのやりたいことを明確にして、アーティストになってほしいですね。

自分で言うのも変かもしれませんが、小室哲哉という音楽家を若い人たちに知ってもらいたい。90年代、僕がどんどんプロデュースしていたときは、まだ幼稚園や生まれていない人たちばっかりなので、まずはアーティスト活動していくことが小室哲哉を知ってもらえる可能性があると思う。そこから、あの人プロデュースもするんだと思ってもらえるかが、すごく大事。今はなにがどうブレイクするのかわからない時代ですからね。それが見つけられたらイノベーションですよね。

小室哲哉が考える“夢を叶える秘訣”とは

― 最後に夢を追いかけている女の子に向けて、夢を叶えるアドバイスをお願いします。

小室:チャンスやヒント、アイディアを出す場所、アウトプットできる場所が増えていると思います。ソーシャルだけ考えても自分をみんなに見てもらう場所とか、とんでもない数になっていると思うので、それを見極められたら1番いいなと思います。だから、大変でもあり、いい時代でもあるという両面極端なので、アウトプットすればいいというわけではない。セルフプロデュースによって、どう映るのかで、世の中が変わったりします。アウトプットする前に、例えば一回鏡で自分を照らしてみるとか。シンプルで簡単に自分を出せる世の中なので、一瞬を見極めていくことが絶対に必要です。

― ありがとうございました。

小室哲哉(C)モデルプレス
8月9日でglobe20周年アニバーサリーが終了する。でもglobeには終わりなんてない。globe小室哲哉ははっきり言った―――「globeは解散しない」と。その言葉に嘘偽りは一切ない。(modelpress編集部)

セルフリプロダクト第二弾「Remode 2」

8月3日発売

セルフリプロダクト第二弾「Remode 2」(8月3日発売)
<CD>
01.Feel Like dance
02.MUSIC TAKES ME HIGHER
03.DEPARTURES
04.Anytime smokin’ cigarette
05.Can’t Stop Fallin’ in Love
06.try this shoot
07.Get Wild
08.Perfume of love
09.genesis of next
10.illusion
11.Self Control

<DVD>
01.「Feel Like dance」MUSIC VIDEO
02.TK & MARC “Remode 2” INTERVIEW

数量限定生産ブルーレイボックス「globe 2 decade - live blu-ray box -」

9月7日発売
形態:Blu-ray(7枚)+CD +DVD +ブックレット

収録内容
<Blu-ray>7枚
disc01.preview
disc02.globe@4_domes
disc03.globe tour 1998 “Love again”
disc04.globe tour 1999 Relation
disc05.globe special live -genesis of next-
disc06.globe tour 2002 CATEGORY TRANCE & ALL GENRE -1day SPECIAL LIVE in 日本武道館-
disc07.globe decade -access best seasons 1995-2004-

<CD>KEIKO sings globe @KEIKO solo tour 2000
内容※抜粋収録
・KEIKO solo tour 2000 ~on the way to YOU~
・KEIKO solo tour “blooming tour 2000”

<DVD>globe20th special DVD - past and now -
内容
・「FACE」/「DEPARTURES」“globe MUSIC VIDEO DRAMA PROJECT” MOVIE
・house of globe vol.38 GVD limited edition

<ブックレット>
PHOTO/FC会報誌“house of globe”内メンバーコメント抜粋掲載/TK’s comment 2016/DISCOGRAPHY/BIOGRAPHY

小室哲哉(こむろてつや)プロフィール

小室哲哉(C)モデルプレス
生年月日:1958年11月27日
出身地:東京都

音楽家、音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、ミキシングエンジニア、DJなど幅広く活躍。83年、宇都宮隆、木根尚登とTM NETWORK(のちのTMN)を結成、84年「金曜日のライオン」でデビュー。同ユニットのリーダーとして、その音楽的才能を開花させる。86年、渡辺美里への提供曲「My Revolution」がヒットし作曲家として注目を浴びる。87年、TM NETWORK「GET WILD」が大ヒットし一躍人気ユニットに。93年にtrfを手がけたことがきっかけで、一気にプロデューサーとしてブレイク。以後、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美、H Jungle With t、今年デビュー20周年を迎えるglobeなど、自身が手がけたアーティストが次々にミリオンヒット。2010年からは作曲家としての活動を再開。AAA、森進一、北乃きい、超新星、SMAP、浜崎あゆみなど幅広いアーティストに楽曲を提供している。

globe(グローブ)プロフィール

新人女性オーディションで選ばれたボーカル・KEIKO、フランス人の父親と日本人の母親を持つ日仏ハーフのラッパー・MARC PANTHER、TMNプロジェクト終了後、数々のプロデュースワークを手掛けてきた音楽プロデューサー・小室哲哉が自らメンバーとして参加するユニット。

1995年8月9日、シングル「Feel Like dance」でデビュー。1997年3月、日本初の4大ドームでのコンサートツアーを成功させる。1998年3月31日に3rdアルバム「Love again」をリリース、アルバム3タイトルでの売上が1,000万枚を突破、デビューから史上最短記録を作る。年末には「wanna Be A Dreammaker」が日本レコード大賞を受賞する。

【Not Sponsored 記事】

もっと詳しくみる

あわせて読みたい

  1. マーク・パンサーしか知らない“globe”20周年&“小室哲哉”との深い絆 愛娘との私生活も語る モデルプレスインタビュー

    モデルプレス

  2. 秋元康・小室哲哉・つんく♂・指原莉乃、揃ってプロデューサー就任<本人コメント>

    モデルプレス

  3. 小室哲哉&マーク・パンサー、globe名曲をリプロダクト&リミックス 全貌が明らかに

    モデルプレス

  4. 小室哲哉、豪華コラボ曲手がけ感激「日本の『We Are The World』」

    モデルプレス

  5. 小室哲哉、新ガールズグループ発足&オーディション開催決定

    モデルプレス

    PR
  6. 小室哲哉、クビをかけてたglobe名曲『DEPARTURES』の裏話「絶対売れなきゃいけなかった」

    モデルプレス

おすすめ特集

  1. 1月のカバーモデルは「25年ヒット予測」俳優部門に選出された木戸大聖

    特集

  2. 1月のカバーモデルは「25年ヒット予測」女優部門に選出された出口夏希

    特集

  3. 「2025年ヒット予測」発表 エンタメ・ライフスタイルなどトレンド完全予測

    特集

  4. グルメや歴史、豊かな自然に包まれる癒しの旅「鳥取女子旅」をご紹介!

    特集

  5. モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!

    特集

  6. 国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中

    特集

  7. モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」

    特集

  8. インフルエンサー影響力トレンドランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」

    特集

  9. "史上最大級のファッションフェスタ"TGC情報をたっぷり紹介

    特集

  10. アパレル業界を覗いてみよう!おしゃれスタッフ&求人情報もチェック

    特集

おすすめ記事

SPECIAL NEWS

記事ランキング

RANKING

  1. 01

    日向坂46山下葉留花、小坂菜緒は“恩人” 不安な時期に救われた言葉とは「自分はここにいて良いのかなと思ったことも…」【「卒業写真だけが知ってる」インタビュー】

    モデルプレス

  2. 02

    「Dark Idol」出身・Luuna(橘ななみ)、最終未来少女へ加入発表「絶対後悔させてやる」強いマインドが武器に 韓国事務所所属の過去も【インタビュー】

    モデルプレス

  3. 03

    詩羽&セントチヒロ・チッチ、人見知り同士が奇跡のタッグ!コラボ曲の歌声も「ちょっと嬉しそう」制作秘話語る<『bonsai feat.CENT』インタビュー>

    ワーナーミュージック・ジャパン

    PR
  4. 04

    日向坂46上村ひなの「もっと強く存在感を」先輩卒業で決心 “けやき坂46(ひらがなけやき)イズム”に強い思いも【「卒業写真だけが知ってる」インタビュー】

    モデルプレス

  5. 05

    奥平大兼「御上先生」撮影で感じた松坂桃李のすごさ「学園モノをやっていないと見られない」気づきとは【インタビュー】

    モデルプレス