小池竜暉(提供写真)

GENIC小池竜暉、初ソロアルバム表題曲はかつての自分への挑戦 “アイドルオタクならでは”=LOVEらへの楽曲提供秘話も【インタビュー】

2026.10.17 18:00

男女7人組ダンス&ボーカルグループ・GENIC(ジェニック)の小池竜暉(こいけ・りゅうき/26)にインタビュー。スマートフォンでの曲作りから始まり、“新世代のヒットメーカー”と呼ばれるまでになった今も「まだ1合目」と語る小池。9月30日にリリースされた自身初のソロアルバム『CIPHER』(サイファー)に込めた“ゼロから”の思いや、楽曲提供の裏側について語ってもらった。

小池竜暉、初ソロアルバム『CIPHER』

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アルバムタイトルは「ゼロ(0)」を意味する『CIPHER』。YouTubeでMV再生回数3000万回を突破し、ロングヒットとなった=LOVEの17thシングル表題曲「絶対アイドル辞めないで」をはじめ、アイドル・アニメ界などにこれまで提供してきたヒット曲の数々を、完全録りおろしでセルフカバー。さらに、アルバム表題曲の爽やかなアッパーチューン「CIPHER」、女性目線の歌詞で綴られたあざといラブソング「ばーかっ!」など、本作のために書きおろしたオリジナル曲3曲も収録されている。

小池竜暉、7年前にも付けていた“CIPHER”というタイトル

小池竜暉(提供写真)
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― 自身初のソロ作品を、今このタイミングで届けようと決めたきっかけは何だったのでしょうか?また、1枚目を提供曲のセルフカバー中心にしたのはなぜですか?

小池:きっかけとしては、グループ(GENIC)として活動してきて約7年、僕自身がエイベックスに入ってからちょうど10年くらい経つんですよね。楽曲制作自体はGENICを始める1年前から独学でやっていたのですが、本格的に外部へ楽曲提供し始めたのは2023年からで、ありがたいことに約3年間で30曲以上提供させていただきました。

その中で「小池竜暉1人でもやってみたい」という野望はずっとありつつも、「どうやって始めるか」「何から出そうか」と考えたときに、現役アーティストをやりながら外部提供もしている人ってまだそんなに多くないですし、セルフカバーアルバムという形もそこまで一般的ではないなと思ったんです。もちろん大石昌良さんや先輩の工藤大輝さんがセルフカバーアルバムを出されていて、その系譜を継ぐじゃないですけど…僕自身、女性アーティストさんへの提供曲も多いので、キーを自分用に落とし込むことで「あ、この曲こんな新しい魅力もあるんだ」と気づいてもらえるきっかけになるんじゃないかと思ってセルフカバーを中心にしました。

作詞作曲した本人がキーを落としてそのまま歌う機会ってなかなか無いですし、全曲リアレンジもしてそれぞれまた違った魅力を楽しんでいただけるアルバムになったと思います。ただ自分のオリジナル曲を集めるというよりは、これまでの経験や実績を生かして、皆さんの力をお借りして1枚のアルバムを作らせていただいたという形です。セルフカバー中心ですがオリジナル曲も3曲入っています!僕自身、ソロとしてフル尺丸々自分の曲をお届けしたことがほぼなかったので、ファンの皆さんへ自分のソロ曲としても届けるという意味で、どちらも入れた贅沢なアルバムにさせていただきました。

― アルバムタイトルの「CIPHER(サイファー)」には“ゼロ”という意味があります。楽曲制作を始めて7、8年、多くの実績を重ねてきた今、あえて「0から」を掲げたところに、どんな思いが込められているのでしょうか?

小池:“ゼロ”にした理由は、楽曲制作自体がまさにゼロから、僕の脳みそから生まれたものだからです。最初はスマートフォンを使って遊び半分で曲作りを始めて。そこからパソコンを買って、楽器を覚えて…本当にゼロから自分1人で始めてきたなっていう思いがあるんです。完全ゼロから楽曲を作り出せる人ってまだ少ないなと感じていて、そこは自分の誇りでもあるので、ゼロから作り上げてきた証として『CIPHER』というタイトルにしました。

実は楽曲を作り始めて1年経った頃、当時ワンコーラスだけ作った12曲を自分で勝手にティザー動画みたいにまとめたことがあって、偶然なのですがそのときのタイトルも『CIPHER』にしていたんですよ(笑)。当時はなんでそのタイトルにしたのか記憶がないんですけど、多分同じことを考えて付けていて。7年経っても根本的に考えていることや軸が変わっていないなと思えたのも大きかったですね。当時作った未発表の「サイファー」という楽曲を今の自分で超えようと思って作ったのが、今回の表題曲「CIPHER」です。当時の情熱を超えたいという思いと、今の自分の全力を注ぎ込みました。

小池竜暉、実体験とフィクションで描き分けたオリジナル曲3曲

小池竜暉(提供写真)
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― 表題曲「CIPHER」には、小池さんのリアルな感情が歌詞として並んでいますが、自分の内面をさらけ出すことに、迷いはありませんでしたか?

小池:迷いはなかったです。僕は本当に音楽にすることでしか自分の思いを表現できないので。普段の思いはファンの方にも隠さず言えたりするんですけど、本当の奥底の深い思いって誰にも言わないんですよ。そもそも「自分なんかに興味がある人なんていないだろう」と思っちゃうタイプなので(笑)。自分の話をしたってしょうがない、と思って1人で粛々と曲に思いを乗せることが、自分を保つ手段なんです。

今回の「CIPHER」はこれまでの思いも込めつつ、今抱えている世の中への違和感や生きづらさを人に押し付けるのではなく、素直に歌に込めました。特に今はSNS時代で、人に過剰に干渉したり興味を持ちすぎたりして生きづらさを感じることが多いなと思っていて。「人は人、自分は自分としてちゃんと生きて、もっと自分自身を愛してあげてほしい」という思いが軸にあります。普段思っているそういう葛藤や感情を全部さらけ出して、ポップなメロディーに乗せて歌うことでやっと消化できた気がするので、書いて本当によかったなと思っています。

― 「ばーかっ!」は、小池さんにとって初めての女性目線のラブソングです。これまで女性アーティストへの提供で磨いてきた女性目線の歌詞を、ご自身の声で歌ってみていかがでしたか?

小池:これはもう、ほぼ実体験です(笑)。僕自身、根本がすごく女々しくて。1分1秒LINEしていたいし毎日会いたいタイプなので、恋愛観としては女性目線のほうが共感できるんですよね。今回は一人称を「私」にして女性目線のラブソングとして書きました。歌詞にある「変えた髪色やネイル」は女性目線に順応させて作った部分ですが、根底にある感情の強さや情念の部分は自分の実体験が元になっています。ずっと「ばーかっ!」と思いながら、なんならもっとすごい悪口が出てきそうなのを抑えながら書いたので、めちゃくちゃ書きやすかったですね(笑)。

― 「ハグ」は、会えなくなった誰かを想い続けるような、切なくて優しい1曲です。どんな情景や想いから生まれた曲なのでしょうか?

小池:「ハグ」は「ばーかっ!」とは打って変わって完全なフィクションです。僕は普段映像作品はあまり見ないのですが、小説を読むのが好きなので、「小説をそのまま1曲にしたような楽曲」を作りたくて書きました。一度聴いただけで全貌が分からなくても、何度も聴いていくうちに解像度が高くなっていくような歌詞にしています。聴いてくださる方それぞれの解釈やストーリーに置き換えて自由に受け取ってもらえたら嬉しいです。メロディーもすごく綺麗で気に入っているので、色んな場面で自分の物語を重ねて聴いてもらえたらなと思います。

― これまでたくさん提供してきた楽曲の中から、カバーする楽曲はどのような基準で選んだのでしょうか?

小池:候補が30曲近くあって本当に悩みました。すべて思い入れがある楽曲なのですが、特に思い出のある楽曲を中心に選んでいます。例えば、僕が外部提供で初めて作詞を担当させていただいた緑仙さんの「ヒロイン」だったり。本当は同時期に群馬県のマスコットキャラクター・ぐんまちゃんへ提供した「ぐ~!ぐ~!ぐんまちゃん」もすごく入れ込みたかったんですよ!自分も群馬県出身でぐんまちゃんが大好きだしメモリアルなので。ただ…僕が「ぐ~!ぐ~!ぐんまちゃん」を歌っている姿がどうしても想像できなくて、今回は泣く泣く泣く泣く外しました(笑)。選曲の基準としては、僕自身が表現したときに原曲とはまた違う“美味しい部分”が出そうな曲や、本家の表現からガラッと印象が変わるような曲、あるいは自分との親和性が高い曲という軸で選ばせてもらいました。

― 女性アイドル、アニメ作品などの楽曲を自分の声で歌ってみて、提供したときとは印象が変わった楽曲はありますか?

小池:一番変わったのは『シェキラ☆☆☆』(Liella!さんへの提供曲)ですね。原曲はライブのラストやアンコールで銀テープが飛ぶような圧倒的な至福感に包まれる楽曲なのですが、今回セルフカバーするにあたってキーを下げて、アダルトなテイストにリアレンジしていただきました。しっとり聴ける雰囲気でありつつ、内側に秘めた熱量もある絶妙なラインに仕上がっています。原曲を知っている方にとってもガラッと印象が変わって聴こえる面白い1曲になったと思います。

― GENICの楽曲からは「ラストシーン」が収録されています。この曲を選んだ理由を教えてください。

小池:「ラストシーン」は、GENICで僕が作った楽曲の中でも特に評価や人気をいただいている曲だからです。それと「ラストシーン」は、ファンの皆さんから「1人で歌う仮歌バージョンが聴きたい」という声を以前から一番多くいただいていた楽曲だったんです。実際に武道館ライブでも1人で歌わせていただいたのですが、それを音源化する形で収録しました。本家よりもしっとりとしたアレンジに変えて、歌い方も1人で感情を込めて消化できるように再構築しました。ファンの皆さんの願いも叶えられた1曲になったんじゃないかなと思います。

小池竜暉、イコノイジョイ・KO1KEYZ…話題の提供曲の裏側

小池竜暉(提供写真)
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― この夏は、≠ME「喝采パレード」、≒JOY「サマーツインテール」、=LOVE「恋、はじめました。」と、指原莉乃さんプロデュースの3グループへの提供曲が続けてリリースされました。それぞれのグループの“らしさ”を、どのように捉えて書き分けたのでしょうか?

小池:僕自身がそもそも熱狂的なアイドルオタクだからだと思います(笑)。普通に現場に行ってチェキ列に並ぶくらいアイドル文化の成分が身体に染み込んでいるので、オタクならではの高い解像度でイコノイジョイ(=LOVE、≠ME、≒JOY)さんの各グループらしさを捉えて書き分けました。今のSNS時代におけるキャッチーさを意識しつつも、楽曲としての本質的な良さをブレさせない絶妙なバランスを狙っています。

「喝采パレード(≠ME)」はサビがまさに“小池竜暉”全開のメロディーです。≠MEさんはカッコいい楽曲も多いですが、歌唱力が本当に高いので、あえて最近のトレンドでもあるトリッキーなメロディーラインに挑戦しました。しゃくりというか、二重語尾というか…挑戦的なメロディーの使い方だったので、正直コンペに通るとは思っていなかったです。

「サマーツインテール(≒JOY)」と「恋、はじめました。(=LOVE)」は、自分の大好きなメロディーの中に可愛さを詰め込んだ楽曲です。「サマーツインテール」は齋藤奏太くんという若いクリエイターと初めてコライト(共作)した1〜2年前の楽曲で、僕の名刺代わりと言える王道メロディーになっています。歌うのが難しいメロディーを作りがちな僕ですが、皆さんが見事に乗りこなしてくれました。

― 「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」のコンセプト評価曲「Neko(ねこ)」も大きな話題になりました。練習生の運命を左右するオーディションの課題曲を手がけるにあたって、普段の楽曲提供と比べて意識したことはありましたか?

小池:「Neko(ねこ)」は作詞を担当させていただきました。元々いただいたデモ音源が韓国語だったのですが、日本語詞に直す際にグルーヴ感が損なわれないよう、言葉選びと韻の踏み方に徹底的にこだわりました。英語や韓国語のデモを日本語詞にする作業はGENICの活動の中でも鍛えられてきた経験が生きています。日本語は発音的にどうしてもリズムがのっぺりしがちなので、元のグルーヴを落とさないことが何より大事なんです。「Neko(ねこ)」はズバ抜けて可愛らしい世界観で、これを表現できるのはKO1KEYZさんしかいないと思うし、僕も「まさかこんな曲をやるとは!」と嬉しくなったので、すごく気合が入りました。

― KO1KEYZのデビューシングル「KO1KEYZ」の制作にも携わっていらっしゃいます。グループ名を冠した、まさに“名刺代わり”となる1曲です。どんな思いを込めて制作されたのでしょうか?

小池:グループ名をそのまま楽曲タイトルにするという、王道の“名刺代わり”になる楽曲を意識しました。嵐さんの『A・RA・SHI』やイコノイジョイさんの『=LOVE』『≠ME』『≒JOY』のように、ライブで絶対に盛り上がる神聖なデビュー曲にしたくて。グループ名の「KO1KEYZ(コイキーズ)」には「恋」と「来い(来て)」の意味が掛け合わされているので、そのダブルミーニングを歌詞に落とし込みました。デビューという今この瞬間の思いを込めつつも、これから何年経ってもライブで大切に歌い続けられるような、ファンと一緒にコール&レスポンスで育っていく楽曲を目指して書かせていただきました。

小池竜暉の夢を叶える秘訣

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― 前回(※2024年12月)の取材では、「絶対アイドル辞めないで」のヒットについて「実感はない」とおっしゃっていました。その後もヒットが続き、“新世代のヒットメーカー”と呼ばれるようになった今、実感に変化はありますか?

小池:ヒットの実感自体はまだそこまでないですね。今のサブスク時代だと数字や実感が掴みにくい部分もありますし。ただ、当時よりも業界の方や周りの方から「あの曲聞いたよ!」「あれ作ってたよね!」と言っていただける機会が確実に増えました。自分の作った音楽が以前よりも遥かに多くの人に届いているんだなという手応えは実感しています。

― 同じく前回の取材で、今の夢は「僕がやっている全てで夢の先までいくこと」だとお話しされていました。現在はその夢のどのあたりまで来ていると感じますか?今後の展望とあわせて教えてください。

小池:正直、まだまだまだまだですね。登山で言ったらまだ1合目くらいです。当時からの夢も変わらずありますし、作家として活動する中で新しく芽生えた夢や、音楽以外の夢もあります。本当にまだまだ1合目なのですが、こうしてソロアルバムを出させていただいたからこそ、小池竜暉としても音楽の楽しさを発信していきたいです。「音楽離れ」と言われる時代だからこそ、音楽の力で日本中を巻き込む台風の目になりたいなと。そして、個人の活動で得たものをGENICに還元してグループ全体もより大きくしていければ最高です。音楽以外の夢も含めて、いつか答え合わせができるように走り続けます。

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― 最後に、夢を追うモデルプレス読者へ向けて、小池さんが思う“夢を叶える秘訣”を教えてください。

小池:「楽しむこと」を忘れないでほしいなと思います!走っているうちに楽しむことを忘れちゃうと、目的や方向性を見失ってしまうと思うんです。自分が心から「楽しい」と思えることを愚直に突き詰めつつ、たまに一歩引いて自分を客観視できる目を持つことで、自分の「好き」を素直に追い求め続けていけば、いつか夢は叶うと信じています。僕自身もまだまだ夢の途中にいるので、皆さんと一緒に楽しみながら進んでいけたらいいなと思っています!

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

小池竜暉(こいけ・りゅうき)プロフィール

2000年8月11日生まれ、群馬県出身。男女7人組ダンス&ボーカルグループ・GENICのメンバー。透明感のある声と歌唱力の高さが光り、グループではリードボーカルも担当。グループ楽曲30曲以上の作詞・作曲・編曲を手がけるほか、外部アーティストへの楽曲提供も多数手がけマルチクリエイターとして活動する。
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