高石あかり「ばけばけ」1週目より(C)NHK

高石あかり&トミー・バストウ、朝ドラ「ばけばけ」で描きたい“夫婦像”とは「青春のような大きな愛があります」【インタビューVol.1】

2025.09.27 07:00

9月29日から放送スタートする2025年後期連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか※土曜は一週間の振り返り)のヒロインを務める俳優の高石あかり(たかいし・あかり※「高」は正式には「はしごだか」/22)と、その夫役を務めるトミー・バストウ(とみー・ばすとう/34)にインタビュー。実在する人物を演じる際に意識したことや役柄の魅力について語ってもらった。【Vol.1】

高石あかりヒロイン連続テレビ小説「ばけばけ」

朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツと外国人の夫・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。登場人物名や団体名などは一部改称し、フィクションとして描く。没落士族の娘でヒロイン・松野トキを高石、外国人英語教師でトキの夫・ヘブンをトミーが演じる。

高石あかり、小泉セツは「憧れるかっこいい女性」

トミー・バストウ「ばけばけ」1週目より(C)NHK
トミー・バストウ「ばけばけ」1週目より(C)NHK
― 本作は、実在する小泉セツと小泉八雲をモデルにしているということですが、その2人のエッセンスをどのように作品に取り入れましたか?

高石:私がセツさんを理解するために、『思い出の記』という本を大切にしていました。この本には、セツさんから見た八雲さんがたくさん描かれていて、そこから八雲さんへの想いや感情を知り、セツさんがどのように八雲さんを感じているのか、理解していきました。私の中で八雲さんはすごく自由で、自分なりの正義感があって「好き」と「嫌い」がはっきりしている印象です。きっと大変なこともたくさんあったと思いますし、皆から愛される一面と、また別の一面を守っているような方です。私はそういった空気を感じて、セツさんが八雲さんに抱く愛情の深さや、守ろうとする強さがとてもかっこいいと感じました。私の憧れるかっこいい女性像を持つ方で、それがトキというキャラクターにも似ている部分があり、そういった部分をエッセンスとして役に取り入れられたらいいなと思っています。

トミー:撮影するほど、夫婦の関係から青春のような愛が見えてきました。なぜなら、トキさんとヘブンさんは子供時代にとても苦労していて、早く大人にならざるを得なかった部分があったからです。2人が出会ってからは、楽しめなかった青春時代を取り戻すような気持ちがあったのかなと感じています。子供時代をもう一度、味わうチャンスを得たかのように、楽しんでいる様子が印象的で、そういった2人の若々しい雰囲気が物語のエッセンスになっていると感じます。母国語が日本語ではないからハードルが高いですが、八雲さんの熱情や正義感の強い部分を見せたいです。彼のことを調べるたびにすごく尊敬しますし、実在していた人物だからこそヘブンを演じることへの責任感を強く感じています。

― トキさんとヘブンさんは、とても仲のいい夫婦ですが、互いにどんな部分に惹かれたと思いますか?また、夫婦関係を見て素敵だと思うところを教えてください。

高石:ヘブンさんは、多くのものが見えているところが素敵だと思います。自分の好きな日本に来て、言語が違う中でも自分の好きなものは「好き」と言える、逆に嫌いなこともきちんと言える強さがあります。楽しい時には笑って時には怒ることもあって、自由奔放な一面もありますが、その中に必ず自分の正義があって、誰かを守るために怒ったりする部分を見ていると、表面的な感情だけでなく、きっと深いところで何かを考えていると感じます。その正義感や、「何を考えているんだろう」と思わせる部分に共感して、トキに守りたいと思う気持ちが生まれたのかなと思います。

トミー:ヘブンは、家族のためにちゃんと働いていて、親切で飾らない性格のトキさんに惹かれたと思います。トキさんは、差別せずにヘブンを受け入れる姿が素晴らしいです。

― これから夫婦としてのシーンの撮影も始まってくるということで、今後どのような夫婦像を描いていきたいか教えてください。

高石:私が参考にしていた本を読んだ時、セツさんと八雲さんの2人がとにかく可愛らしいと思いました。日本語ではあるのですが、2人にしかわからないヘルン言葉(八雲がセツに使っていた独自の言葉)で話していることが特に印象的です。お互いのことがすごく大好きで、八雲さんがセツさんに「世界一のママさん」と言っていて、素直に気持ちを伝えてくれる八雲さん、そしてそれを受け止めるセツさんという2人の関係性がすごく好きです。言葉が通じないことでの可愛らしさが生まれてくるので、是非楽しみにしていただきたいです。

トミー:言葉よりフィーリング。別の言語を使っているけれど、お互いの文化を尊重さえすれば、愛が育まれると思いますし、2人には青春のような大きな愛があります。

高石あかり&トミー・バストウ、視聴者に伝えたい思い

高石あかり、安達木乃、倉沢杏菜「ばけばけ」1週目より(C)NHK
高石あかり、安達木乃、倉沢杏菜「ばけばけ」1週目より(C)NHK
― 八雲さんとセツさんは文化の架け橋としての役割を果たしています。そうした先駆者としての役を通じて、視聴者に何を伝えたいと考えていますか?

高石:ヘブンさんとトキが出会ってから、異なる国同士での文化の違いや、言葉が違う難しさなど、たくさんの困難がある中で、それをはるかに超える驚きや、通じ合った時の嬉しさ、知らない文化を知る楽しさなどの様々な楽しいことが待っていると感じました。撮影でやっと夫婦生活が始まろうとしていて、私自身とても楽しみです。2人がこれからどうなっていくのか、そしてほかの皆さんや、実際のモデルのお2人もですが、外国の方と日本の方が通じ合うことの難しさだけでなく、楽しさもあるということを感じていただけたら嬉しいです。

トミー:私は文化の交流と文化を分かち合う、理解していくことをとても大事にしてきました。日本語に興味を持ち、勉強を通じて人間としても成長させてもらいましたし、より豊かな生き方ができるようになったと感じています。「ばけばけ」では、ヘブンとトキさんはオープンマインドと慈しみの心を持って成長をしていきます。今、世界は非常に危険な時代だと感じていて、特に日本、イギリス、アメリカなどで、心の持ちようが重要だと感じます。この番組を通じて、視聴者の皆さんとそういった心を分かち合えればと思います。

★Vol.2に続く!

(modelpress編集部)

高石あかり(たかいし・あかり)プロフィール

高石は2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。2019年より俳優活動を本格化。2021年に映画「ベイビーわるきゅーれ」でW主演を務め本格派アクションが話題を呼んだ。2023年にはTAMA映画賞最優秀新進女優賞を獲得。近年の出演作に「遺書、公開。」(2025年)、「ゴーストキラー」(2025年)、「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」(声・2025年)、「夏の砂の上」(2025年)、ドラマ「御上先生」(2025年/TBS)、「アポロの歌」(2025年/MBS・TBS)、「グラスハート」(2025年/Netflix)などがある。

トミー・バストウ(とみー・ばすとう)プロフィール

1991年8⽉26⽇⽣まれ、イギリス出⾝。2007年、ロックバンドFranKoを結成し、リードボーカルとして現在も活動中。「ジョージアの⽇記/ゆーうつでキラキラな毎⽇」(2008年)でメジャー映画に初出演し、イギリスで俳優としてのキャリアをスタート。主な出演作は、「ネバー・バックダウン/⾃由への反乱」(2021年)、ドラマ「Man in an Orange Shirt」(2017/BBC)、ハイ・コンセプトSFシリーズ「The Crossing/未来からの漂流者」(2018年/ABC)、⽇独合作の「ザ・ウィンドウ」(2022年/ZDF・フジテレビ)など。2024年には、エミー賞受賞ドラマ「SHOGUN 将軍」にて、メインの1⼈であるマルティン・アルヴィト司祭役を演じ、注⽬を浴びた。なお、10年間ほど⽇本語を学んでおり、⽇本語が堪能である。
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  1. ばけばけ

    ばけばけ

    2025年09月29日(月)スタート

    毎週月~土08:00 / NHK総合ほか

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