“俳優”菅谷哲也が抱く葛藤と欲 「負けたくない」内に秘める想いを明かす モデルプレスインタビュー
2015.08.01 08:00
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私立恵比寿中学の柏木ひなたと女優の竹富聖花がW主演をつとめる話題の映画「脳漿炸裂ガール」が7月25日に公開された。その中で自身とかけ離れた役柄を演じ、役者としての新境地を切り開いたのが菅谷哲也(22)。フジテレビ系リアリティ番組「テラスハウス」で見せてきた“愛されキャラ”からは程遠い人物像に挑戦している。今回モデルプレスでは、彼にインタビューを行い、作品への思いや、俳優業に対する思いについて語ってもらった。
同作は、ネット上で“神曲”と称えられ、関連動画の再生回数が4000万回を超える驚異的なヒットを記録したボーカロイド楽曲『脳漿炸裂ガール』を実写映画化。ボカロ曲・世界初の実写映画となる同作では、檻の中に閉じ込められた主人公がクラスメイト達と携帯電話を使った「黄金卵の就職活動」というサバイバル・デス・ゲームに参加し、生き残るために奮闘するさまを描く。
菅谷が演じるのは、舞台となる聖アルテミス女学院の教育実習生・古寺正義(こじ・せいぎ)。荒井敦史、浅香航大演じる教師陣の一人で、生徒たちをデスゲームに追い込んでいく。ぶっきらぼうな態度で近寄り難く、生徒たちからも距離を置かれるような存在だが、どこか人間らしい感情も持つキャラクターだ。
― 今回の役柄について率直にどんな印象を持ちましたか?
菅谷:物語では生徒たちがどんどん先生側に追い込まれていくんですけど、僕は生徒と先生の中立にいる感じです。名前の「古寺正義」っていうのにも意味があって、何が正義なのかって葛藤しているんです。先生たちって、人間らしくないところがあるから生徒たちにゲームを仕掛けられるわけですけど、その中でも、僕の役は一番人間らしい感情を持っているなっていう第一印象でした。すごく武骨な人物だと思ったけど、一番人の心を持っているイメージです。だから少し共感できる部分もありました。
― 演じる上でもそういった部分を意識して撮影に入ったんですか?
菅谷:そりゃ、生徒がバンバン撃たれていくことに「こんな理不尽なゲームはないな」って思いますよね、普通。それは役としても思っていたんだと思います。どちらかと言ったら悪側にいるけど、正義な部分は持っているんで、その葛藤をどんな風に伏線を張っていったらいいかなっていうのは考えましたね。
今回セリフ量としてはあまり多くないので、生徒が撃たれたりゲームから脱落していく姿を見て、それを表情や雰囲気だけで芝居しなければいけない。それがちょっと大変でしたね。本当に微妙なところなんですけど、ちょっとずつ伏線が張ってあると思うんで微妙な表情の変化を見てもらいたいです。
― 役作りのためにされたことはありますか?
菅谷:もちろん本を何回も読んで、その人物を掘り下げていくのは第一ですけど。生徒役の方とあまり話さないようにはしてましたよね、やっぱり敵対する関係なので。先生側はよく3人で固まっていました。お芝居でもそうですけど、あまり打ち解け過ぎちゃうと、そういう雰囲気が出たりするのかなって思ったので。あともう一つの理由は、単純に女の子のほうが圧倒的に多い現場だったのでちょっと萎縮したっていう(笑)。
― 本当は喋りたかった(笑)?
菅谷:そうですね(笑)。女の子が多い現場は慣れないです。男友達といたほうが楽っているのが理由としてあるんですけどね。プライベートでも女の子はちょっと、あんまり話せないっす(笑)。
菅谷:刺激を受けましたよ。ひなたちゃんもそうですけど、10代でこれだけの演技ができるんだっていうのを現場で見ているので、すごく刺激になりますよね。
航大が竹富聖花ちゃんにビンタされるシーンがあるんですよ、何回も。「あれだけビンタされてよく芝居が変わらねぇなー。すげぇな-」って思いました(笑)。結構本気のビンタを食らってるんですけど、何回も食らいながら、それでも役が離れないっていうのはすごい。
みんな同い年ぐらいなので、すごく仲良く楽しく撮影しましたけど、その中でも新たな同世代の役者と出会って、ライバル心だったりとか…。うん、そういった思いがなんか芽生えましたね。
― ライバル心が芽生えた。それはこれまで約2年間の俳優業の中でも新しい感情ですか?役者ってものに対する捉え方が変わった?
菅谷:はい。まだ2年目ですけど、時が経つにつれて、出させて頂く作品を重ねるにつれて、難しさだったり奥深さだったりだとかをすごく感じてます。葛藤する時間や考える時間がすごく増えてきましたね、お芝居に対して。
― 欲が出てきたということですか?
菅谷:そうですね、欲が出てきましたね。こういう作品に出たいなとか、こういう役やりたいなとか、どうしたらこの役のこの心境を表現できるのかっていうのは常に考えますよね。自分ともその役とも向きあう時間が増えた。
OKが出て撮り終わっても、「もっとこうすれば良かったな」って、ちょっとした後悔みたいなものがついてくるようになった。日々壁にぶつかってますよ。目の前にある壁を乗り越えていくことがいかに大変かっていうのを今、目の当たりにしています。
― その壁はどうやって乗り越えていくんですか?
菅谷:その場所で何を求められているのかっていうのを考えることですかね。自分に求められることを考えて、それをその場所で出す、提供するってことかな。
― 俳優仲間に相談したりは?
菅谷:ないっす(笑)。お酒は一緒によく飲むし、話すことは話すけど、そんなに芝居について熱くワーッて話すことはないですね。なんか聞いたりすると負けた気になるじゃないですか(笑)。「ここがさー、なかなかできないんだけどさー、みんなどうしてんの?」って聞くと負けた気になるし、そういうのって自分で探して、自分で答えを見つけるから一人の俳優としての味になったりすると思うので。だからあえて聞かない。すげぇムズムズするぐらい聞きたいこともあるんですけど、負けたくないしあえて聞かないっす(笑)。
― 21歳はどんな年でしたか?
菅谷:あっという間でしたね。すごく慌ただしくて。お芝居もそうですけど、いろんなことを経験した年でもあったので。すごいいっぱい仕事をした…いや、なんだろう、まだまだ仕事してないな(笑)、うん。21歳は悪い1年ではなかったです。色んな出会いも多かったですし、出会いと経験が結構詰まった1年だったんじゃないかな。
22歳も今までと変わらず、大人として自覚と責任をもって、生活することですね。仕事も俳優業をもっと頑張っていきたいです。やりたい役を強いて言うなら、めちゃめちゃ悪い人。皆さんに持って頂いているイメージと逆の役がいいです。良い意味で、いつでもみんなを裏切っていきたい。まずは「菅谷哲也」っていう俳優がいるんだって認めてもらうことですね。一人の役者として見てもらいたいです。そのためにやれることは全部やっていきたいです。
― 先日発売された写真集「SUGAYA TETSUYA PHOTOBOOK 『LIFE-SIZE』」でも、今までのイメージとは違った大人な一面が詰まっていますよね。
菅谷:そうですね。前回の写真集は20歳の時に出したんですけど、今回22になるってことで、タイトルどおり今の“等身大”が詰まっています。人って1年とか2年とかで常に変化していくと思うんですよね。だからその変化を見てもらえたらいいなっていう気持ちで作りました。ありのままの自分を出しても、やっぱり20歳の時とは違う自分がそこにはいると思うので、その変化を見て感じていただけたら。あと今回は脱いでるんですよ(笑)。上半身裸だったり、セクシーな写真もあるのでそういった部分にも目を向けていただけたら嬉しいです。
菅谷:やっぱり挑戦し続けることじゃないですかね。一歩踏み出すことってすごく大事だと思うし、やりたいことを見つけたら、やるべきことをしっかりやって、目指したことを実現させるための努力をすることだと思います。僕の夢?…家族と戸建てマイホーム。真面目です(笑)。
― ありがとうございました。
インタビュー中、「ちょっとここは書かないでくださいね」とおちゃらけて話す無邪気な“てっちゃん”の一面を見せつつも、言葉の端々に“俳優・菅谷哲也”としての覚悟や闘志が垣間見えた。今作でまた一つ俳優への思いを強く確かなものにした菅谷が、今後どのように“期待を裏切る”姿を見せてくれるのか注目したい。(modelpress編集部)
菅谷が演じるのは、舞台となる聖アルテミス女学院の教育実習生・古寺正義(こじ・せいぎ)。荒井敦史、浅香航大演じる教師陣の一人で、生徒たちをデスゲームに追い込んでいく。ぶっきらぼうな態度で近寄り難く、生徒たちからも距離を置かれるような存在だが、どこか人間らしい感情も持つキャラクターだ。
― 今回の役柄について率直にどんな印象を持ちましたか?
菅谷:物語では生徒たちがどんどん先生側に追い込まれていくんですけど、僕は生徒と先生の中立にいる感じです。名前の「古寺正義」っていうのにも意味があって、何が正義なのかって葛藤しているんです。先生たちって、人間らしくないところがあるから生徒たちにゲームを仕掛けられるわけですけど、その中でも、僕の役は一番人間らしい感情を持っているなっていう第一印象でした。すごく武骨な人物だと思ったけど、一番人の心を持っているイメージです。だから少し共感できる部分もありました。
― 演じる上でもそういった部分を意識して撮影に入ったんですか?
菅谷:そりゃ、生徒がバンバン撃たれていくことに「こんな理不尽なゲームはないな」って思いますよね、普通。それは役としても思っていたんだと思います。どちらかと言ったら悪側にいるけど、正義な部分は持っているんで、その葛藤をどんな風に伏線を張っていったらいいかなっていうのは考えましたね。
今回セリフ量としてはあまり多くないので、生徒が撃たれたりゲームから脱落していく姿を見て、それを表情や雰囲気だけで芝居しなければいけない。それがちょっと大変でしたね。本当に微妙なところなんですけど、ちょっとずつ伏線が張ってあると思うんで微妙な表情の変化を見てもらいたいです。
― 役作りのためにされたことはありますか?
菅谷:もちろん本を何回も読んで、その人物を掘り下げていくのは第一ですけど。生徒役の方とあまり話さないようにはしてましたよね、やっぱり敵対する関係なので。先生側はよく3人で固まっていました。お芝居でもそうですけど、あまり打ち解け過ぎちゃうと、そういう雰囲気が出たりするのかなって思ったので。あともう一つの理由は、単純に女の子のほうが圧倒的に多い現場だったのでちょっと萎縮したっていう(笑)。
― 本当は喋りたかった(笑)?
菅谷:そうですね(笑)。女の子が多い現場は慣れないです。男友達といたほうが楽っているのが理由としてあるんですけどね。プライベートでも女の子はちょっと、あんまり話せないっす(笑)。
「日々壁にぶつかってる」葛藤と新たに芽生えた“俳優”への想い
― 生徒役、先生役と同年代の役者さんが揃っていたわけですが、一緒に演じられてどうでしたか?菅谷:刺激を受けましたよ。ひなたちゃんもそうですけど、10代でこれだけの演技ができるんだっていうのを現場で見ているので、すごく刺激になりますよね。
航大が竹富聖花ちゃんにビンタされるシーンがあるんですよ、何回も。「あれだけビンタされてよく芝居が変わらねぇなー。すげぇな-」って思いました(笑)。結構本気のビンタを食らってるんですけど、何回も食らいながら、それでも役が離れないっていうのはすごい。
みんな同い年ぐらいなので、すごく仲良く楽しく撮影しましたけど、その中でも新たな同世代の役者と出会って、ライバル心だったりとか…。うん、そういった思いがなんか芽生えましたね。
― ライバル心が芽生えた。それはこれまで約2年間の俳優業の中でも新しい感情ですか?役者ってものに対する捉え方が変わった?
菅谷:はい。まだ2年目ですけど、時が経つにつれて、出させて頂く作品を重ねるにつれて、難しさだったり奥深さだったりだとかをすごく感じてます。葛藤する時間や考える時間がすごく増えてきましたね、お芝居に対して。
― 欲が出てきたということですか?
菅谷:そうですね、欲が出てきましたね。こういう作品に出たいなとか、こういう役やりたいなとか、どうしたらこの役のこの心境を表現できるのかっていうのは常に考えますよね。自分ともその役とも向きあう時間が増えた。
OKが出て撮り終わっても、「もっとこうすれば良かったな」って、ちょっとした後悔みたいなものがついてくるようになった。日々壁にぶつかってますよ。目の前にある壁を乗り越えていくことがいかに大変かっていうのを今、目の当たりにしています。
― その壁はどうやって乗り越えていくんですか?
菅谷:その場所で何を求められているのかっていうのを考えることですかね。自分に求められることを考えて、それをその場所で出す、提供するってことかな。
― 俳優仲間に相談したりは?
菅谷:ないっす(笑)。お酒は一緒によく飲むし、話すことは話すけど、そんなに芝居について熱くワーッて話すことはないですね。なんか聞いたりすると負けた気になるじゃないですか(笑)。「ここがさー、なかなかできないんだけどさー、みんなどうしてんの?」って聞くと負けた気になるし、そういうのって自分で探して、自分で答えを見つけるから一人の俳優としての味になったりすると思うので。だからあえて聞かない。すげぇムズムズするぐらい聞きたいこともあるんですけど、負けたくないしあえて聞かないっす(笑)。
この1年は「悪くはなかった」 さらなる高みを目指す
負けず嫌いな一面をのぞかせた菅谷は7月28日に22歳の誕生日を迎えたばかり。この1年で、約2年共同生活を送った「テラスハウス」の終了、映画・舞台への出演と自身の生活にも目まぐるしい変化があった。― 21歳はどんな年でしたか?
菅谷:あっという間でしたね。すごく慌ただしくて。お芝居もそうですけど、いろんなことを経験した年でもあったので。すごいいっぱい仕事をした…いや、なんだろう、まだまだ仕事してないな(笑)、うん。21歳は悪い1年ではなかったです。色んな出会いも多かったですし、出会いと経験が結構詰まった1年だったんじゃないかな。
22歳も今までと変わらず、大人として自覚と責任をもって、生活することですね。仕事も俳優業をもっと頑張っていきたいです。やりたい役を強いて言うなら、めちゃめちゃ悪い人。皆さんに持って頂いているイメージと逆の役がいいです。良い意味で、いつでもみんなを裏切っていきたい。まずは「菅谷哲也」っていう俳優がいるんだって認めてもらうことですね。一人の役者として見てもらいたいです。そのためにやれることは全部やっていきたいです。
― 先日発売された写真集「SUGAYA TETSUYA PHOTOBOOK 『LIFE-SIZE』」でも、今までのイメージとは違った大人な一面が詰まっていますよね。
菅谷:そうですね。前回の写真集は20歳の時に出したんですけど、今回22になるってことで、タイトルどおり今の“等身大”が詰まっています。人って1年とか2年とかで常に変化していくと思うんですよね。だからその変化を見てもらえたらいいなっていう気持ちで作りました。ありのままの自分を出しても、やっぱり20歳の時とは違う自分がそこにはいると思うので、その変化を見て感じていただけたら。あと今回は脱いでるんですよ(笑)。上半身裸だったり、セクシーな写真もあるのでそういった部分にも目を向けていただけたら嬉しいです。
夢を叶える秘訣
― では最後に、モデルプレス読者に向けて夢をかなえる秘訣のメッセージをお願いします。菅谷:やっぱり挑戦し続けることじゃないですかね。一歩踏み出すことってすごく大事だと思うし、やりたいことを見つけたら、やるべきことをしっかりやって、目指したことを実現させるための努力をすることだと思います。僕の夢?…家族と戸建てマイホーム。真面目です(笑)。
― ありがとうございました。
インタビュー中、「ちょっとここは書かないでくださいね」とおちゃらけて話す無邪気な“てっちゃん”の一面を見せつつも、言葉の端々に“俳優・菅谷哲也”としての覚悟や闘志が垣間見えた。今作でまた一つ俳優への思いを強く確かなものにした菅谷が、今後どのように“期待を裏切る”姿を見せてくれるのか注目したい。(modelpress編集部)
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