【「光る君へ」吉高由里子インタビュー】周明の死が与えたまひろに与えた影響「衝撃的で抜け殻にされた」・最後の言葉の意味…松下洸平との再共演振り返る
2024.12.14 07:00
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大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BS・BSP4K、毎週日曜午後6時~/BSP4K、毎週日曜午後0時15分~)の主演を務める吉高由里子(よしたか・ゆりこ/36)が合同取材会に出席。12月15日に最終回「物語の先に」の放送を控え、ついに物語が完結する。前編では、終盤の展開や第46回「刀伊の入寇」で描かれた松下洸平演じる周明(ヂョウミン)との再会を振り返ってもらった。【インタビュー前編】
吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」
大石静が脚本を手掛ける今作は、平安時代を舞台に、壮大で精緻な恋愛長編「源氏物語」を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公。「源氏物語」執筆に欠かせない1人の男性・藤原道長を柄本佑が演じ、ドラマでは紫式部が生涯心を寄せ、陰に陽に影響しあいながら人生をたどる生涯のソウルメイトとなっていく。周明は、まひろが越前で出会った宋の見習い医師で、「越前編」の第21回(5月26日放送)から第24回(6月16日放送)に登場。道長と親しいまひろを利用するため近づいたが、思惑を見抜いたまひろに拒絶され姿を消した。第45回では「源氏物語」を書き終えたまひろが、長年の夢だった旅に出る決意を固め、亡き夫・宣孝(佐々木蔵之介)が働いていた大宰府で、偶然周明と再会を果たす。再び心を通わせたのも束の間、「刀伊の入寇」に巻き込まれ、まひろをかばって周明が命を落とすという衝撃的な展開が描かれた。
吉高由里子が考える周明の死がまひろに与えた影響とは
― 紫式部の晩年のことはほぼ史実にないと思いますので、最初に脚本を読まれたときの印象はいかがでしたか?吉高:晩年でいうと「宇治十帖」は紫式部ではなく娘の賢子が書いている説もあるらしいんですけど、この「光る君へ」では“まひろが書きました”ということにすることも思い切りのよさを感じたし、物語の旅をしているような感覚で毎回毎回脚本を読むのがすごくワクワクしました。0から想像で作っている部分と史実を守っている部分は、産みの苦しみがたくさんあるんだろうなと思いますし、そのイメージに自分がどれだけ近づけられるか考えながら読んでいましたね。
― 大宰府にて周明と再会する展開についてはどう思われましたか?
吉高:まひろが「源氏物語」に出てくる場所に直接自分の足で行くというのは、みなさんの想像を膨らませることに繋がると思うので、改めて大石さんの脚本はすごいなと思いました。大宰府のシーンの撮影に関しては私自身も今までに見たことがない風景だったのですごく楽しかったんですけど、知らない街に来て自分がただの自分でいられる場所という、ワクワクに掻き立てられて楽しそうにしていたらどん底に突き落とされたので、演じていてもあっという間でしたね。周明のことは「あのまま松下洸平がフェードアウトするわけがない、なにかしらあるんだろうな」とは思っていたんですけど(笑)、まひろにとって強烈な印象を残す衝撃的な展開で終わりました。まひろはそこからすごく落ち込んだんですけど、生きる意味を考えさせられて大きく影響を与えられたと思います。「生きていることは哀しいことばかりよ」というまひろのセリフがあるんですけど、まひろにとってはあの出来事がこびりつきながら生き続けていくんじゃないかなと思いました。
― 周明の死はまひろにどんな影響を与えたと思いますか?
吉高:やっぱりあんなに近距離で人が亡くなる経験は、母親(ちやは)の死以来だったと思いますし、やっと歩み寄って20年前とは違う2人の関係性が生まれている最中でのことだったので、衝撃的で抜け殻にされましたよね。それでもやっぱり生きている意味を考えることがまひろの作品に繋がっていったんだと思います。
― 最後に周明から「戻ったら話したいことがある」と言われ、その言葉を聞かないままお別れとなってしまいました。どんな内容だったと想像しましたか?
吉高:「一緒にどっか遠くへ行こう」とか、ちょっと期待していた部分もあるんじゃないかな。あのときのまひろだったら本当について行っちゃうんじゃないかというくらい、都で起こったことや感じたことを全て脱ぎ捨てたい気持ちがあったと思うので、どこか知らない国に行けるかも、という気持ちがあったと思います。
― 改めて2021年のドラマ「最愛」(TBS系)以来、松下さんと再共演された印象や心境をお聞かせください。
吉高:「最愛」とは時代も関係性も全然違う役なので、色々な人間にさせてくれる役者というお仕事は面白いなと改めて思いました。3年経っても「最愛」を思い出してくれるファンの方がたくさんいて嬉しいことですし、そうやって人の心に残る作品にいっぱい出られたら良いなと思います。洸平くんと会うとその作品の話にもなるので、「次はどんな役で一緒になるかな?」とも話しました。やっぱり共演する方はたくさんいらっしゃるけど、再会できることってあるようでなかなかないことなので。洸平くんだけじゃなくて今回は佑くんもそうですし、また共演できることは心強いですし、安心します。
まひろを取り巻く道長・宣孝・周明の役割
― まひろを取り巻く男性として道長、宣孝、周明といった男性がいらっしゃったと思うんですけど、それぞれどんな想いで接していたか、それぞれの人物がどんな役割を持っていたのか、どんな影響を与えられたと思いますか?吉高:宣孝さんはすべてお見通してで分かっていたと思うんですけど、まひろを自由にさせる寛大な心を持っていて面白おかしく捉えてくれたのと、根暗と言われているまひろを面白い人間にもしてくれる魔法も持っていたと思いますし、その豪快さに影響された部分もあるんじゃないかなと思いました。
周明はどこか自分と似ている部分もあると感じていたんだと思います。まひろも為時邸で私の居場所がないと苦しんでいるときもあったと思いますし、周明の日本と宋のそれぞれにルーツがあることに寄り添いたいというか、友情なのか恋心なのかわからないですけど、似たもの同士が惹かれ合った部分があったんじゃないかなと感じていました。
道長はもう私の言葉はいらないと思うんですけど、月を見上げる描写が多くて、それって「(まひろは)=道長を思う」「(道長は)=まひろを思う」だと佑くんとも話していました。私たちがわざわざ口にしなくてもみんなそういう風に観てくださっていると思うので、月がない日はないようにお互いにとっていない日はないくらい一心同体というかお互いの生き甲斐の存在だったんだと思います。第42回「川辺の誓い」のシーンは、2人の距離感が恋愛でも友情でもない達観した世界になっていて、いよいよ最終形態というかソウルメイトという感じがすごく出ていたなと思いました。
★後編に続く
(modelpress編集部)
大河ドラマ「光る君へ」最終回「物語の先に」(12月15日放送)あらすじ
まひろ(吉高由里子)は倫子(黒木華)から道長(柄本佑)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。全てを知った倫子は驚きと共に、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き…
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