「新鮮だからレアで!」でE型肝炎に……低脂肪でヘルシーなのに、50%から寄生虫卵も? 注意すべき肉
【医師が回答】「よく焼けば大丈夫」「見た目が新鮮なら安心」と思っていませんか? シカやイノシシなどのジビエ肉には、家畜の肉とは異なるリスクが潜んでいます。実際に報告された感染例や、安全に味わうためのポイントを解説します。(※画像:Shutterstock.com)
食中毒や感染症のリスクを減らすにはどうすればいいのでしょうか? 大切なのは、いたずらに怖がるのではなく、実際の感染ルートと正しい予防法を知っておくことです。これからの季節に食べる機会が増える「少し特殊な肉」のリスクと、調理のポイントを、ぜひ押さえておきましょう。
Q. 「ジビエ肉は感染リスクが高くて危険」って本当ですか?
Q. 「シカなどのジビエ肉は、脂肪が少なく体にいいイメージがありますが、野生の生き物の肉は危ないと聞きました。たまに販売されていますが、ジビエ肉を調理するときの注意点はありますか? 見た目が新鮮そうで臭いにも問題がなければ、少し赤みが残っても大丈夫なのでしょうか? 病気のリスクと注意点を知りたいです」
A. 生食や加熱不足は禁物です。ポイントを押さえて楽しみましょう
「ジビエ」とは、狩猟で捕獲された野生の鳥獣のことですね。日本では、シカやイノシシ、野ウサギ、カモ、キジなどが代表的なジビエです。脂肪が少ないヘルシーな肉として、健康意識が高い方にも人気のようですが、人が管理し育てている家畜とは異なり、野生の生き物は安全管理されているわけではありません。流通ルートにもよりますが、肉そのものに細菌やウイルス、寄生虫を持っている可能性があります。
実際に2003年には、生のシカ肉を食べた4人が6~7週間後にE型肝炎を発症しました。E型肝炎は現在も国内で年間400~600例程度報告されており、発熱や黄疸、だるさなどの症状が現れる病気です。多くは自然に治りますが、妊婦や高齢者では劇症肝炎になることもあります。
2020年に行われた、野生動物のE型肝炎ウイルス抗体検査の研究によると、イノシシ2363頭と13道県のシカ1822頭のうち、イノシシ360頭(15.2%)、シカ1頭(0.1%)が陽性であったと報告されています。シカだけでなく、イノシシにも注意が必要です。
また、厚生労働省の調査(2011~2013年)では、イノシシやシカのふんからサルモネラ菌や、溶血性尿毒症症候群(HUS)の原因となるベロ毒素産生性大腸菌が見つかったことも報告されています。さらに約半数のふんから鞭虫・回虫・鉤虫などの寄生虫卵も検出されたそうです。寄生虫に感染しても早期には気付きにくく、成長・増殖して初めて分かることも珍しくありません。見た目がどれだけ新鮮でも、赤みが残る状態で食べるのは避けましょう。
ジビエを安全に食べるために、次の点を心掛けましょう。
・生食は避け、肉の中心部を75℃で1分間以上加熱する
・狩猟・捕獲の記録がはっきりしている、健康な個体の肉を選ぶ
・使った調理器具はしっかり消毒する
・ジビエに使った包丁やまな板を、ほかの食材と共用しない
ジビエは正しく選び、しっかり加熱すれば、おいしく楽しめる食材です。11月15日から2月15日までの狩猟シーズンは、ジビエを口にできる機会も増えます。リスクを正しく理解したうえで、安全に味わいましょう。
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
執筆者:清益 功浩(医師)
関連記事
-
【PR】クールスカルプティング(クルスカ)効果を超える?湘南美容クリニックの「クルスカダブル」が凄すぎたSBCマーケティング株式会社 -
料理研究家・鈴木沙織、-50kgダイエット成功の理由語るモデルプレス -
【PR】メディカルサイズダウンの効果は?湘南美容クリニックの最新医療を体験SBC メディカルグループ -
【PR】内田理央、やわらかボディの秘訣とは?“最高傑作”ファンの声にコメント返し&インタビュー<読者プレゼント>スリムビューティハウス -
【PR】柴田あやな、10kg減のスタイルキープ術は?「燃えてるような、初めての感覚」骨盤ダイエットで気づいたこと株式会社スリムビューティハウス -
1年で20kg減に成功の麻生れいみ、新たに提案する“ケトンアダプト食事法”とは<モデルプレスインタビュー>モデルプレス
「ダイエット」カテゴリーの最新記事
-
柿を食べると胃石ができて危険? 胃潰瘍や腸閉塞を招く「タンニン結合」。安全に食べるシンプルなコツAll About -
「人には相談しにくくて……」「年齢のせいかと」更年期の女性に、なぜ膀胱炎が多いのか【医師が解説】All About -
悪玉コレステロール「下げすぎ」の落とし穴? 東大名誉教授が教える「健診数値」の意外な誤解All About -
「健康に良さそう」の意外な落とし穴……東大名誉教授が毎日飲んでいた清涼飲料水をやめた理由All About -
「眠れないから少しだけ」は危険? 認知症になるリスクが高まる可能性も……寝る前に避けるべき飲み物All About -
「寝不足はダメ」「もっと寝なきゃ」と焦らなくていい? 東大名誉教授が語る睡眠時間と寿命の真実All About -
「チャンポンは悪酔いする」「休肝日は無意味」説は本当? 東大名誉教授が教える、お酒の常識All About -
「太っていないのになぜ?」「男性の病気かと……」 痩せている女性に今「脂肪肝」が増えているワケAll About -
「腰がスッと伸ばせない……」東大名誉教授が「たった1日で回復した」驚くほどシンプルな体操All About