付き合って1年、彼がトークで毎日送ってくる駅名、大宮・高崎・長野→その次に届いた駅名を見た私は?
届いたのは駅名だけ
彼とは、社会人になってから参加した読書会で知り合いました。付き合いはじめて、ちょうど1年になります。東京生まれの彼に対して、私は長野県の出身です。
「大宮」
最初のメッセージに、彼からの説明はありませんでした。私の「どうしたの?」には、「なんでもない」とだけ返ってきました。
ところが次の日も、彼から駅名が届きました。
「高崎」
さすがに気になって、私はもう一度訊いてみました。
「旅行中?」
「ううん、家にいるよ」
それ以上は、何を訊いてもはぐらかされてしまいました。
意味の分からないトーク
3日目に彼から届いたのは、こうでした。
「長野」
見慣れた地名に、少しだけ目が留まりました。とはいえ、長野と言っても広いですし、大宮や高崎は私とは縁のない駅です。
謎解きか何かの遊びだろうか。誰かに送るはずのメッセージを、間違えて私に送っているのだろうか。
会ったときに訊いても、彼は笑ってごまかすだけでした。気にしないようにしようと思っても、届いた3つの駅名が頭から離れませんでした。
帰り道、私は路線図のアプリを開き、大宮、高崎、長野と、届いた順に指でたどってみました。
つながった線
東京から北へ向かう新幹線の路線は、大宮、高崎と続き、長野へたどり着きます。東京駅からなら、乗り換えなしで向かえる経路でした。
長野から先へ、さらに指を動かしてみました。すぐ隣に、見覚えのある駅名がありました。
飯山。
私が生まれ育った町の駅です。
偶然だと思おうとしました。それでも、そこへ向かう道のりを、彼が1日1駅ずつ送ってきているように見えてなりませんでした。
そして4日目、通知に表示された駅名を見て、私はしばらく画面から目を離せませんでした。
「飯山」
そして...
これで、偶然とは思えなくなりました。
大宮、高崎、長野、飯山。並べてみると、私の実家までの道のりに見えました。順番まで、きれいにそろっていました。
私はすぐに、彼へこう送りました。
「これ、私の実家の駅だよね?」
既読はすぐにつきました。けれど、彼の返事はなかなか届きません。
ようやく届いた1通を、私は何度も読み返しました。それから、こう返しました。
「ばか。普通に言ってくれたらいいのに」
続けて、もう1通だけ彼に返事を送りました。
何も言わずに駅名を送り続けた彼は、ようやく届いたあの1通に何と書いてきたのでしょうか。
(20代女性・図書館司書)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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