「今日、元彼に会ったでしょ」と送ってきた彼→届いたのは、駅で信号を待つ私の後ろ姿でした
身に覚えのない一行
「今日、元彼に会ったでしょ」
彼とは大学のサークルで知り合い、付き合って2年。元彼は同じサークルの先輩で、卒業前に別れてからは連絡先も消していました。そのいきさつは、付き合う前に彼にも話してありました。
仕事を終えて会社から駅まで歩き、電車で帰ってきただけの1日。元彼の顔は、思い出そうとしてもぼんやりしていました。
「会ってないよ?どうしたの急に」
届いたのは私の後ろ姿
返ってきたのは、1枚の写真でした。
駅の東口の横断歩道で、信号を待つ女性の後ろ姿。紺のコートに、ベージュのトートバッグ。椅子の背にかけた自分のバッグと見比べるまでもなく、私でした。
「これ、違うの?」
誰かが、後ろから私を撮っていた。部屋のカーテンが閉まっているかを確かめてから、返信を打ちました。
「これ私だけど、誰が撮ったの?」
「それより、隣にいた人は誰?」
改めて写真を見ると、私の隣には黒いコートを着た男性の後ろ姿が写っていました。同じ部署の先輩です。2人の間には1人分ほどの距離があって、どう見ても普通に話しているだけ。カップルに見えるような写真ではありませんでした。来週の会議資料の話をしながら駅まで歩き、改札の前で「お疲れさまでした」と頭を下げ合って別れた帰り道です。
「会社の先輩だよ。駅まで一緒に歩いただけ」
これで分かってもらえる。そう思って送った説明に返ってきたのは、謝罪ではありませんでした。
何度説明しても
「ふーん。先輩ってことにしとけば済むと思ってる?」
「済むとかじゃなくて、本当に先輩なんだって」
「本当は元彼の方が好きなんじゃないの?」
読んだ途端、スマホをベッドに放り投げていました。会ってもいない人を、どうして私が好きなことになるのか。拾い上げて、同じ説明をもう一度打ち直しました。
「なんでそうなるの?先輩の部署も名前も言えるよ」
既読がついてから、返事までは長い間がありました。今頃、少しは言い過ぎたと思ってくれているのだろうか。届いたのは、そんな期待とは違う一通でした。
「別に。疑われるようなことしなきゃいいだけじゃん」
そして...
疑われるようなことを、何かしただろうか。会社の人と駅まで歩いた、それだけでした。
「謝ってはくれないんだね」
既読はすぐにつきました。それきり、画面は私の吹き出しで終わったまま。
写真の保存ボタンは押さずに、チャット画面を閉じました。どうして彼は、ここまで私を疑えるのか。なぜ一度も謝らないのか。一番知りたいことは、まだ何も聞けていませんでした。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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