妻に「最近、絵文字多くない?」と聞かれた僕。打ちかけた「実は」の続きを、まだ送れずにいる
娘だけが見ていた妻の様子
「お父さん、ちょっといい?」
「お母さんへの返事が冷たいよ」
続けて届いたのは、「お母さん、毎回ちゃんと書いてくれてるのに」「了解ってだけ来た画面、しばらく見てたよ」という2通でした。
「用件は伝わってるだろ」
そう返すと、「伝わってるかどうかの話じゃないんだけど」とすぐに届きます。入力欄に打ちかけた言い訳を、送らずに消しました。
さかのぼったグループチャットの履歴
仕事の帰り道、家族のグループチャットをさかのぼってみました。妻が書いてくれた献立や帰りの時間の確認、「無理しないでね」という気づかい。その下に、自分の「了解」「わかった」が並んでいます。
用件は伝わっている。けれど、この短い返事を、妻は毎回どんな気持ちで読んでいたのか。娘の「しばらく見てたよ」が、そこで初めて引っかかりました。
「どうすればいい?」と娘に送ると、「絵文字1個つけるだけでも違うよ」。絵文字の一覧を開くと似たような顔がいくつも並んでいて、どれが自然なのか見当もつきません。ずいぶん迷った末に、笑った顔を選ぶことにしました。
次に妻から届いたのは、いつもと同じ確認でした。
「今日は魚にしたよ。帰りはいつもの電車?」
「了解です。いつもの電車で帰ります」
そう打ち、笑った顔と電車の絵文字を足して送信。保冷剤の連絡にも「ありがとう。助かります」と返し、手を合わせた絵文字を添えました。
「何かあった?」に打ちかけた言葉
妻から個別のチャットが届いたのは、それから少したってからです。
「最近、絵文字多くない?何かあった?」
既読をつけたまま、入力欄に「実は」と打っては消しました。娘に言われて変えたと知られたら、17年間自分では気づけなかったことまで認めるようで、続きがどうしても書けません。
「え、そう?特に何もないよ」
結局送ったのは、いつもの癖のような短い返事と、笑った顔の絵文字でした。しばらくして、娘からも「お母さん、気にしてたよ。私からは言わないでおいた」と届きました。
そして...
グループチャットには、今も絵文字つきの返事を送っています。
「今日は寄り道せずに帰ります」
笑った顔をつけて送ると、妻からは「了解」のあとに花の絵文字が届きました。画面を閉じる前に、その小さな花をもう一度見返しました。理由はまだ妻に話せていませんが、最近は送信の前に絵文字の一覧を開いて、どの顔にするかで迷うことが楽しくなってきました。
(40代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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