「デート代は俺の負担」と言った彼が、会う場所を私の部屋にしてから毎回の鍋代を私に払わせていた話
付き合い始めに聞いた約束
彼とは友人の紹介で知り合い、付き合って1年になります。初めて2人で食事をした日、会計でバッグに手を入れた私を、彼は片手で制しました。
「デート代は俺の負担」
そう言って伝票を取り、「そういうの、ちゃんとしたいから」と笑った彼。その言葉どおり、食事も映画も彼が払ってくれました。申し訳なさはあったものの、お礼に焼き菓子を渡すと、彼は嬉しそうに受け取ってくれました。
3か月ほど前の、駅までの帰り道のことです。隣を歩いていた彼に、こう誘われました。
「次は部屋でゆっくりしない?」
駅から近いのは私の部屋のほうです。断る理由もなく、うなずきました。
鍋が続くほど膨らむ食費
それから、会う場所はほとんど私の部屋になりました。寒くなってからは、ほぼ毎回鍋。彼が来る日は仕事帰りにスーパーへ寄り、野菜とお肉をそろえて待っていました。彼が持ってくるのは、ペットボトルのお茶1本くらいでした。
家計簿アプリを開くと、3か月前から食費が目に見えて増えていました。予定していた金額を超える月も続いています。
一方の彼は、デート代が浮いたことを喜んでいるようでした。材料費を半分出してと切り出せば、けちだと思われそうで、なかなか言い出せませんでした。
その日も、2人で鍋を囲みました。食べ終えて流しで土鍋を洗っていると、ソファのほうから彼の声がしました。
洗い物の途中で聞いた一言
「今日もデート代、ゼロだったな」
機嫌のいい声でした。蛇口を閉め、濡れた手のまま振り返りました。
「デート代は俺の負担って、言ってたよね」
彼は目を丸くして、「え、最近はかかってないし」と返してきました。
「かかってるよ。私が払ってるだけ」
私が今日の鍋に入っていた食材たちをあげていくと、彼は驚いていました。2人分となると、白菜も豆腐もお肉も安くはありません。
残った取り皿を重ねながら、頭に浮かぶのは同じことばかりだったのです。お金がかかっていることに、言われるまで気づかない人。この人と一緒に暮らす将来を、うまく思い描けなくなっていました。
そして...
数日後に届いた、彼からのメッセージです。
「次は、買い物から一緒に行かせて」
約束の日、スーパーの入り口で待っていた彼は、私が着くと先にかごを手に取りました。会計も彼が済ませ、帰り道では重いほうのエコバッグを持ってくれたのです。
言われるまで気づかなかった人が、あの数日で何に気づいたのか。どうして部屋で会おうと言い出したのか。その理由を、私はまだ聞けずにいました。
(20代女性・販売職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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