「今日のおばさん、マジでウザかったわー」私に誤送信した後輩へ、怒りの下書きを消して送った返信
気遣いのつもりで送ったメッセージ
その日、後輩は取引先との電話で言葉に詰まっていました。金額が合わないと言われたらしく、電話をつないだまま資料をめくり続けていたのです。隣の席から「代わるね」と声をかけ、電話を引き取りました。原因は見積もり3ページ目の単価。古い数字のまま送られていました。先方に謝り、翌朝いちばんに修正版を送ると約束して話をまとめました。
電話を返すと、後輩は小さく頭を下げただけ。フロアのあちこちから視線が集まっていたのは、私も気づいていました。
帰宅してからも気になって、彼にメッセージを送りました。
「今日はお疲れさま。電話の件は気にしなくていいからね」
すぐに既読がつき、しばらくして返信が届きました。
宛先違いで届いた「おばさん」
「今日のおばさん、マジでウザかったわー」
私が送った気遣いのすぐ下に、そのメッセージはありました。宛先を間違えたのだと分かるまで、そう時間はかかりませんでした。同期の誰かに送るつもりだったのでしょう。
おばさん、という言葉が頭の中でグルグルと回りました。本人に届くはずのなかった言葉だとしても、見てしまった以上、なかったことにはできません。あの電話を引き取ったのは、彼を責めるためではなかったのに。
入力欄に指を置き、思いつくままに打ち込みました。「誰に送るつもりだったの?」「助けてもらってその言い方はないよね」。どれも送信する前に消しました。怒りをそのままぶつければ、明日から隣の席で顔を合わせるのは私にとってもつらくなる。冷めかけたお茶を一口飲んで、考え直しました。
私が選んだのは仕事の話
彼が本当に困っていたのは、あの金額のずれのはずです。それなら、返すべきことは決まっていました。
「送る相手、間違えてるよ。ウザいおばさんから1つだけ。明日先方に送り直す見積もり、3ページ目の単価が古いままだから直しておいてね」
送信してすぐ、既読がつきました。返事はなかなか来ませんでした。今頃、画面の前で頭を抱えているのだろうか。そう想像すると、少しだけ溜飲が下がりました。
返信が届いたのは、お茶をすっかり飲み終えた頃です。
「すみませんでした。単価、直しておきます」
短い返事でした。言い訳が並んでいないことに、なぜかほっとしたのです。
そして...
次の日、出社するとすぐ、彼が印刷した見積もりを私の席まで持ってきました。3ページ目の単価は、正しい数字に直っていました。
「昨日は、すみませんでした」
頭を下げる彼に「数字、合ってたよ」とだけ返して、書類を受け取りました。先方へ送る修正版も、これで間に合いました。表紙には黄色い付箋が1枚。
「電話、代わってくださってありがとうございました」
昨日は言えなかったお礼を、なぜ付箋に書いたのか。その理由までは、私には分かりませんでした。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
【漫画】「不貞の証拠があるなら内容証明を送って」毅然と対応【不倫したのは誰ですか? Vol.25】エキサイトニュース -
【誕生月別】2026年11月、仕事終わりに彼から「ご飯行かない?」と誘われる女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
「初めての彼氏ができたの」25歳で再会した友人の恋の相手は…まさかの15歳上の既婚者だった【漫画】エキサイトニュース -
【誕生月別】2026年11月、仕事終わりに彼から「ご飯行かない?」と誘われる女性ランキング<第4位~第6位>ハウコレ -
「会話して傷つきたくない」出産直前に夫から「仕事が忙しくなる」と言われ一人で出産した妻が会話をやめた理由【漫画】エキサイトニュース -
【漫画】毎日「子ども産め」ばかり! 義家族にやめてと言うも…【夫と義家族に無視される私 Vol.29】エキサイトニュース -
「お父さんも同じことを言ってたわよ」と実家の母に笑われた俺が、彼女の弁当にスマホを向けるまでの事情ハウコレ -
【星座別】この冬、出会いが続いてモテ期に入る女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【誕生月別】2026年11月下旬、「手、冷たいね」から両思いが始まる女性ランキング<第4位~第6位>ハウコレ