「仕事休んで昼寝できていいな」と言った俺→妻に土曜を任され、娘と2人きりの1日で分かったこと
言った時、頭にあったこと
娘は生後半年を過ぎ、妻は育休中です。会社の先輩に「育休なんて休みみたいなもんだろ」と笑われて、そういうものだと思っていました。連日の残業で帰ると、妻は起きていて、娘も起きている。ソファに横になりながら、口から出たのがあの言葉でした。
「仕事休んで昼寝できていいな」
妻は返事をせずに娘を抱き上げました。それを、怒っていないと受け取ったのです。
「休みなんでしょ。俺も昼寝したい」
「じゃあ、土曜。1日お願いね」
「1日?」
「1日」
軽く言ったつもりでした。娘と2人きりで1日過ごしたことは、それまで一度もありません。
昼寝どころではなかった
玄関で娘を受け取った時、出かかったのは「無理かもしれない」でした。飲み込んで、眉だけが寄っていたと思います。
ミルクを作る間、娘は床で泣き続けました。抱いて、揺らして、ようやく寝たのでソファに横になった直後に、泣き声で目が覚めます。時計を見ると15分しか経っていませんでした。
トイレに行く間も抱えたままです。目を離した隙に、引き出しの取っ手をつかんで立ち上がろうとしていました。冷蔵庫のメモを、何度読み返したか分かりません。洗い物は水につけたままにしました。
昼寝ができないのではなく、寝ようと考える時間そのものがない。それが、妻の毎日でした。
3回消した文面
娘を抱えたまま、片手でメッセージを打ちました。
最初の文には「俺も仕事で疲れてて」が入っていました。読み返して消しました。次は「でも」から始まっていて、それも消しました。3回目に残ったのが、これです。
「今日1日で分かった。昼寝なんてできる時間、どこにもなかった。仕事休んでいいなって言ったこと、ごめん。帰ったらちゃんと言う」
既読がついてから、返事が来るまでの間、娘の背中を叩き続けました。
「わかった。もう少しで帰る」
それだけでした。怒っているのか、そうでないのか、画面からは分かりません。
そして...
鍵の音がして、娘を抱いたまま玄関に立ちました。
「ごめん」
娘ごと、頭を下げました。妻はリビングに入ってシンクを見て、昼寝はできなかったんだね、と言いました。首を横に振ることしかできませんでした。
冷蔵庫のメモの余白に、その日気づいたことを自分の字で書き足しました。妻がそれを読んだかどうかは、まだ聞いていません。
(30代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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