もらった物に必ず点をつける母→義妹の手土産を「あとでいただくね」とだけ言って棚に置き続けた私
母は必ず点をつける
母は、人からもらった物に必ず点をつけます。私が嫁いだ年、初めて持って帰った焼き菓子を「前に隣の奥さんがくれたのと同じね」と言われました。それからは、実家に何を持っていくか考える時間が、帰る前の楽しみを食い潰すようになりました。
だから義妹の箱を、母の前では開けません。開けて味を褒めれば、母は必ず前の物と比べ始めます。次の帰省から、義妹は私と同じ場所に立たされることになる。それが分かっているので、受け取る時の言葉はいつも決めています。
「ありがとう。あとでいただくね」
台所で聞かれた
食器を運んだ台所で、義妹と2人になりました。蛇口の音の下で、義妹が聞いてきました。
「甘いもの、お好きじゃなかったですか」
皿を拭く手を止めないまま、答えを探しました。点数のこと、嫁いだ年の焼き菓子のこと。順番に話せば、義妹は母のことを嫌いになるだけだと思いました。
「そういうんじゃないの。気にしないで」
言い終わってから、これでは何も伝わらないと分かりました。続きを言うために息を吸ったところで、廊下から母の足音がしました。
「何の話?」
「何でもない」
拭き終えた皿を棚へ戻しながら、義妹が濡れた手を布巾で拭くのを横目で見ていました。
玄関で渡した瓶
帰り支度の中で、母が義妹に箱を持ち帰るかと聞いているのが聞こえました。義妹は、置いていくと答えました。その声を背中で聞きながら、台所へ戻って漬物の瓶を紙袋に入れました。玄関で靴を履く義妹に、紙袋を差し出しました。
「よかったら」
それ以上は、居間まで届く声になると思って、口にしませんでした。車が出てから、棚の箱を下ろしました。リボンをほどき、1つだけ口に入れて、残りを皿に盛って居間へ運びました。母は箱の値札を裏返して言いました。
「これ、この前の最中より安いんじゃないの」
「私がこの店のを頼んだの。好きだから」
頼んだことなど1度もありません。それでも、義妹の選んだ物に点がつくよりはいいと思いました。母はそれ以上、値札を見ませんでした。
そして...
義妹に、母抜きでお茶をしないかとメッセージを書いています。手土産にくれた店の名前を並べて、どれもあとで食べていたことも書きました。母の前で開けなかった理由まで伝えるか迷っていますが、「気にしないで」で終わらせたままにはしたくありません。
(40代女性・パート)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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