「私はモテるから婚活しない」と言った友人が、会場で私を見た理由
先月のカフェで返ってきた一言
学生時代からの友人と、月に1度会う関係が10年続いています。同期の結婚報告が続き、実家に帰るたびに母から同じ質問をされる。33になった今年、初めて婚活パーティーに申し込みました。
その日、注文したものが揃ったところで、来月のパーティーに申し込んだと伝えました。友人はストローで氷を回しながら、笑って言いました。
「私はモテるから婚活しない」
20代の頃、飲み会で連絡先を聞かれるのは決まって友人のほうでした。隣で笑ってやり過ごしてきた自分を、また同じ席に座らせられた気がします。
壁際から飛んでくる視線
会場はホテルの宴会場で、番号順に席を回って自己紹介をする形式でした。フリータイムに入ってすぐ、壁際にいるその人に気づいたのです。
目が合うと、友人は手元のグラスに視線を落としました。それでも席を移るたびに、同じ方向から目が向けられているのが分かります。誰かと話している様子はなく、グラスは減っていません。
私が同じ職種だという男性と仕事の話で盛り上がっている間も、視線の気配は消えませんでした。先月の笑顔を思い出すたび、見せつけたい気持ちが、確かにありました。
呼ばれた番号と、呼ばれなかった番号
カップリングの発表で読み上げられたのは、私と、あの男性の番号でした。友人の番号は呼ばれませんでした。
連絡先を交換してロビーに出ると、柱のそばに友人が立っていました。コートを腕にかけ、床に目を落としています。声をかける前に、片づけに出てきたスタッフが友人に会釈をしました。
「今日もありがとうございました。また来月ですね」
友人は小さくうなずいて、私を見ました。今年に入ってから毎月この会場に通っていたのだと、そのやりとりだけで分かります。
「言えなかった」
返す代わりに、先に回転扉を押しました。振り返らずに済んだのは、鞄の中に新しい連絡先が入っていたからです。
そして...
翌日、友人からメッセージが届きました。
「来月、隣に立ってていい?」
返信は一行にしました。
「モテるんでしょ、がんばってね」
既読がついたまま、返事はありません。10年間隣で聞き役をしてきた私が、初めて先に席を立った日になりました。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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