3回通っても一字一句同じお礼が届く美容室、予約を迷った私が送った言葉
通うたびに、同じ形のお礼が届きます
引っ越しをきっかけに通い始めた美容室です。担当してくれるのは20代の女性スタイリストで、こちらの希望を丁寧に確認してくれる人でした。
会計を済ませて店を出ると、必ずお店のアカウントからメッセージが届きます。
「本日はご来店いただきありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしております。」
文末には担当者の名前が添えられていました。
1回目は律儀なお店だと思いました。2回目も、そういう決まりなのだろうと受け取りました。3回目に届いたものを見て、私は履歴をさかのぼりました。読点の位置まで、3回とも同じでした。
話が弾んだ日も、届いた言葉は同じでした
その日は、鏡越しに映画の話で盛り上がりました。最近見て良かった作品を教えてもらい、帰りの電車でタイトルを検索したほどです。
それなのに、家に着いて開いた画面には、いつもの文面が表示されていました。映画の話には、どこにも触れていません。
私は試しに、
「おすすめしてもらった映画、見ました」
と送りました。
既読はすぐにつきました。返事が来たのは翌日です。
「またのご来店をお待ちしております。」
映画についての返事はありませんでした。
お店から届いた言葉なのは分かっています。それでも、自分から会話を続けようとしたあとまで同じ返事が来ると、少し寂しく感じました。
予約アプリを開いたまま、決めかねていました
技術に不満はありませんでした。仕上がりも気に入っていて、施術中に話す時間も心地よいものでした。
それでも、店を出たあとに届く言葉の中には、私との会話が何も残っていません。
担当を変えてもらうほどのことではありません。かといって、次の予約を入れる気にもなれませんでした。
私は美容室へメッセージを送りました。
「テンプレートですよね。それならもう送らなくて大丈夫です」
送信したあと、画面には入力中の表示が出ては消え、しばらくしてまた表示されました。
そして...
届いたのは、これまでとは違う文章でした。
「すみません。自分の言葉で送るのが怖くて、先輩の文面をそのまま使っていました」
少しして、もう1つ届きました。
「あの映画、私も見返しました。あの終わり方、ずるいですよね」
私は予約アプリを開き直して、次の予約を入れました。
あれから届くお礼は短いものばかりです。それでも、映画のことや、その日に話したことが少しだけ入っています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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