彼女の長文に短い返事しかできない俺が、初めて消さずに送った言葉
無難な返事だけが残る
彼女はデートのあと、その日の感想を長めに送ってくれます。俺は毎回2度読みます。嬉しいからです。
ただ、同じくらいの長さで返そうとすると、何を書けばいいのか分からなくなりました。学生時代から、言葉を選び間違えて相手を困らせた経験があります。長く書けば、また余計なことを言う気がしていました。
文章を削っていくと、最後に残るのは「楽しかった」「俺も」「また行こう」といった無難な返事ばかりでした。
水族館のあとに消した言葉
水族館の帰りも、彼女から感想が届きました。ペンギンの話、オムライスの話、大水槽のイワシの群れの話。最後には「また行こうね!」とありました。
ペンギンを見ていたとき、俺は2匹が同じ場所を回り続ける姿を見て、俺たちみたいだと考えていました。最初は、そのまま返信に書きました。
「俺たちみたいだよな。ずっとこのまま回っていたいな」
読み返すうちに、気取っていると思われたくなくなり、消しました。何度か書き換えた末に送ったのは、「うん、俺も笑」。そのあと彼女から届いた「おやすみ」は、いつもの返事より短いものでした。
初めて消さずに送った
それから、彼女の返事も用件だけになりました。理由を聞けないまま、俺も短い返信を続けました。
数日後、彼女から届きました。
「短い返事を見るたびに、楽しかったのは私だけなのかなって思ってしまうの」
そこで初めて、自分が余計なことを書かないようにしていた結果、彼女には何も感じていないように見えていたと分かりました。
その日は、打った文章を削るのをやめました。誤字だけを直し、そのまま送りました。
「変なことを書いて嫌われるのが怖くて、何度も打ったけど消してた。ペンギンの話、ほんとは俺たちみたいだって思ってた」
そして…
長い返信は、今も得意ではありません。今でも送る前に削りたくなることがあります。
それでも、最初に書いた文章を一度読み返してから送信するようになりました。あの水族館以来、「うん、俺も笑」だけで終わるやり取りは前より減っています。
(20代男性・整備士)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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