断りの1通が送れないまま、私が代わりに用意していたもの
初日に出ていた、2つの答え
私は取引先の窓口を担当していました。「納期を早められないか、至急ご確認いただけますか」と届いた日、社内への確認はすぐに済ませました。答えは、間に合わせられないというもの。そして上司からは「この件は断ってください」と指示が出ました。指示どおりの断りを打ち終えて、私は送信の手前で手を止めました。数量を分ければ間に合わせられるかもしれない。その見込みを捨てられませんでした。
覆すための2日と、消した1通
翌日に届いた別の確認には、その場で返しました。答えのある問いには返せるのに、肝心の1件だけを私は残していました。指示に逆らって調整を続けていることは、まだ誰にも言えません。「確認中です」とだけ打ちかけて、それも消しました。覆せる保証もないまま、期限だけを約束することはできませんでした。「先日の納期の件、その後いかがでしょうか」と催促が届いても、返せる結論がないまま、私は画面を閉じました。至急と書かれた依頼を3日も残せば、どう見られるかは分かっていました。
3日目に送った長文と、返ってきた一言
数量を分ける案で承認を取り付け、私は「前倒しは難しい状況です。ただ、数量を2回に分ければ、1回目の分は間に合わせられます」と送りました。届いた返事は「難しいなら難しいと、先に一言いただきたかったです。次からは、途中経過だけでも先に教えてください」。そのとおりでした。私は「申し訳ありませんでした。実は初日に、社内ではお断りするよう指示が出ていました。それを覆す材料が揃うまで、何もお送りできませんでした。以後、途中でも当日中にご連絡します」と送りました。覆すために黙っていたのは半分。もう半分は、結果の出ていない自分を見せたくなかっただけでした。
そして...
今は答えが出ていない案件ほど、その日のうちに「確認中です」だけでも送るようにしています。相手の画面のいちばん下に、自分の沈黙を残さないためです。
(30代女性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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