「ただの習慣だよ」同棲後も同じミルクティーを買い続けた私、減らない1本で気づいたこと
買い物かごに入る1本
彼と同棲を始めて半年。2人で暮らす部屋の冷蔵庫には、いつも同じ銘柄のミルクティーがあります。もともとは元カレの好物でした。付き合っていた頃に切らさないよう買っていて、別れてからも、週に1度の買い出しのたび、かごに入れる手だけがそのまま残ったのです。彼が初めてこの部屋に泊まった日にも、冷蔵庫にはその1本がありました。
「これ、いつも同じだね」
その日、レジ袋から補充する私の手元を見て、彼が言いました。「これ、いつも同じだね」。責める調子ではありませんでした。それでも私は、聞かれてもいない言葉を重ねていました。「ただの習慣だよ」。口にしてから、言い訳のような響きに自分で引っかかりました。未練なんかじゃない。証明するように、私はその1本を冷蔵庫の一番手前に置き直しました。彼はそれ以上何も言わず、グラスに注いで最後まで飲んでいました。その後も、冷蔵庫にあると決まって彼が飲んでいたので、てっきり気に入っているのだと思っていました。
減っていない買い置き
引っかかりは、その後も残りました。冷蔵庫を開けるたび、扉の内側に並んだ同じラベルが目に入ります。並べ直しているうちに、気づいたことがありました。先週の1本が、まだ残っている。この半年、減らしていたのはほとんど彼で、私は最後に自分でふたを開けた日を思い出せませんでした。好きで買っているのなら、飲んでいるはずです。私が続けていたのは、飲む習慣ではなく、買う習慣だけでした。誰の好物でもなくなった1本を、手だけが運び続けていたのです。
そして...
数日後、冷蔵庫の前から振り返って、私は彼に「本当は、何が好きなの」と聞きました。彼は少し間を置いてから「実はこれ、あんまり得意じゃないんだ」と打ち明けました。続けて「君の好きな物だと思ってた」とも。私はあの銘柄が誰の好物だったのかを、初めて彼に話しました。次の買い出しには2人で行き、彼は炭酸水を、私は初めて選ぶ果実のジュースをかごに入れました。冷蔵庫には今、種類の違う2本が並んでいます。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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