話を打ち切るための言葉を、私は2年、友人に向けて使い続けていました
最初に送った日のこと
結婚して隣の県へ引っ越してからも、専門学校時代の友人とのやりとりは続いていました。
離れていても昔と同じように話せる相手で、私にとって気を張らずに連絡できる存在でした。
ただ、結婚後の生活は思っていたよりうまくいかないこともありました。夫とは休みが合わず、話し合いたいことがあっても時間を取れない日が続きます。
そのことを友人に書きかけたとき、送るのをためらいました。
結婚を祝って送り出してもらったのに、こんな愚痴をこぼしていいのだろうか。
うまくいっていないと思われるのも嫌でした。
私は書いていた内容を消し、代わりに、
「まあ、わからないよね」
と送りました。
そう書けば、それ以上聞かれずに話を終えられると思ったのです。
同じ言葉に頼った2年
それからは、家の話になるたび、同じ言葉で話を終わらせるようになりました。
夫婦の休みが合わない話でも、買い物の相談でも、少し踏み込んだことを書きそうになると、
「まあ、わからないよね」
と送ってしまいます。
友人から届く返事が「そうだよね」だけになり、向こうから連絡が来る回数が減っていることには気づいていました。
理由も薄々分かっていました。
「わからないよね」という言い方が、相手を遠ざけるものになっていることも。
それでも、自分の事情を話し続けるより、その言葉で終わらせるほうが楽でした。
友人にどう聞こえるかより、結婚生活が思いどおりではない自分を見せないことを優先していたのだと思います。
返ってきた言葉
やりとりが減ってしばらくした頃、私は自分から、
「久しぶり、元気にしてる?」
と送りました。
近況を送り合ううち、また家の話になりました。
そして私は、癖のように、
「まあ、わからないよね」
と送ってしまいました。
しばらくして、友人から返事が届きました。
「わからないよ。でも、わからないままでいいなら聞くよ」
何度も読み返しました。
私は、聞いてもらえないと思っていたのではありません。聞かれたら、自分の生活について本当のことを話さなければならなくなるのが嫌だったのです。
何度か文章を書き直したあと、ようやく送りました。
「わからないよねって言うと、そこで話をやめられるの」
続けて、聞かれる前に自分から話を終わらせていたことや、その言い方が友人を傷つけるかもしれないと途中から気づいていたことも書きました。
夫とのことを全部話すところまでは、まだできませんでした。
そして...
返ってきたのは、
「今度は、途中でやめないで聞かせて」
という言葉でした。
それを読んでも、すぐに何もかも話せるようになったわけではありません。
ただ、あの日から「まあ、わからないよね」は送っていません。
話しにくくなったときは、無理に終わらせる言葉を送らず、「今日はここまでにするね」と伝えることもあります。
友人を遠ざける言葉で自分を守るより、話せないなら話せないと伝えるほうがいい。今はそう考えています。
(20代女性・販売職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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