「おばあちゃんは老人みたいで嫌」孫にママと呼ばせたかった私、息子の妻から届いた1枚の絵
「ママ」に戻りたかった理由
きっかけは、手芸サークルで孫の呼び方が話題になったことでした。「うちは名前で呼ばせてるのよ」友人がそう話すと、別の人は「うちはあだ名」と続けました。私だけが、孫から「おばあちゃん」と呼ばれています。帰りに店のガラスへ映った自分を見ると、白髪が前より増えていました。「おばあちゃん」という言葉と、自分が老いていくことが頭の中で結びついてしまったのです。それなら名前や「ばあば」でもよかったはずです。それでも私が「ママ」にこだわったのは、息子が小さかった頃、長い間そう呼ばれていたからでした。「ママ」は、今より若かった自分の呼び名でした。息子が大人になってから使われなくなったその言葉を、孫からもう一度聞けたら、昔の自分へ戻れるような気がしていたのです。息子の妻にとって「ママ」がどんな意味を持つのかまでは考えていませんでした。
断られても続けてしまった
私は息子の妻へ送りました。「おばあちゃんじゃなくて、ママって呼ばせてくれない?」続けて、「あなたのことはお母さんって呼ばせているのなら、区別はつくでしょ?」とも送りました。返ってきたのは、「娘が混乱するので、呼び方は変えられません」という返事でした。「娘が混乱する」という理由は分かりました。それでも、「おばあちゃん」と呼ばれることへの抵抗を手放せませんでした。私は、「おばあちゃんって、老人みたいで嫌なのよ」「呼び方くらい、いいじゃない」と何度か送ってしまいました。息子からも、「もう娘はおばあちゃんって覚えてるんだから、そのままでいいだろ」と言われました。それでも、自分が年を取ることを認めるようで嫌でした。本当は、「年齢を意識するのが怖い」と言えばよかったのだと思います。けれど、それを息子にも息子の妻にも話すのが恥ずかしくて、私は呼び方の話だけを繰り返しました。
絵の中にあった呼び名
ある日、息子の妻から写真が届きました。画用紙いっぱいに描かれていたのは、私の顔です。余白には、ひらがなで「だいすきおばあちゃん」と書かれていました。添えられていたのは、「娘にとって『おばあちゃん』は、あなたのことなんです」という言葉でした。私はその絵を見て、孫にとって「おばあちゃん」は年齢をからかう言葉ではないのだと気づきました。私を呼ぶために覚えてくれた言葉です。自分が避けようとしていた呼び方を、あの子は「だいすき」と並べて書いていました。「ママ」と呼ばせることばかり考えて、孫がすでに私のために覚えてくれた言葉を変えようとしていたのです。
そして...
数日考えてから、私は2つ送りました。「ごめんなさいね。おばあちゃんのままでいいわ」「あの絵、待ち受けにさせてもらったから」今でも鏡を見れば、白髪が増えたとは思います。それをうれしいとは思えません。ただ、「おばあちゃん」と呼ばれることまで嫌ではなくなりました。次に孫が遊びに来たら、庭に咲いている花の名前を教える約束をしています。玄関で「おばあちゃん」と呼ばれたら、今度は呼び方を直そうとせず、そのまま返事をするつもりです。
(60代女性・パート)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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