「消したほうがいいですよ」と送った私が、投稿を1枚も残していなかった理由
具体的に書かないと、人は消しません
すすめられて出てきた投稿でした。玄関先で撮った1枚に、町名と番地の入った板が写っています。路肩の車のナンバーもそのまま写っていました。私も以前、自宅の周りが分かるものを写し込んだまま載せ続けていて、見ず知らずの人に指摘され、投稿をすべて下げました。あのとき効いたのは、気をつけてくださいという言葉ではありません。どこに何が写っているかまで書かれて、初めて手が動いたのです。
だから私も具体的に書きました。「後ろの電柱に町名と番地が出ています。車のナンバーも読めるので、消したほうがいいですよ」。送りながら、これでは写真を細かく見た不審な相手だと思われると分かっていました。
空のアカウントだと読まれました
返事は早く来ました。「ご自分は1枚も上げていないんですね」。私の画面には確かに何も残っていません。載せない人間だからではなく、全部下げたからです。あのころ私が並べていたものは、その人が並べているものとよく似ていました。消したあとに残るのは空の画面で、事情まではどこにも表示されません。
伸びている側から見れば、載せられない者のひがみに読めるのでしょう。自分のことを黙って正しいところだけを書いたのだから、そう読まれても仕方がありません。
そのあと、画面は開けなくなりました
まもなく相手の画面は開けなくなり、ブロックされたと分かりました。消してもらえたのかどうかも、私には確かめようがありません。それきり何も知らないまま日が過ぎました。心配していたのだと言えば聞こえはいいのですが、私が引きずっていたのは、自分の書き方が届かなかったという一点でもあります。
正しいことを書けば足りると思っていたのは、受け取る側に立っていなかったからです。それでも、同じ写真をまた見かけたら同じように書くだろうと、そのときの私は考えていました。
そして...
しばらくして、受信箱に通知が来ました。「どうして、そこまで具体的に分かったんですか」。ブロックが外れていました。読んだ瞬間に、やはり私が正しかったと思ってしまい、そう思った自分のほうが嫌でした。「私も、同じ場所を写して上げていました」。そう返してから、写り込みの箇所を順に書いて送りました。
その人がそのあと何を決めたのかを、私は知りません。今は、知らない人に送るとき、自分も同じような写り込みで投稿を削除したことを、先に書くようにしています。空のままの画面から正しい話だけを送っても、受け取れる形にはならないからです。
(20代女性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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