「米」とだけ返してきた妻の真意を、俺はメッセージ履歴の中に見つけた
2026.08.04 12:00
提供:ハウコレ
省略が当たり前だった
妻へのメッセージは、いつからか単語だけになっていました。「タバコ」「飯」それで用件は伝わり、妻は必ず「わかった」と返してくれました。職場や友人には、相手が困らないよう状況を説明していました。それでも妻には、分かってもらえることを前提にしていました。家では言葉を省いても許されると、勝手に決めていたのです。
「米」の意味
帰りの電車でメッセージを開くと、妻から「米」と届いていました。「米って何」と聞き返すと、しばらくして返信が届きました。
「ごはんは炊いてあります。おかずは自分の言葉で聞いてください」
俺は駅のホームへ移動し、妻との履歴を遡りました。「タバコ」「飯」と送る俺に、妻は毎回、意味を補った返事をしていました。自分が送った言葉の足りない部分を、妻が埋め続けていたと分かりました。
履歴に並んでいた単語
家に着いた俺は、玄関で言いました。
「俺、あんなに単語だけだったんだな」
妻は責めず、俺が続けて話すのを待っていました。その態度にも、俺はこれまで甘えていたのだと思いました。翌日、俺は「ごめん。今日は俺が買って帰る。何がいい」と送りました。これまでなら「飯」で済ませていたところを、妻が答えられる形で聞きました。
そして...
文章で送るようになると、妻から返ってくる内容も変わりました。買って帰る物や食べたい物について、そのまま相談が続くようになっています。
今日も「今から帰る。牛乳いる?」と打ち、送信前に一度読み返しています。俺が省いていたのは字数ではありません。妻が受け取ったあとに困らないよう、言葉を選ぶ手間でした。
(30代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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