私の好みと違う指輪ばかり見た彼が、帰りに見せた画面
プロポーズの返事から半月、初めての指輪選び
プロポーズを受けたのは半月前でした。彼はもともと控えめな贈り物を好むタイプで、私も派手なアクセサリーは似合わないと思っています。指輪を選びに行く道すがら、私は雑誌の切り抜きを見せて「こういう細いのがいいな」と伝えました。彼は「うん」と短く返しました。それだけで、私の中では話がついたつもりでいました。
気に入ったリングは、いつも彼の視界の外にあった
ショーケースの前で、私は迷わず細身のプラチナリングに目を留めました。「これ、きれいだね」と伝え、店員さんに出してもらって試着すると、指にすっと収まりました。それでも隣にいた彼は「ああ」とだけ返し、視線はもう別のケースに移っていました。
彼が代わりに店員さんに頼んだのは、粒の並んだ太めのリングでした。「これはどう?」と彼が差し出した指輪を試着してみましたが、私の指には明らかに大きく感じました。「ちょっと大きすぎるかも」と返すと、彼は残念そうな顔をして、また別の似た系統のリングを頼みました。
「もう少し他のも見よう」と繰り返した彼
私がもう一度細身の方を見たいと言っても、彼は「もう少し他のも見よう」と繰り返しました。同じフロアを二周したところで、私は自分のペースが崩れているのに気づきました。伝えたつもりが伝わっていなかったのか、彼が自分の希望を優先したかったのか。頭の中で問いだけが増えていきました。決めきれないまま店を出て、近くのカフェに入りました。
そして...
カウンター席に並んで座ったとき、私は「私の好みじゃないやつばかり見てたね」と口にしました。彼は黙ってスマホを差し出し、「これ、覚えてる?」と1枚の写真を見せました。
1年前、友人の結婚式の帰りに、私が送った指輪が写るスクリーンショット。太めのリングの写真に「派手だけど、こういうの本当は憧れる」という私自身のメッセージが添えられていました。送ったこと自体、私は忘れていました。
「覚えてたんだ」と小さく返すと、彼は「言ってくれれば、こっちに絞ったのに」と苦笑いをしました。私はまだ、自分の伝え方の拙さと、彼の伝えなさ、その両方に引っかかっています。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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