「俺客なんだけど」店員に嫌味を言う彼を、おじいちゃんがたった一言で黙らせた話
祖父に会わせる、大事な食事でした
付き合って2年になる彼を、初めて祖父に会わせることになりました。祖父は長く小さな食堂を営んでいた人です。子どもの頃から、私は「人には礼を尽くしなさい」と何度も言われて育ちました。
だからこそ、彼にも祖父を知ってほしいと思っていました。彼は仕事熱心で、普段は私にも丁寧に接してくれる人です。少し緊張している様子はありましたが、祖父の前でいいところを見せたいのだろうと受け取っていました。
店に着いて席に座ると、祖父は彼の仕事の話を聞き、彼もはきはき答えていました。最初は、うまく話せているように見えました。
「俺客なんだけど」という一言
料理がなかなか運ばれてこないと、彼は店員を呼びました。店が混んでいるのは見れば分かります。それでも彼は、注文を取りに来た若い店員に向かって言いました。
「俺客なんだけど」
店員が謝っても、彼は続けました。「客を待たせて平気なの」と。強く言えば場が締まると思っているような言い方でした。
私は彼を止めたかったのに、祖父の前でどう言えばいいのか迷いました。彼に恥をかかせたくない気持ちと、このままでは嫌だという気持ちがぶつかって、会話に入れませんでした。
祖父が返した言葉
それまで聞いていた祖父が、箸を置きました。そして彼のほうを見て、落ち着いた声で言いました。
「客っていうのは、偉い人のことじゃないよ」
続けて祖父は、「お金を払う人も、頭を下げる人も、同じ人だ」と言いました。責める言い方ではありませんでした。でも、店員を見下すような彼の言葉を、まっすぐ止めてくれました。
彼はすぐに何も言えなくなりました。しばらくして、店員のところへ行き、「先ほどはすみませんでした」と頭を下げました。その姿を見て、私は彼が間違いを認められる人なのだと分かりました。
そして...
店を出て祖父と別れたあと、彼は「ちゃんとできる男に見せたかった」と言いました。祖父の前で頼れるところを見せたくて、強く出ることが正しいと思ってしまったそうです。
その言葉を聞いて、私は彼の態度をすぐに全部許せたわけではありません。店員への言い方は、やはり見過ごせないものでした。
それでも、祖父の言葉を受け止めて謝れたことは、彼を見る目を少し変えました。大事なのは、強く見せることではありません。間違えたときに、自分の態度を直せるかどうかなのだと思いました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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