後ろ姿の彼女ばかり選んで送った俺が、最後まで送れなかった一枚
気づけば彼女ばかり撮っていた
友人グループで出かけた日、俺はいつの間にかカメラ係になっていました。誰かが食べ物を持って笑っているところや、みんなで歩いているところを撮っているうちに、自然と彼女を追っていました。
彼女は、少し前を歩いて店を見つけたり、友人の話に笑ったりしていました。正面から撮った写真も何枚かありました。カフェの前で笑っている写真は、自分でもかなりよく撮れたと思いました。
ただ、あとで写真を見返したとき、彼女の写真だけ枚数が多いことに気づきました。グループに送れば、友人たちに何か言われるかもしれない。彼女にも、俺の好意が伝わってしまうかもしれない。そう思うと、正面の写真を選べなくなりました。
正面写真を選べなかった理由
俺が選んだのは、彼女の後ろ姿が写った写真ばかりでした。屋台を見ている背中、少し先を歩く姿、横顔もほとんど見えない角度。自分の気持ちが目立たないものだけを選んだつもりでした。
彼女を隠したかったわけではありません。隠したかったのは、彼女ばかり見ていた自分のほうでした。でもそのせいで、彼女には自分だけ顔を写したくない相手のように見えていたのだと思います。
写真を送ったあと、グループでは友人たちが楽しそうに反応していました。俺は安心していました。誰にもからかわれずに済んだ、自分の気持ちも隠せた。そう思っていた時点で、彼女がどう受け取るかをまったく考えていませんでした。
彼女の一言で、照れが不安に変わっていたと知った
しばらくして、彼女から個別にメッセージが届きました。「私だけ後ろ姿多くない?」と書かれていました。軽い言い方でしたが、その奥にある引っかかりは伝わってきました。
その瞬間、自分が選んだ写真の見え方にようやく気づきました。俺にとっては照れ隠しでも、彼女にとっては「顔を出したくない相手」として扱われたように見えたのかもしれません。
保存していた写真の中から、カフェの前で笑っている彼女の写真を開きました。本当は、最初からそれを送ればよかったのだと思います。誰かに好意を知られることを避けるために、彼女を不安にさせていたのだと分かりました。
そして...
俺は彼女に、その写真を送りました。「これ、送ろうか迷ってた」と書いたあと、少し考えてから「君ばっかり撮ってるのが分かりそうで、グループには出せなかった」と続けました。
格好悪い言い訳に見えたかもしれません。でも、これ以上ごまかすほうが失礼だと思いました。彼女を写したくなかったのではなく、彼女を見ていた自分を知られるのが怖かった。その弱さで、彼女に寂しい思いをさせていました。
次に写真を撮るときは、彼女が嫌でなければ、正面から撮らせてほしいと伝えたいです。隠すのは、もう彼女ではなく、自分の照れだけで十分だと思いました。好きな気持ちを守るつもりで、相手を不安にさせないようにしたいです。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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