彼の招待リンクを開いたら私だけ編集できない設定→書かれているのは言った覚えのない願い事ばかりでした
招待されたのに、ただ眺めるだけ
七夕が近づいたころ、彼からチャットアプリに短い連絡が届きました。「見て」とだけ添えられたリンクを開くと、共有リストの画面が表示されました。タイトルは「かなえたいこと」。一緒に行きたい場所や食べたいものが並んでいます。
最初は、彼がこれからのデート候補をまとめてくれたのだと思いました。けれど、画面の上には「閲覧のみ」と表示されています。私のアカウントでは、項目を追加することも消すこともできませんでした。
書き込めないことより、そこに並んでいる内容のほうが気になりました。私が行った覚えのないカフェ、話した記憶のない雑貨店、食べたいと言った覚えのないスイーツ。彼が誰か別の人と作ったリストを、間違えて私に送ったのではないかと思いました。
知らない店と覚えのない願い事
「駅向こうの花屋に寄る」「星の形のゼリーを食べる」「短冊に願いを書く」。かわいい内容ばかりなのに、私は素直に喜んで見られませんでした。
もし2人のリストなら、私も書き込めるはずです。なのに、私は見るだけ。彼の中ではもう完成していて、私はそこに後から招待されただけのように感じました。
「これ、誰と作ったリスト?」と打ち込みました。続けて「私だけ編集できないのはなんで?」とも書きました。でも送る前に、彼から次のメッセージが届きました。「下まで読んでみて」
最後まで読まずに決めつけた
言われて、私はリストの下までスクロールしました。そこには、彼の短いメモがありました。「1月、帰り道に言ってた」「3月、通りかかったときに見てた」「5月、写真だけ保存してた」。項目の横にも、日付と小さな説明が書かれていました。
知らない願い事ではなく、私が忘れていただけの願いでした。通りすがりに「ここ気になる」と言った店。写真を見て「かわいい」と言ったスイーツ。七夕の飾りを見て「短冊、久しぶりに書きたい」と話したこと。彼はそれを、6か月分ずっと拾っていました。
1番下には、「追加してほしいリストじゃなくて、君が言ってくれたことを忘れないためのリスト」と書かれていました。その文を読んで、私は送らなかったメッセージを消しました。最後まで読めばよかったのに、そのときの私は、編集できない表示だけで答えを決めていました。
そして...
七夕の日、彼は小さな枝と短冊を持ってきました。「勝手に鍵をかけたみたいでごめん」と言う彼に、私は「見て、だけじゃ分からないよ」と返しました。まだ少しだけ、先に説明してほしかった気持ちは残っていました。
それでも、私が忘れていた願いを半年も拾い集めていた人がいる。そう思うと、問い詰めるために打った言葉をもう一度開く気にはなれませんでした。最初の短冊に願いを書いて、私は彼の隣で枝に結びました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、設定を一部変更しています。
(ハウコレ編集部)
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