半年かけて彼女の願い事を集めたリストに鍵をかけ「見て」とだけ送った→誤解させた七夕の真相
6か月分の願い事を集めて
彼女は、何気なく「これいいね」と言うことがよくあります。通りかかったカフェの看板を見て「いつか行きたい」と言ったり、季節の飾りを見て「こういうの好き」と笑ったり。本人はすぐ忘れてしまうくらいの、小さな言葉です。
俺はそれを少しずつメモしていました。特別な記念日だけでなく、普段の会話の中にある願いを、どこかで形にしたいと思っていたからです。七夕が近づいたころ、そのメモを共有リストにまとめることにしました。
「駅向こうの花屋に寄る」「星の形のゼリーを食べる」「短冊に願いを書く」。彼女が前に話していたことを並べながら、喜んでくれる顔を想像していました。その時点で、俺はもう自分の中だけで計画を完成させていました。
鍵をかけたまま送った理由
リストを編集できない設定にしたのは、彼女に何かを書き足してほしくなかったからです。俺が拾ってきた彼女の願いを、そのまま見せたかった。自分では忘れていた言葉が並んでいたら、きっと喜んでくれると思いました。
けれど、その考え方は俺の中だけで完結していました。共有リストなのに相手は編集できない。しかも「見て」とだけ送られたら、どう受け取るか。そこまで考えられていませんでした。
サプライズの形にこだわるほど、彼女がどう受け取るかを考えなくなっていました。説明を添えたら驚きが減る気がして、俺は肝心な部分を省きました。それが彼女を不安にさせるとは、送るまで分かっていませんでした。
伝わると思い込んでいた
リンクを送ってしばらくして、彼女からメッセージが届きました。「これ、誰と作ったリスト?」続けて、「私だけ編集できないのはなんで?」と送られてきました。
その文を見て、俺はようやく失敗に気づきました。彼女から見れば、知らない店や覚えのない願い事が並んでいるリストです。しかも自分は見るだけ。誰か別の人とのリストに見えてもおかしくありません。
俺はすぐに「下まで読んでみて」と送りました。リストの下には、それぞれ彼女がいつ言っていたことなのかを書いていました。でも、本当はそこまで読ませる前に説明するべきでした。伝わると思い込んでいたのは、俺だけでした。
そして...
七夕の日、彼女に会いました。俺が笹に見立てた枝を差し出すと、彼女は少し怒ったような顔で「見て、だけじゃ分からないよ」と言いました。その言葉を聞いて、鍵をかける前に、まず言葉を添えればよかったと思いました。
それでも彼女は、最初の短冊に願いを書いてくれました。完成した形で驚かせることより、受け取る彼女が不安にならないことのほうが大事でした。次に何かを渡すときは、驚かせる前に、ちゃんと安心できる説明を添えたいと思います。
(20代男性・システムエンジニア)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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