彼女を友人に紹介するとき、あえて事前に何も伝えなかった僕の本音
あえて何も言わなかったこと
彼女を友人たちに会わせるのは、その日が初めてでした。彼女が前の日から服を選んでいたことも、僕は知っていました。
部屋に入って、僕は彼女の肩に手を添え、「この子、付き合ってる人」とみんなに紹介しました。すると友人の一人が、「え、彼女いたの?全然聞いてないんだけど」と声をあげたのです。
場が小さくどよめきました。僕は「ごめん、言ってなかった」と笑ってごまかしましたが、隣で彼女の笑顔が固くなったのが分かりました。本当は、伝えなかったことには理由があったのです。でも、それをこの場で軽々しく話す気にはなれませんでした。
前の恋で学んだこと
以前付き合っていた人を、僕は早い段階でこの友人たちに紹介したことがありました。仲間内は悪気なく、会う前から「どんな子なの」「前の人と比べてどう」と次々に聞いてきます。
実際に会ってからも、冗談まじりにあれこれ言われ続けました。彼女はそのたびに笑っていましたが、少しずつ疲れていったのだと思います。
その関係が終わったのは、すべてが友人たちのせいではありません。それでも僕の中には、大切な人を会う前から品定めの対象にされたくない、という思いが強く残っていました。だから今度こそ、彼女には先入観なしで会ってほしかったのです。
守りたかったのに、不安にさせていた
集まりの帰り道、街灯の下を二人で歩いていると、彼女が「私のこと、隠したかったの?」と聞いてきました。僕は「隠したかったわけじゃないよ」と答え、少し間を置いて「先に話したら、会う前から色々言われると思って」と続けました。
けれど、彼女の表情は晴れませんでした。それも当然です。僕は友人たちから彼女を守ったつもりで、肝心の彼女自身を置き去りにしていたのですから。先入観なしで会ってほしいと願うあまり、いちばん先に説明すべき相手に、何も話していなかった。
彼女が感じた寂しさは、僕の不器用さが生んだものでした。
そして...
家まで送り、別れ際に彼女は小さくうなずいて帰っていきました。一人になってから、僕は自分のやり方を考え直しました。誰かを守るというのは、黙って先回りすることではなかったのだと思います。
本当に伝えるべきだったのは、友人たちにではなく、彼女に対してでした。次に会ったら、前の恋のことも、黙っていた理由も、全部きちんと話そうと決めました。うまく言葉にできるか分かりませんが、それでも逃げずに伝えたい。彼女が向けてくれた信頼に、今度は僕がちゃんと応える番です。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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