彼の読書メモに混じっていた、私への不満らしき一文。聞けないまま過ごした日々
メモに混じっていた言葉
彼とは、おすすめの本を貸し合うのが好きでした。読み終えると、アプリにお互いの感想を書き込んで、相手のメモを読むのがちょっとした楽しみだったのです。その日も同じ気持ちで一覧をたどっていました。ところが、ある小説のページに残された一文を、私は何度も読み返しました。『好きでも、ずっと一緒だと自分の時間が惜しくなる時がある』。本の感想のはずなのに、それはまるで、私と一緒にいることへの本音のように見えました。
聞けないまま
その一文が、頭から離れませんでした。もしかして、私といる時間を負担に感じているのかもしれない。距離を置きたいのかもしれない。考えるほど、よくない方向にばかり想像が膨らんでいきました。かといって、聞く勇気も出ませんでした。共有のメモとはいえ、彼の本音を盗み見たような後ろめたさがあったのです。いつも通りに振る舞おうとして、かえってぎこちなくなる自分がいました。
やっと口にできた問い
しばらく抱え込んだあと、私はやっとその話を切り出しました。『この前のメモ、もしかして私のこと?』。そう聞くと、彼は少し間を置いてから答えました。『あれは、本を読んで思ったことなんだ』。その言葉に、ほっとしていいのかわかりませんでした。彼は続けて、『でも、ちゃんと話したいことがある』と言いました。穏やかな声でしたが、私は『うん』とうなずいて、その日はそれ以上聞きませんでした。
そして...
あんなに不安だったのに、彼の『話したいことがある』という言葉を、私はまだ受け止めきれずにいます。それでも、勝手に最悪の答えを思い描いて一人で抱え込むのは、もうやめようと思いました。彼があの一文に込めた本当の気持ちが何だったのか。次は逃げずに、二人で向き合って聞いてみるつもりです。一文の意味を決めるのは、私の想像ではなく、彼の言葉のはずだから。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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