座席アンケートで私だけ彼の隣に入れない。何度やり直しても席が動いてしまい、避けられていると思った話
みんなが次々と決めていく座席
幹事から「バス旅行の席、このアンケートで決めましょう。好きなところに名前を入れてくださいね」とメッセージが届きました。
チャットの画面には、バスの座席表を模したアンケートが貼られていて、すでに何人かが名前を入れ始めています。仲のいい人同士が、当たり前のように隣を選んでいきました。
私が座りたいと思ったのは、いつも話していて居心地のいい、彼の隣の席でした。深い意味はなく、ただ一緒にいられたら楽しいだろうな、それくらいの気持ちです。私はそっと、彼の隣のマスに自分の名前を入れようとしました。
何度やり直しても入れない、隣の席
ところが、私が彼の隣に名前を入れると、ほどなく彼の席がすっと別のマスへ移ってしまいました。あらためて移った先の隣に名前を入れ直しても、また彼の席が動いてしまう。一度ではありません。二度、三度と追いかけても、彼の隣にだけは、どうしても私の名前が並ばないのです。
ほかのみんなはすんなりと席が決まっていくのに、私だけが取り残されているようでした。もしかして、避けられているのかもしれない。私と隣になりたくなくて、わざと動いているのではないか。考えれば考えるほど、不安が膨らんでいきました。
アンケートをやめて、直接送った言葉
このまま黙って諦めてしまえば、きっとモヤモヤを抱えたままになる。そう思った私は、思いきってアンケートの画面を閉じました。そして彼に、直接メッセージを送ったのです。
「アンケートだと、何度やっても隣に入れなくて…よかったら、バスでは隣に座ってもいいですか?」
送信したあとは、画面の文字を何度も読み返しました。重く思われないか、迷惑ではないか。返事を待つあいだ、いろいろな想像が頭を巡りました。
そして...
しばらくして、彼から返事が届きました。
「こちらこそ、ずっと隣に座りたかったんです」
その一言で、私の不安は溶けていきました。聞けば、彼は私の名前が隣に並ぶたびに照れてしまい、つい自分の席を動かしてしまっていたのだそうです。
避けられていたのではなく、むしろ反対だったのです。すれ違いの正体がわかると、思わず笑ってしまいました。
バスに乗り込むと、私たちは並んで同じ景色を眺めました。アンケートのマスでは決して並ばなかった隣の席に、今はちゃんと座れています。遠回りした分だけ、この距離が、うれしく感じられました。
(20代女性・大学生)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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