友人の服や髪をけなし続けた私が、別の友人宛ての本音を本人に誤送信した話
優しさのふりをした言葉
彼女が新しいワンピースを鏡の前で合わせていたとき、私は迷わず言いました。「その服、彼ウケ悪そう」。友達として率直に伝えているだけ。ずっと、そう自分に説明してきました。けれど本当は、何を着ても垢抜けて見える彼女が、うらやましくて仕方なかったのです。彼女の髪型を見れば似合う人を引き合いに出し、彼氏の話には余計なひとことを足す。そうやって少しでも相手を下げると、自分のほうがましだと思えて、束の間だけ気持ちが軽くなりました。今思えば、ずいぶん身勝手な甘え方でした。
指が滑った数秒
あの日も、私は別の友人とのチャットで彼女のことをこぼしていました。可愛くて、彼ともうまくいっていて、隣にいると自分が小さく思える。その鬱屈を、軽い愚痴のつもりで打ち込んでいたのです。「正直、あの子の隣にいると自分が惨めになる。だからつい服とかにケチつけちゃうんだよね」。
送信したあと、表示された宛先は、こぼしていた相手ではなく彼女本人でした。ほどなくして、打ち直したメッセージを送りました。「さっきのは、あなたに送るつもりじゃなかった。本当にごめん」。送ってから、取り消しても消えないことだけははっきりしていました。
映し出された自分
返ってきたのは、責める言葉ではありませんでした。「ううん、本音が聞けてよかった」。たったそれだけの返信が、どんな反論よりもこたえました。彼女を下げて気持ちを保っていたのは、彼女に問題があったからではありません。自分の足りなさを認められず、近くにいる人を引きずり下ろしていただけでした。鏡の前で点数をつけていたのは、彼女ではなく、私自身だったのです。画面に並んだ自分の言葉を、何度も読み返しました。優しさだと信じていたものの正体が、こんなにも醜いものだったとは思っていませんでした。
そして...
あれから、彼女との連絡はほとんどなくなりました。引き止める資格はないと、自分でもわかっています。きちんと謝りたい気持ちはあります。けれど、いちばん伝えるべきなのは謝罪の言葉ではなく、もう誰かを下げて自分を保つのをやめるという、これからの自分の生き方なのだと思います。彼女が選んだ服を、もう一度心から似合うと言える日が来るかはわかりません。それでも、人をうらやむ気持ちを言い訳に誰かを傷つけることだけは、二度としないと決めました。
(20代女性・販売職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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